担々麺(担担麺、タンタンメン)とは、中国四川省発祥の麺料理の一種である。
概要
清の時代、四川省都の成都において陳包包という男が考案したのがはじまりとされる。天秤棒で片方に七輪と鍋を、もう一方に麺や調味料などを吊して、担いで売ったのが名前の由来(担担とは成都の方言で天秤棒の意味)。
本場の担々麺は茹でた麺の上にラー油、花椒、芝麻醤などをベースとした調味料を添え、具は豚肉のそぼろや刻みネギ等を乗せたもの(店によっていろいろバリエーションがある)。四川料理の常として慣れない人は花椒で舌が痺れるくらいの激辛な味だが、それを巧く麺と絡めて食べていけば食べ慣れることだろう。
日本における担々麺は、陳建民が日本人向けに改良した、汁を入れ辛さを抑えた調理法が広まったといわれる。従って日本で担々麺といえば、普通のラーメンのように汁麺のものを指すことが多い。
本来の担々麺は「汁なし担々麺」の名で区別されている。
味のベースがラー油や胡麻であることは変りなく、こちらの定番の具は豚肉のそぼろの他に、チンゲンサイが主である。
本場の担々麺は辛いのが当たり前であるが、日本の場合は辛さを抑えるケースが多い。
広島式汁なし担々麺
四川省本来の形式の担々麺をベースに日本人好みの味に改良したもの。日本では広島市を中心に食べられている。
いわゆるご当地グルメの一つ。
その由来は90年代末~00年代初頭に広島市内の料理店「きさく」でアルバイトをしていた四川省出身の中国人から店主が作り方を教わり、日本人好みにアレンジして生み出されたものだという。
その後、2010年頃に「くにまつ」という店が詳しいレシピを公開したことで専門店や汁なし担々麺をメニューに取り入れる店が急増(中には広島市役所や中国新聞社の食堂までが取り入れている)、現在に至る。
広島式汁なし担々麺の特徴として、青ネギが具として入ること、一杯の量が比較的少ない代わりにラーメンより安価に食べられること(多くの店で大盛りにも対応している)、店によっては温泉玉子が標準、またはトッピングで入ること、店によってはちょっぴり残った汁にご飯を入れて食べる「追いライス」があることなどが挙げられる。
勝浦タンタンメン
千葉県南部の勝浦市を中心に食べられている担々麺の一種。
スープは醤油ベースで、具としてラー油や唐辛子で炒めた玉ねぎと豚のひき肉が乗り、胡麻や芝麻醤を使用しないのが特徴。
その由来は勝浦市にある「江ざわ」というお店の店主が担々麺の存在を知り、当時日本では入手困難だった芝麻醤を使わず如何に美味しい担々麺を作れるか試行錯誤した結果生まれたものだと言う。
その後市内の飲食店を中心に広まり、今では千葉県勝浦地方のご当地グルメとして親しまれている。
担々麺?坦々麺?
日本では本来の「担々麺」の表記ではなく、坦々麺(坦坦麺)という表記もよく見られる。
由来からいって坦々麺は誤記ではあるが、こちらの表記も広く流布しているのが現状である。
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