戦地調停士シリーズとは、上遠野浩平によるミステリー×ファンタジー小説シリーズである。講談社ノベルス刊。
シリーズ初期の頃はファンの間で「事件シリーズ」と呼ばれていた。
概要
2000年に刊行された『殺竜事件』を始めとした作品群で、既刊5巻。
表紙、口絵イラストの担当は4巻までが金子一馬、5巻ではやまざきもへじが担当した。
他の多くの上遠野作品と同様に1巻毎に完結しているが、物語は勿論同じ世界観で進行している。
また「ブギーポップシリーズ」とは"別次元の世界"としてリンクしており、こちらの世界の赤ん坊があっちに行ったり、あっちの世界の漂流物がこっちに流れ着いてきたりしてる。
魔法も竜も存在するファンタジーの世界観でミステリーを成立しているため、本シリーズには
と云った形での制約が定められており、このルールに則った上で読者は推理を読み解く事が可能となっている。
物語
世界最強の存在である『竜』が住む土地において、ある国家間戦争の終戦協定が行われる。
2巻以降も、それぞれ別の舞台で起きた事件を描いた「ミステリー」仕立ての物語となる。
登場人物
- ED(エド)
本名エドワース・シーズワークス・マークウィッスル。EDと聞いて"性機能障害"とか"エンドロール"とか浮かぶ人も多かろうが、人名である。
常に顔の上半分を隠している仮面の男。世界に23人しかいない『戦地調停士』の一人で、趣味で『界面干渉学』と呼ばれる学問も学んでいる。奇人変人、楽観的かつ慎重で、他人の心情を汲み取る一方でヤケにドライ。常識に欠けていると思ったらヤケに理知的な面も見せる。
人の先を往く「先駆者」であり、それゆえに親友であるヒースロゥを「王」にしようと考えている。 - ヒースロゥ・クリストフ
本来はリレイズ国の軍人だが、七海連合に出向しているEDの相棒。階級は少佐。多くの事件や紛争を解決した事で、『風の騎士』と呼ばれ英雄視される人物。その実力は尋常ではないレベル。
困っている人間は見逃せない性でありながら、同時に現実的・即物的な側面での判断をこなし、合理的だが無慈悲ではない思考をする。騎士としての誇りと礼節を忘れないが、それの持つ効果なども利用する強かさも併せ持つ。
人の上に立つ「王者」 の才覚を垣間見せる。 - レーゼ・リスカッセ
カッタータ国の特務大尉で物語の語り部。若いものの優秀な軍人で、冷静な視点を持ち、頭の回転も早い事から柔軟に事態に当たる事が出来る才女だが、1巻では「若い女性であること」を政治的理由に調停の立合人に選ばれる。
基礎しか学んでいないが賭博の素質があったようで、腕は海賊島の人間から見ても達人級。ヒースロゥとは国際学校の同窓生。
用語
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