『プラレール』
プラレールを改造し製品にはないオリジナルのプラレールを作る!
その手で改造プラレールを掴め!
概要
改造プラレールとは文字通り、改造したプラレールのことである。1959年より販売されている鉄道玩具の王様ともいえる存在であるプラレールは50年の歴史の中で数多くの製品バリュエーションを展開してきた。
しかし、その中でも製品化される車両には限りがある。183系485系などのL特急や新幹線をはじめとする人気のある車輌は比較的製品化される傾向にあるが、一方で近郊型電車や私鉄の普通車といった比較的地味な存在は製品化されることはすくなく、プラレールを愛する子供を持った親の頭を悩ませる問題でもあった。
「地元を走っている電車のプラレールが欲しい!」そんな我が子の願いを叶えたのは模型改造技術を持った一部の父親たちであった。
これが改造プラレールの発端となったと思われる。
最初のプラレール改造がいつごろ生まれたのかは定かではないが、一番有名になったのは恐らく1998年に発行された“プラレールのすべて”であろう。
塗り替え講座と称して当時オレンジ色の実写とはかけ離れた色だったDD51をリアルな外観に塗り替える作例を掲載。
難しい加工などではなく、敷居の低い誰でもできる簡単な塗り替え作品だったため好評を博した。
以降発行された“プラレールのすべて2” “プラレールのすべて3”にも数多くの改造作例が掲載されたことから、それを見た読者により改造が広まっていったと考えられる。
2000年代に突入するとインターネットが各家庭に普及し始め、改造プラレールを紹介するHPなどが設立された。
製品化されていない(あるいはされそうにない)私鉄や国鉄の車輌を次々と公開し、それに感銘した観覧者がまた改造を始めHPを設立し・・・と、大きな広がりを見せている。
近年では各地で有志により開催されるプラレールひろば/プラレール運転会などの一般公開の場で作品を拝見することができる。
沿革
- 1998年 「プラレールのすべて 出版」
歴代製品ラインナップとともに改造例作が掲載され、塗り替え講座と称して当時オレンジ色の実車とはかけ離れた色だったDD51をリアルな外観に塗り替える例作を掲載。
また、鉄道模型の運転会の一角にプラレールを展示し、これが好評を得たことからプラレール運転会へ発展する。
- 2000年代~「インターネットの普及」
改造プラレールを掲載するHPが次々と設立。
情報発信の拠点となり、全国へ改造プラレールの情報が広がる。
改造分類
プラレールの改造はNゲージやHOゲージといったスケールモデルとは異なり、製品に合わせてデフォルメされた状態で制作される。
そのため必然的に実物では付いているはずの部品やモールドをオミットせざるを得ない箇所が出てくるが、そこは製作者の判断次第で大きく変わってくるため各々のセンスが出やすい場面でもある。
同じ形式を作っても製作者が違えば表現方法も異なるため一概にどの表現が正解とは言えない。
改造方法には以下のようなものが挙げられる。
【ステッカー(シール)】
都市圏を走る通勤電車などは行き先表示などが細かく分かれるため、コレを再現するやり方。
一般家庭用のPCとプリンターがあれば簡単に作れるため同じ車輌でも行き先が違うバリュエーションを作ることができる。
近年では旭山動物園号をはじめとする側面に大きくイラストが描かれた車輛も製品化されているため、側面全体がシール張りの作品に仕上げることも出来る。
【塗り替え】
文字通り塗り替えによる改造。
国鉄生まれの電車などはJR化後線区ごと数多くの塗色が施されたため、そういった車輌を再現する方法の一つ。
例として現行製品の東海型急行電車を上げてみると、165系だけではなく見た目がほぼ同じ153系の高運転台タイプや新前橋のモントレー色、形式は変わってしまうが形態が似ている475系などの交流急行色などを作る事ができる。
下記の部分加工とあわせて行われる事が多い。
【部分加工(番台区分)】
一口に165系電車といっても、その中にはタイフォンの形状が違うものや屋根上の冷房機器の有無といった異差が存在する。
こういった点を実車通りに再現する方法の一つ。
製品として販売されている現行の165系東海型急行電車では屋根上が非冷房仕様になっている。
ここからベンチレーターを切り落とし、485系からクーラーを移植する改造などが見受けられる。
他にも後年の改造によって窓が埋められたもの。部品が追加されたものなど多岐にわたる。
上記の塗り替えとあわせて行われることが多い。
【全体加工(切繋ぎ)】
限定的な部位に留まらず車体全体にまで及ぶ加工を施す例である。
モールドをパテで埋める、或いは削るといったそれなりの技術を要する。
ドア配置や屋根上機器、全体の部品構成など、特徴を捉えた車両は数多く製品化されている。
その中で使える部位を組みわせて切繋ぎ加工も行われる。
制作する車両によっても異なるが、1両の種車を一度解体し部品を再構成する場合や複数の車両部品を切繋いで制作する例もある。
それぞれ違う車両の顔と車体を組み合わせて製品にはない形式をつくる場合に用いられることが多いが、プラレールの場合原則三両編成のため製品化される中間車はパンタグラフ付きの車両を割り当てられることが多い。
そこで、後尾車と先頭車を組み合わせてパンタなしの中間車を制作する例も見受けられる。
【部分自作】
製品化されている車両の中でどうしても顔面形状などが一致するものが無い場合に行われる手法の一つ。
一口に言っても顔面など部分的に自作するものや台車まで自作する例もある。
【車体自作】
製品の中に使えそうな車両が無い。製品ベースだとかえって手間がかかる。
何も無いまっさらな状態からスタートするため製品から加工する場合に要する窓埋めや切繋ぎがほぼ不要となる。
反面、基準とする寸法や目印がないため加工前の採寸が大きな鍵を握る。
全体加工よりも技術力を要するので超上級者向けの内容となっており、改造の域を逸しているといってよい。
顔面や側面の一部など部分自作が行われることが多い。
私鉄車や旧性能電車を制作する場合に見受けられる。
注意事項
以前はプラレールを改造する事をメーカー側は容認していたが、今は箱に「プラレールの改造は絶対にしないでください。改造などを行いますと、走行や遊びに支障が出たり、故障の原因となる可能性があります。」と書かれている事からわかるように、メーカーはプラレールの改造を容認しなくなった事がわかる。
つまり、改造は自己責任で「改造して何らかの被害を被ってもメーカーは一切関係ありません」と言う事になるのでくれぐれも注意が必要だ。
関連動画
関連商品
関連コミュニティ
関連項目
- 0
- 0pt