接辞とは、言葉の前や後ろにくっついて言葉の意味を変化させたり補ったりする言葉である。
この時、元となる言葉のことを語幹と言う。
概要
主に接頭辞、接尾辞、接中辞、接周辞、接合辞、超分節接辞、貫通接辞に分類されるが、日本語では接頭辞と接尾辞が接辞のほぼ全てを占める。
日本語に存在する接辞
接頭辞
接頭辞とは、語幹の前に付く接辞のことである。
例)
接尾辞
接尾辞とは、語幹の後ろに付く接辞のことである。
例)
接周辞
接周辞とは、語幹の前後にそれぞれ付く接辞のことである。
例)
ただし、上記の敬語は接頭辞「お」と接尾辞「する」「になる」が複合したものであるという説明もあるため、その場合日本語の接辞は接頭辞と接尾辞の2種類のみとなる。
日本語に存在しない・あまりない接辞
接中辞
語幹を二つに分断し、間に割り込む接辞である。
英語では、abso-fucking-lutely(絶対に)などの形で現れる。これはabsolutely(絶対に)を口汚く強調したものであり、他にも-bloody-, -goddamn-など一般的に単体では卑語とされるものが、決まった単語のアクセントの直前に挿入される。
台湾からフィリピン、マレーシア、インドネシアを通り南はニュージーランド、東はイースター島、西はマダガスカル島にまで達する範囲(ただしオーストラリアとパプアニューギニアの大部分は含まない)のオーストロネシア語族の言語に良く見られる。
日本語においては、単体では意味をなさない『ん』や『っ』などのみが強調の意味でこの接辞をとる。挿入されていない状態で使うことが逆に一般的ではない語句も多くある。
例)
接合辞
二つの単語を結びつけ、一つの単語として扱う際に使われる。
ドイツ語において、Staatsapparat(国家機関)と言うことがあるがこれはStaat(国家)とApparat(機関)を接合辞-s-が繋いでいる例である。
日本語では、古語の連体助詞(今の日本語でいうと「頭の中」などの『の』)がそのまま残った形として存在している。具体的には、天ツ風、禍ツ神などの接合辞-ツ-がそれにあたる。
超分節接辞
これは文字が付加されるわけではないが、単語のアクセントを変える事により意味を変化させるので接辞の一種として扱われる。
例)太字下線部はアクセントの位置を示す。
という様に、英語においては動詞を名詞化する際に使われることがある。
貫通接辞
語幹を3つ以上に分断し、その間に入り込む接辞である。
主にアラビア語、ヘブライ語などのセム語派に見られる。
関連項目
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