支援物資の注意 |
救援物資を送ろうとは、あなたにも出来る被災地支援である。
さしあたっては東日本大震災及び、それに伴う原発事故の被災者へ、必要な物資を送ることについて書く。(記事作成時:2011年)
概要
募金が国内外から続々と集まっているが、主な用途である義捐金はその趣旨が「被災者に直接、公平に分配」である為に集計が必要と思われる。
つまり、実際に募金が彼等の手に届くのはしばらく後になってからである。
しかし、被災地では大小の避難所が設けられており、数多い避難所では毎日の生活をするための物資が必要になっている。
しかし原発事故による放射性物質の拡散やそれによる風評被害などによって、まだまだ物資が行き渡っておらず、病人やお年寄りなどの死者が出ている避難所もあると報道されている。
交通や物流などは徐々に回復しているようだが、未だ十分でない孤立集落もあるようだ。
【拡散希望】の名をつけて、SNSなどで公式発表のように発信するデマ拡散の事例もあるため、「支援物資の受け入れをしているなら…」と安易に動かず、必ず国や市町村の公式の発表かどうかを確認する必要もある。(本当に可能なら市町村等の公式サイトにも大きく明記される)
元々は「△△なら受け入れ可能かもしれない」「してくれたらいいな」といった希望や憶測かもしれないが、どこの誰が書いたか分からない【拡散希望】には注意し、根拠のない拡散に協力しないように。
現地で必要とされている物資を送ることは、今すぐ出来る被災地支援である。
ただし、闇雲に必要そうな物をどんどん送れば良いという訳ではない。
送り方
▼まず、支援物資の注意としては
中古品や生ものを送らない | 不衛生なため。体調を崩しても医療機関は手一杯。 |
傷みやすいもの・長期保管に 向かないものは送らない |
現地に届くまで長い時間がかかる、冷暖房や冷蔵庫のない風通しの悪い場所に長時間山積みにされる可能性もある。 |
必要とされている品を送る | 不要なもの、既に十分に数量のある物資が届いても困る。保管も場所を取り、処分にも多額の費用や手間がかかる。 千羽鶴や綺麗事だらけの寄せ書き(被災地の心情を逆撫でしかしない)といった何の役にも立たないものは論外。 |
品目毎に箱に別けて送る | 仕分ける手間を省く。 |
品名・数量・消費期限を明記する | 仕分ける手間を省く。配分時に役立つ。 |
被災地に直接送らない | 道路や流通が回復しきっておらず、また避難所では受け付け/仕分けする人手や場所、保管場所も準備できていない。 もし「受け入れ可能」とあっても、どこの誰が憶測や伝え聞きで書いたか分からない【拡散希望】の事例もあるため、国や自治体による公式の発表で受け入れをしているかを必ず確認すること。 |
支援物資受付団体を探す | 被災地と連絡を取って需要(ニーズ)を吸い上げ、届ける手段や手筈を整えている。 |
これらの条件を満たす簡単な方法として、
『新品を箱買いして物資募集団体に宅配便で送る』
がオススメである。
ただし、全国的に買占めが問題になっているので、お店の在庫が豊富な品を選びましょう。
ホームセンターやドラッグストアなどの大型量販店を使うと良いと思います。
送る意味について
■必要はあるの?
各自治体や企業の備蓄が放出されたりもしていますので、民間人が送る必要があるのかという疑問を持つ人もいると思います。
しかし、それで充足しているなら、そもそも支援物資の募集がされないはず。
まだまだ何ヶ月、場合によっては何年も避難所生活は続くので、募集が掛けられている品目を送る分には無駄にはならないでしょう。
■義捐金じゃだめなの?
そんな事はありません。
自分は飽くまで募金で支援するという方は、それでいいと思います。
沢山の義捐金が集まると言うことは、資金の供出を後押しすることにもなるので、物資面でも意味のあることの筈です。
ただ、募集されている支援物資を送ることは、それに加えて意味があることかと。
各団体の資金や備蓄物資にも限りがあるが故に、民間からも募集しているんだと思います。
■箱買いは問題にならないの?
買い占めが問題になっていますので、幾ら店舗に在庫があるからと言って、箱買いに抵抗を感じる方も多いと思います。
ただ、メーカー側としては、被災地だけではなく、他の地域の市場にも商品を供給しています。
各メーカーは市場全体の需要を測りながら生産し、必要なら適時増産をしています。
その能力があるから、当初不足していた品も、現在では在庫が回復しているのです。
店に在庫が豊富にあるのなら、売れた分を補充する余裕も生まれるので、それを購入して送っても問題ありません。
また、購入や送付にはコストがかかりますが、これは被災地で停滞している分の経済を回す、と考えれば決して無駄ではありません。
具体的な流れ
参考までに、具体的な例を一つ挙げながら説明します。
実際の手間ひまや費用を想像する一助にして下さい。
■1.物資受付窓口を探す
・都道府県別自治体の物資受け入れ先 (東日本大震災支援全国ネットワークさんまとめ)
http://www.jpn-civil.net/support/relief_supplies/post_1.html
まずはネットで検索。
あなたの住んでいる地域の近くに救援物資募集団体がないかググってみましょう。
4月9日追記:
検索時、既に締め切られたものを除外するため『4月』などの単語を加えると新しい募集が抽出できます。
【一例】:
例えば京都在住ならば、検索サイトで
『震災 支援物資 京都』で検索。
ついでに近隣の府県も検索しておきます。
京都の例なら大阪とか。これで送り先の選択肢が増える。
すると受付している団体の名前が報道記事などで出て来ます。
具体的には自治体や青年会議所、生協など。
※慈善団体を装った詐欺も横行していますので、信頼できる組織・団体を選びましょう。
次にその団体名で検索し直し、公式サイトを開く。
【一例】:
・京都青年会議所 http://
・京都生協 http://
・大阪青年会議所 http://
・大阪市 http://
団体によって、受付期間や期日、持ち込み場所や送り先が決められています。
確認しておきましょう。
はっきりしないことがあれば、ホームページに記載されている連絡先に確認しましょう。
■2.募集品の中から品目を決める
募集品目は団体により様々です。
毛布だけという所もあれば、数十品目を受け付けている所もあります。
【一例】: 飽くまで一例です。あなたの目当ての団体のサイトで確認してください。
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募集品目一覧(京都青年会議所の場合) ※この募集内容は既に終了しています
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【災害物資一覧表】http://
●食料品
水・ペットボトル飲料・米(特に無洗米)・お菓子・缶詰(缶切りが不要なもの)
乾パン・赤ちゃんの粉ミルク・カロリーメイト等(プロテイン菓子)おかゆ(レトルト)
●医薬品
絆創膏(バンドエイド)・消毒薬・除菌ジェル(特に水が不要なもの)
ガーゼ・マスク・包帯・風邪薬・胃腸薬・解熱剤・目薬・うがい薬・便秘薬・整腸剤
●日用品
懐中電灯・乾電池・ラジオ・ゴミ袋・グローブ(手袋・軍手)・紙皿・哺乳瓶
タオル(バスタオル含む)・電子体温計・使い捨てカイロ・歯ブラシ・歯磨き粉
大人用子供用紙おむつ・生理用品・石鹸・シャンプー(特に水が不要なもの)
洗顔フォーム・化粧水・乳液・コンタクトレンズ洗浄液、保存液・ゴミ袋
ティッシュペーパー・おしりふき
下着、肌着類(男性用・女性用・子供用)、
カセットコンロ・カセットボンベ・ほうき・バケツ等の清掃用品
新品食器類・新品調理器具・灯油(ポリタンク容器に入れたもの)
※被災地の安全衛生面を考え新品・未使用品でお願いします。
※効率よく送るために、必ず種類ごとにまとめて箱詰めをお願い致します。
※箱の側面と上部に物資名をご記入下さい。
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自分の予算などと相談し、このリストから十品目くらいをメモしてお店に向かいましょう。
■3.購入
箱買いに適している店として、ホームセンターやドラッグストアなどの大型量販店がよいと思います。
お店に着いたら、買いたい品の在庫があるかどうかを調べます。
ただ、問題になっている買い占めをしてもいけませんし、あなたの家計を脅かしてもいけません。
ですので、
・在庫の豊富な物
・箱買い出来る物
・予算に合わせて値段の手頃な物
・・・を探しましょう。
よく分からなければ店員さんに「無理ならいいですが箱買い出来ますか?」と確認すると良いです。
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【一例】:値段を想像するための一例を挙げます。お店や商品によって値段は異なります。
・ティッシュペーパー梱包買い(一梱包5箱パック×12個入り:60箱。単価198円×12=2160円)
・ペットボトル箱買い(一梱包:2L×6本。単価158×6=948円。総量12L)
これを一梱包ずつ買うと2160+948=3108円
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■4.発送
お店から近くのコンビニなどに直接持ち込んでも良いと思います。
梱包で買うと大きくなるので、“購入→運搬→発送”を数回に分けてすると良いでしょう。
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【一例】:
コンビニのゆうパックで先の例を同じ都道府県内の窓口に送った場合。
・ティッシュペーパー梱包:140サイズ:1300円。
・ペットボトル梱包:60サイズ:600円。
ゆうパックの場合、同じ送り先なら二つ目には割引が発生しますので
600円が550円になります。
送料合計1300+550=1850円。
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時間と自動車(とガソリン)のある方は、物資を直接募集窓口に持ち込めば送料が掛からなくて良いと思います。
■5.まとめ
上で挙げた例で言えば、費用は合計4958円。
この例では思いついて検索しはじめてから発送まで数時間で済みました。
無駄なく動けば所要時間は1~2時間で出来るかと思います。
二千円もあれば近県の窓口までペットボトルが一箱送れます。
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関連項目
- 2
- 0pt