戦争は女の顔をしていないとは、1985年に刊行された、ベラルーシ人の父とウクライナ人の母をもつベラルーシ人作家、スヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチによるノンフィクションである。
概要
1941年から1945年にかけてドイツとソビエト社会主義共和国連邦で行われた独ソ戦にて、従軍・軍に志願した旧ソ連圏の女性たち500人を取材したルポルタージュである。取材は1970年代後半から行われたという。
ベラルーシ国内では当初は刊行が許可されなかったが、ペレストロイカをきっかけに刊行されるようになった。2015年に本作をはじめとする著作活動で、アレクシエーヴィッチはジャーナリスト初めて初めてノーベル文学賞を受賞した。
日本には2008年に群像社から三浦みどりの訳により刊行される。後に翻訳権が消失したため絶版となるが岩波書店が翻訳権を獲得し、群像社版の三浦みどりの訳を使用して岩波現代文庫から2015年に再刊行された。
漫画版
漫画版が2019年4月からKADOKAWAよりTwitter作品公式アカウント、ニコニコ漫画、ComicWalkerにて連載を開始した。作画は漫画家の小梅けいと、監修は漫画家の速水螺旋人が担当している。また担当編集はフリーランス編集者の荻野健太郎。
2023年7月9日現在、漫画連載は27話まで連載されている。
単行本巻末には監修の速水螺旋人による背景解説のページが割かれ解説が行われている。単行本は2023年7月9日現在既刊4巻まで刊行されている。当初は陰鬱さ、悲惨さのあまり売れないといわれていたが第1巻は発売1ヶ月で電子版込で売上10万部を突破している。
作品PVが第2・7話をもとにボイスコミックとして制作されており、You Tubeで無料公開されている。声優・スタッフは以下の該当項目参照。
発行元のKADOKAWAが「今こそ戦争を考えよう」と第して、2022年5月10日から5月16日の23時59分まで本漫画版既刊3巻がBook☆Walkerにて無料配信するキャンペーンを行った。(→リンク)期間内に一度購入すればいつでも閲覧可能状態となる。(印税は原作者・訳者・作画者に満額で支払われるとのこと。)
映画『戦争と女の顔』
同作品を原案として映画が制作され、2019年6月20日よりロシアから全世界で公開された。ロシア語で制作されている。監督と脚本(共同)はカンテミール・バラーゴフ。主演は、ヴィクトリア・ミロシニチェンコと、ヴァシリサ・ペレリギナ。
本格公開に先駆けて同年5月16日のカンヌ映画祭にてプレミア公開された。カンヌ映画祭では、ある視点F部門のIPRESCI賞と監督賞を受賞している。全世界の興行収入は二百万ドル。
日本においては2022年7月15日より新宿武蔵野館ほかにて全国公開されている。日本での配給はアットエンタテイメントが担当。字幕版として公開され、上映時間は137分である。PG-12となっている。
あらすじ
戦争が終わった1945年のソ連第2の都市レニングラードで、前線から帰還しPTSDを抱えつつも生活に復帰した女性イーヤは、戦友のマーシャの子供を面倒を見るために看護婦として働いていた。
ある時に発作が起きてマーシャの子供を死なせてしまう。その後マーシャも帰還するが精神的に大きな傷を負っていた。イーヤとマーシャはボロボロでありながら生活を建て直すために奮闘するが
キャスト(役名-キャスト)
関連動画
漫画版PV(You Tube・KADOKAWAチャンネルで公開)
- 『戦争は女の顔をしていない』試し読みPV(2020年1月26日公開)(→リンク)
第2話をボイスコミック化。
■キャスト
ブレウス大尉/ナレーション:日笠陽子
間島淳司/島袋美由利/柳田淳一/森谷彩子/藤堂駿介/下川草介
■スタッフ
音響監督:納谷僚介/音響効果:今野康之、安藤由衣/録音調整:川和浩之/動画・音響制作:スタジオマウス
キャスティング:泊一平/製作:クレアボイス - 『戦争は女の顔をしていない』朗読PV(2020年12月26日公開)(→リンク)
第7話をボイスコミック化。
■キャスト
ヴィレンスカヤ軍曹・ナレーション:田中敦子
女性兵士:楠木ともり
アレストワ機関士:高山みなみ
操車場長・ラジオ放送:古賀明
男性乗客:菅原慎介
ワーニャ:小林千晃
息子:花守ゆみり
アフメートワ二等兵:水田わさび
■スタッフ
音響監督:納谷僚介/音響効果:今野康之/録音調整;川和浩之/動画・音響制作:スタジオマウス
キャスティング:泊一平/製作:クレアボイス
関連静画
関連リンク
- 岩波書店・岩波現代文庫作品紹介ページ(原作・訳書)
- ニコニコ漫画連載ページ(コミック版)
- ComicWalker連載ページ(コミック版)
- コミック版『戦争は女の顔をしていない』作品公式Twitterアカウント
関連項目
- 6
- 0pt