救援物資とは、自然災害や戦乱、又は恒常的な社会問題などにより、正常な生活や物流が破壊された国、地域に対して、支援活動の一環として送られる物資をいう。
国家機関や国際機関によって送られる場合もあれば、企業やNGOなどの民間団体、個人などによって送られる場合もあり、規模も様々である。
内容は被災した現地で必要とされる、食料品や生活必需品が主となるが、何が必要とされるかは、個々の被災地の情勢や、被災した季節・時期・時間経過により変化する。
災害により不足した物資を送る事が救援物資の趣旨であるため、緊急性を求められる場合も多い。
その一方で、現地の需要や被害情報といった、各種情報のズレにより、しばしば混乱が発生する事もある。
よって、情報の精度を高めるために、各種支援団体は被災地に人員を送り込み情報を集めたり、ノウハウのある人材を派遣して現地での受け入れ体制確立を補助したり、遠隔地から大量に届く物資の、配送拠点や中継地を設けたりして、より効率的な支援体勢を築く例もある。
また、国家間をまたいで物資が送られる場合、通常の貿易ならば関税の課税や検疫の実施が必要とされるが、非常時に送られる救援物資の場合には、関税を免除したり、検疫を通常より簡易化する事がある。
円滑な被災地支援の為に
- 「××は最初は不足していたが、今は多すぎる…」といったケースもある。
- カセットコンロだけあっても、ガス缶が足りなければどうなるか?という事である。
- 不衛生な古着などを適当に詰めて送るなど、都合の良い在庫処分をしてはいけない。
- 賞味期限が短い、冷蔵施設が必要であったり、破損による汚損のリスクのあるものは厳禁。
「箱に内容物・数量・賞味期限を書く」事も重要である。
- 現場の人間は、ひとつずつ悠長に仕分ける暇・人数がない点も考慮したい。
- 莫大な量の支援物資を、広範囲の市町村へ過不足なく配布するのは大変である。
- 天井まで積みあがるほどの量の段ボール箱一つ一つを丁寧に開けて分別する暇はない。
「何の役に立たないもの」を送ってはいけない。
詳しい理由などは次項にて。
無責任な発送は厳禁
現地、被災地は大変とはいえ、とにかく何でも送れば良い訳ではない。
救援物資は、被災地側の受け入れ体制を調べてから送られる必要がある。
個人で被災地に物資を送る場合、不必要な物資を送ったりしてはいけないし、必要とされていても傷んでいる/傷みやすい品物を送ったりしてはいけない。それらの問題物資は、被災地や支援経路、保管場所、仕分けをする人々に多大な負担を掛けてしまう場合もあるので、送る際には注意が必要である。
- 長時間の輸送や保管に向かない飲食品
- 喫食のために煩雑な調理や手順が必要なもの(避難所の環境が安定している場合を除く)
- 不衛生、汚れている、悪臭のする使用済みの古着や毛布・下着
- 箱に内容品目や数量、賞味期限すら書かれていない、何が入っているか分からないもの
- 傷んだ飲食品や衣類によって健康被害があっても、病院はどこも手一杯
- 現地の需要(ニーズ)に合わず、品目によって極端な過不足が起こる
- A・Bがまったく足りないのに、Cだけ多すぎても仕方ない、使えないような状態
- 最初のみ足りていなかったが、途中から過剰数量で使い切る事が困難なもの
- 何の役にも立たない千羽鶴や、被災者の心情を逆撫でする綺麗事だらけの寄せ書き
…これでは支援どころかただの嫌がらせ。「いい事をした」「私も不用品を処分できるし、被災者の人も喜ぶ」などはガチの自己満足に過ぎない。餓死寸前で死にかけているのに千羽鶴など渡されて喜ぶ物好きはいないだろう。
交通網の遮断・渋滞など
もちろん現地は電気ガス水道といったインフラ、重要な橋や道路も寸断されている可能性も高く、冷凍庫・冷蔵庫といった保管施設も不十分といった理由もある。また無事な道路に全国から無計画に車両が集中すれば大渋滞、お互いの物資輸送から現地で救援を行う活動まで幅広く支障が出てしまう。まして苦労して運んだ積荷が傷んだ食品や千羽鶴とあっては…
現地の給油施設が無事でも貯蔵燃料は無尽蔵ではないし、水道電気が止まっていても運転するドライバーやボランティアの食事や水分補給、トイレ、睡眠といった生理現象を止める事もできないため、とにかく大人数で押しかければ良いという問題でもない。
大きな災害の場合には、有志の民間団体や企業、自治体などが、上述の通り、現地と連絡を取って配送の算段を付けてくれる事も多い。個人で送る場合には、それらの信頼の置ける団体の、救援物資募集に応募すると良い。
応募の際は、各種告知に在る注意事項をよく調べ、それらを厳守して送られたい。
デマ拡散に注意
【拡散希望】
××市では○○が足りていません!△△では受け入れ準備が整っていますのでこちらへお願いします!
…ほんとに? → 現場は道路も建物もズタズタ、受け入れできる状態ですらなかった
公式発表や正確な情報源が無いものを「きっと△△では受け入れ可能なはず!」と憶測や希望的観測を勝手に決定事項にしない。デマ拡散は絶対にやめること。「災害時はラジオなどで情報収集」とよく言われているのはこのため。
本当に受け入れ可能であれば国や市町村等の公式サイトで明記される。
貧困国への救援物資
「救援物資」は、広義には貧困国・発展途上国の難民などへ送られる物も含む。
食品だけでなく、生活必需品・募金を含む場合も多い。
ただし問題もある。
「私たちはこんな活動をしています!」といったパンフレットなど
ネット上から適当に画像を集めて編集し、印刷すればそれっぽく作れてしまう点に注意。
対策
困っている人を助けたいのであれば、その組織団体が実在しているのか、ちゃんとした活動をしているのかといった疑いの目も必要である。(その他、動物や環境、××を救うといった名目も多い)
ちなみに、東日本大震災においても被災地支援を騙る募金詐欺・義援金詐欺は行われていた。
もちろん善意の募金は全額、詐欺師の懐の中である。
…と言えば上記の対策内容も納得して頂けるだろうか?
関連項目
脚注
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