推しとは、
である。本項では、2について解説する。
概要
「推し」という言葉は、2000年代にアイドルの現場で生まれた用語である。一推しのアイドルグループのメンバーを意味する「推しのメンバー」を略し、「推しメン」それをさらに略した言葉が「推し」である。
メンバーを応援する時は「推す」と使い、サ行変格活用で変化する。
アイドル一個人を推すことを「単推し」、グループ全体で推すことを「箱推し」と言い、一個人を推す際には「○○(名前) 推し」といった使い方をする。また、2番目に応援している「2推し」、特定のメンバーを激しく推す「神推し」「激推し」、推しているメンバーを変える「推し変」、推しメンが被った際に使用する「推し被り」など派生用語は数多い。
現在では、アイドルの現場に限らず、様々なサブカルチャーなどに波及し、スポーツなどのメインカルチャーとされる分野でも「推し球団」「推しチーム」などといった言葉が使われることもある。
また、特定ジャンルになると「担当」などといった「推し」を表す言葉の言い換えも登場している。
「推し」の概念について語る際に最も言われるのが「推しは推せるときに推せ」という言葉がある。
これは、いつ情勢が変わってアイドルが活動できなくなるかわからないという常に変化するエンターテイメントやサブカルチャー業界の中で「応援できるときに応援しよう」という言葉を象徴的に言い表した言葉である。自分がいつ金銭的に困窮に至るか、病気になったり、死んだりするかは神のみぞ知る世界である。だからこそ、推しは推せるときに推せと言われることがあるのだ。
また、アイドルの現場などでは「推しは多ければ多いほど人生に彩りを持てる」という言葉もあり、常に1人や1グループを推すだけでなく、複数を推すことで自分が今まで知らなかった良さを知ることで、新しい楽しみを持てるということを布教する言葉として広まっている。
「萌え」等との違い
「萌える」は対象に心動かされる心理の一種であり、「推す」は何らかの心理に基づいた主に経済的な行動が想像される。いずれも「好く」とは明確に異なる意味であると捉えられるという共通点がある。
(恋愛感情的な意味での)「好く」という言葉に対し、「推す」「萌える」は「相手から反応される可能性が低い活動」という意味合いが強い。
「萌え」の意味は多義的であるものの、概ね自分と関係のない対象について用いる(したがって、極論を言えば自分からいつでも関係を切ることのできる気楽さがある)。「推す」も概ね同じような感情に基づくものであり、また必ずしも経済的に直接の支援をするものではない(たとえば、推しと似ているだけで無関係な他のグッズを買うことも推すことに含まれる)。用法や使われいている時代に隔たりはあるものの、中心となる感情は似ている。
(ただし、推しと何かしらの交流を持つことを「繋がる」, 推しに恋愛感情を抱くことを「ガチ恋」「リアコ」などというように、相手からの反応がある場合もある。あくまで可能性が低いだけである。)
「推し」という言葉はある種のフェイスを傷つけないための言葉でもある。「同担拒否」という言葉があるように、自分と担当の被る人を半ば生理的に好まない人もいる。そのような人が生まれうる共同体において誰かが「好き」と表明することにはリスクがあり、「推し」と婉曲的に表現した方が共同体を維持することに繋がるのである。
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