手榴弾とは、歩兵兵器の一種である。
なお、「榴」の字は常用漢字ではない為、一般メディアや公の場では「手りゅう弾」と表記される。
また、「てりゅうだん」「しゅりゅうだん」と二種類の読み方をする事ができるが、割とどっちでもいいとされている。
概要
広義には擲弾(グレネード)の中でも特に投擲によって使用する物を、狭義にはその中でも爆発し、敵を殺傷する目的の物を指す。
手投げ弾、ハンドグレネード、グラナータ、グラナーテ、コンボラ等とも呼ばれる。
狭義の手榴弾
要は手投げ式の爆弾である、主に導火線や化学反応による時限信管により起爆し、爆風と破片効果によって敵を殺傷する。
「手で投げる」極めて原始的な運用法であるが、それ故「投げ込む」「落とす」等様々な活用法があり、現代において歩兵の必須装備となっている。
殺傷能力
前述の通り、手榴弾による殺傷は爆風(衝撃波)そのものによるものと、飛散する破片や装填された金属球等による物とに分かれる。
爆風は空気により伝播を阻害されやすい分逆に制御はしやすい為、そちらに効果をほぼ限定した物を攻撃型手榴弾、後者の効果を重要視した物は防御型手榴弾と呼ばれる。
具体的な危害能力は爆風による物で半径数メートル、破片による物は重量のある破片で有効範囲は数十メートルまでになり、至近距離であれば大口径ライフル以上の危害能力を持つ。
・・・とやたら数なんちゃらが出てきたが、つまりかなり運が関わるということである。爆風に関しては屋外か室内か、室内でもどのような形かで爆風の伝播は変わるし、破片に関しては、可能な限り均等に散らばるように設計されているとはいえ、どう散らばるかは時の運である。
その為、破片や爆風の有効範囲と戦術上有効な危害を期待できる範囲は別物であるので注意したい。
広義の手榴弾
閃光手榴弾や煙幕手榴弾等が存在する。また、火災時に火元に向かって投げつけ、消火剤を撒き散らす消火手榴弾と呼ばれるものも存在した、というかうちの3階にある。
手榴弾に関する誤認識等
- 派手な爆炎
動画サイトを検索すれば実物の爆発を見られる現代において今更という感じではあるが、爆発に関しては派手な爆炎が上がる等といった事は無い。 - 投げ返し
映画やゲーム等でありがちなシーンであるが、最も危険でメリットの少ない対策法である。
第一次大戦頃までの物は起爆時間が比較的が長く、有効だったとされるが、現代の物に関してはそんな暇は無いように作られており、また相手が起爆するのを見て安全時間を計算したとしても、きっちりその起爆時間で爆発する保証はどこにも無いので危険行為以外の何物でもないとされている。
ただし似たような対策法に「塹壕にあらかじめ専用の溝を掘っておき、手榴弾が来たら蹴り落とす」というのがある(あくまで手で持とうとかはしない)。
メディア等によく登場する手榴弾
- MkⅡ手榴弾
第二次世界大戦~ベトナム戦争頃までアメリカ軍において使用されていた防御型手榴弾、いわゆるパイナップル。
フランスで開発されたF1手榴弾を元に改良された物。第二次世界大戦後は日本国自衛隊を含む多くの西側の軍事組織で採用、もしくはアメリカから付与された物が使用されていた。「あの有名な四角いでこぼこの付いた楕円状の奴」といえばほぼこれである。 - F1手榴弾
第二次世界大戦~現在までソ連、ロシア連邦、及び東欧圏で使用されている防御型手榴弾。
こちらもフランスのF1手榴弾を元に開発されており、構造・外見共MkⅡ手榴弾とほぼ同一である。 - M24柄付手榴弾
第二次世界大戦ごろまでドイツ軍で使用されていた柄付の攻撃型手榴弾。
他にも柄付の手榴弾は存在したが「ポテトマッシャー」「ジャーマンスティックグレネード」と呼ばれるのはこれである。柄のお陰で手首のスナップが効き遠くに投げられたとも、重さでそんなに効果は無かったとも言われている。
フリッツヘルメットと並び、ドイツ兵を象徴するアイコンである。 - OTO M35手榴弾
第二次世界大戦中にイタリア軍で使用された手榴弾。
よく登場する手榴弾の項目と言っておいてアレだが、メジャーな物ではない。しかし、時限信管ではなく衝撃信管を使用しており、人力での投擲で十分な衝撃を安全に与える事は条件が厳しく、作りもアレで不発暴発が多く悪名高いので載せておこうかなって。
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関連項目
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https://dic.nicovideo.jp/t/a/%E6%89%8B%E6%A6%B4%E5%BC%BE