我望光明(がもうみつあき)とは、特撮ドラマ『仮面ライダーフォーゼ』に登場する人物である。
概要
主人公たちが通う、物語の舞台である天ノ川学園の理事長を務める男。自身の著書「遥かなる宇宙の呼び声」によると1964年生まれ。元々は宇宙飛行士であり、NASAにも太いパイプを持つ重鎮。またコズミックエナジーの開発に関わる、とても有名な宇宙科学者。日々の仕事が非常に忙しく、普段は生徒の前に現れる事はない。
表向きは生徒の夢と信念を大事にする理事長で、生徒のために給食のメニューを自ら考案するなど良いおっさん。第48話(最終回)にて250円で販売されている事が判明、宣伝ポスターには「完璧な栄養バランスを考え作り上げた一品。この野菜スープを飲み、何事も万全の体調で挑戦してほしい」と一言添えている。学園の事を「私の宇宙」と評しており、愛着を持って学園と生徒に接している。しかしその正体は、ゾディアーツのトップに君臨する射手座サジタリウス・ゾディアーツ。部下の園田先生や速水校長に指示を飛ばし、生徒にゾディアーツスイッチを配布していた。物語序盤は自ら動かず、先述の通り指示だけ下して暗躍。いわゆる学園内で起きる怪物事件の黒幕である。天ノ川学園を設立したのも、全てはゾディアーツから進化する12体のホロスコープスを集めるためだった。回想シーンから察するに、園田先生が学生だった頃からゾディアーツスイッチを配っていた模様。
学園内に怪物が出現したという数々の証言から何度も警察に探りを入れられるが、催眠術のような能力を使って表沙汰にならないようにしている。また子供の身を案じる保護者には警備費を3倍に増やすと宣言して安心させている。だが警備員が全然出てこないので、口だけの可能性が高い。第33話では財団Xからの資金援助を受けていた事が判明。報告を怠っていたのが原因で職員に詰め寄られるが、ボディーガードの立神によって蹴散らされた。どのような経緯でこうなったのかは不明だが、能力を使うと両目が赤く光る。
目的
幼少期、プレゼンターと呼ばれる宇宙からの声を聞いた(5歳の頃にはもう聞こえていたらしい)事がきっかけで宇宙に関わる仕事に就く。それ以来、プレゼンターに会う事を最大の目標として掲げ、コズミックエナジーの研究に没頭。自分と同じくプレゼンターの声を聞いたという江本州輝、歌星緑郎の二人が仲間に加わり、同じ旗のもと目標達成に邁進していた。ところが緑郎と光明の意見は次第に対立していく。安全だが時間が掛かるアストロスイッチを研究する緑郎と、人間の強制進化を促して時間を短縮する光明の研究は互いに相容れず、両者の関係に亀裂が走る。そして光明に賛同した江本の手によって緑郎を謀殺。障害を排した光明はホロスコープスを集めるべく、ゾディアーツスイッチを配り歩いた。この時に立神哮と出会い、彼を心服させた。だが配り歩くのは非効率だったようで、コズミック・エナジーが降り注ぐ場所に天ノ川学園を設立。素養のある人間を自分のもとに集め、ホロスコープスに覚醒する人物を捜し求めた。
ゾディアーツからホロスコープスに進化した12体の使徒を集め、その力によって宇宙の彼方にいると言われているプレゼンターに会いに行こうと企む。これが光明の野望であり悲願だった。プレゼンターの力によって人類を進化させたあとは、彼らを統治しながら見守ろうと考えていた。悪役ながら絶対悪とは言い切れない人物と言える。
このようなことから非道とみられがちだが、決して情が無いわけではなく、旧友の江本/ヴァルゴ・ゾディアーツが死んだ際には物悲しそうにしていた。また緑郎を謀殺した事を悔やんでおり、毎年京都へ赴いて江本とともに墓参りしている描写もあった。好き勝手暴れるキャンサーに対しては「進化の伸びしろがある」として自由にやらせ、第37話「星・徒・選・抜」では、テスト用紙を3枚重ねると「星」の文字が浮かび上がる遊び心を見せ、それに気付いた生徒は合格基準に満たして無くても特例で合格にする器量の深さを示した。劇場版『仮面ライダーフォーゼ THE MOVIE みんなで宇宙キターッ』では自ら協力を申し出、窮地に陥る弦太郎を助けるという本編ラスボスとは思えない活躍を見せている。冷酷な男になったのは「自分が生きているうちにプレゼンターに会いたい」という夢と焦りによるものと推測される。
最終回にて、フォーゼに卒業ロケットドリルキックを受け敗北。弦太郎の熱意に負け、ついにダチになった。しかしその直後に超進化の無理が祟り、死が間近に迫っていた。そこで我望は仮面ライダー部に「最期の頼みだ…。君たちがプレゼンターに会え。私が出来なかった事を、成し遂げてくれ」と自身の夢を託した。その後、夜の公園で一人佇んでいた我望は「約束は果たせなかったな…だが、私の生徒が必ず行く。その時はよろしく頼む」と言い残して消滅した。
後日、消滅の間際にアクエリアス・ゾディアーツの力を使いコアスイッチを修復、賢吾を蘇生していた事が判明。賢吾が再びライダー部へと戻ってくるきっかけを作った。
サジタリウス・ゾディアーツ
「残念だよ…ヴァルゴ。私が宇宙の真理に到達するパートナーは君だと思っていた。
…だが、君が裏切る事も星の定めだったのだな。」
彼が劇中で変身するゾディアーツで、射手座がモチーフ。第34話「天・穴・攻・防」のラストにて、ラプラスの瞳を得たリブラによってその存在が明かされた。仮面ライダーフォーゼのラスボスを務める。テーマ曲は「最凶の力」で、絶望感たっぷりの曲調。
コズミックエナジーの矢・アポストロスを右手で作り出し、左腕の弓ギルガメッシュで放つ。ラスボスとしての特殊能力は無いが、代わり超火力・高命中率という堅実な性能を持つ。本格的な登場は第42話「射・手・君・臨」からで、裏切り者と化したヴァルゴ・ゾディアーツの前に現れた。ヴァルゴに手傷を負わせ、コズミックステイツとメテオストームを同時に相手どり完勝するという衝撃的な勝利でデビューを飾った。第46話「孤・高・射・手」で再びコズミックステイツとメテオストームを相手にするが、秒殺して変身解除に追いやっている。しかしダークネビュラを開いている時は攻撃力がゼロになる唯一の弱点があり、そこをフォーゼに突かれそうになるもリブラ・ゾディアーツが庇ったため難を逃れた。
第47話「親・友・別・離」では超新星を使い、サジタリウス・ノヴァへと進化。スパイとして潜り込ませた速水からの情報でラビットハッチの存在を知り、立神を率いて襲撃。月面でプレゼンターのもとへ旅立とうとする賢吾にライダーキックを喰らわせて消滅に追いやり、コアスイッチを握り潰した。弦太郎に「今度目障りな事をすれば容赦はしない」と警告を残し、去っていった。外で待っていたライダー部の面々には「学食に新メニューの特製スープがあるから、是非味わってくれたまえ」と自身の考案したスープの宣伝をした。
そして最終回「青・春・銀・河」ではプレゼンターに会うべくダークネビュラを開こうとするが、フォーゼの妨害を受ける。エレキステイツ、ファイヤーステイツ、マグネットステイツによる猛攻を受け、コズミックステイツによる超銀河斬りを喰らうも気合いで無効化。ラスボス戦に相応しい肉弾戦を演じた。…のだが、生身の弦太郎に圧倒されるシーンがあり、最強フォーム2人を同時に相手して完勝した超新星使用前と比べて「(ノヴァの方が)弱い」と言われてしまう事に。最後は、青春銀河大・大・大ドリルキックを喰らって敗れた。
「若者よ、分かったかな?それが諸君らの力だ。いや、力と言えるほどのものでもないか…」
関連静画
関連商品
関連項目
- 仮面ライダーフォーゼ
- 速水公平(表裏両方の部下)
- 大杉忠太(表向きの部下)
- ゾディアーツ
- 鴻上光生(さまざまな部分が似通った2人)
- 平成ライダーの登場人物一覧
- 理事長
- 1
- 0pt