14件
戦艦陸奥とは、太平洋戦争時に広島湾で謎の爆発によって沈没した旧日本海軍の戦艦である。
概要
昭和18年6月8日、広島湾南側の柱島水道に停泊中の戦艦陸奥は、突如大爆発を起こし沈没した。
船体は一瞬で真っ二つに折れ、乗員1,471人のうち死者1,121人を数える大惨事であった。
引き揚げ作業が始まったのは戦後の昭和22年のことであるが、周囲の速い潮流のため中断され、
昭和45年に再開された作業により昭和53年までに船体の約4分の3が引き揚げられた。
陸奥は1921年（大正10年）の竣工当時、口径40.6cmという世界最大の主砲を搭載する
数少ない戦艦（世界でも7隻しかなく、ビッグ7と称された）のうちの1隻で、
強大な火力と共に全長約225mの巨体で最大速力約26ノット（時速約48キロ）を誇る最新鋭艦であった。
同型艦で連合艦隊の旗艦にもなった戦艦長門と共に日本海軍の象徴だったのである。
その陸奥がいきなり大爆発を起こして戦地ではなく国内で沈んでしまったのだから、
当時の軍部の混乱と慌てようは容易に想像が付く。
綿密な取材に基づき執筆することで知られる作家吉村昭はドキュメンタリー・ノベル
「陸奥爆沈」を出版したが、
大爆発の原因が事故なのか人為的なものなのかは、いまだに不明のままである。
引き揚げられた陸奥の主錨や主砲などは山口県の陸奥記念館を始め、全国数箇所に展示されている。
とりわけ、江田島の旧海軍兵学校（現海上自衛隊第1術科学校・幹部候補生学校）には改装前に実際に搭載されていた40.6ｃｍ連装砲塔（旧第4砲塔）が展示されており、その巨体のよすがを偲ぶことができる。
関連動画
関連項目
- 1
- 0pt
