新快速とは、JR東海(東海旅客鉄道)、JR西日本(西日本旅客鉄道)、岐阜バス(岐阜乗合自動車)で導入されている快速の種別のひとつ。JR西日本では特別快速と同じ種別として扱われているが、JR東海では特別快速と快速の中間に当たる種別として運行されている。
種別を超えた「新快速」という概念
関西の鉄道利用において新快速は大きな存在感がある。彼らは事ある毎に新快速という単語を口にする反面、常識中の常識である「新快速」が何かという事について今更語る事はまず無い。故に他地域の住民はまずこう思う。
「新快速とだけ言われてもどこの路線の快速かまで言ってくれないと困る」
「関東にも快速より速い快速特急や特別快速があるのに、何故新快速だけそんなに特別なのか」
当然の疑問だがどちらも微妙に外れである。新快速とは単なる快速の上位種別ではなく、既存路線の枠を超えた新たなネットワークなのだ。路線に拘らず直通を行い、かつ複数の新快速同士のネットワークで広域高速交通を形成している。どこの路線に走っているというよりも、新快速自体が一種の路線のような物なので、故に単に「新快速」の三文字だけで通じる。新快速の登場以来、不動産会社が新快速の停車駅である事をアピールして広告を打つ等、経済効果への影響も計り知れない。
関東で例えるならば、運転系統の概念上のみの存在で線路としては実態のない湘南新宿ラインやむさしの号等が近いが、こちらが都市内のバイパス的な役割に徹しているのに対し、新快速は都市間輸送の高速運転も重視しているので、他地域に新快速に類する物はなく、関西圏独自のネットワークと言えるのである。
JR東海の新快速
JR東海では東海道本線の米原~浜松に設定されている。米原~岐阜、豊橋~浜松は新快速という種別ながら各駅停車で運転される。最高運転速度は120km/hとJR西日本より劣るが、定速制御機能を有効に使っており、また高速域での加速力が下がりにくい特性のため、豊橋~大垣間の表定速度は87.3km/hとJR西日本を上回っている(2011年現在は余裕時分の見直しで84.1km/hとなりこれよりも遅くなっている)。
過去には117系や311系、211系0番台などで運転されていたが、現在は大垣車両区の313系5000番台を中心に運転されている。基本は6両編成で、ラッシュなどの混雑時には最大8両編成で運転される。
快速と特別快速に挟まれてる種別だが、東海道線名古屋地区では早朝から終電近くまでまんべんなく走っているメインの種別であり先述の2種別よりも倍近くの本数が毎日走ってる。
2008年3月15日のダイヤ改正で117系・311系で運転される新快速が復活したが、現在は313系で統一されている。315系が新快速で使われるかは謎だが、ロングシートなので難しそうではある。
JR東海の新快速の英語表記は「New Rapid Train」。
停車駅
米原 - [各駅停車] - 大垣 - [各駅停車] -岐阜 - 尾張一宮 - 名古屋 - (※尾頭橋) - 金山 - (※熱田) - (※笠寺) - 大府 - 刈谷 - 安城 - 岡崎 - 幸田 - 蒲郡 - 三河三谷 - (三河大塚) - 豊橋 - [各駅停車] - 浜松
太字:全列車停車
細字:一部列車停車
(細字):特別停車(土日祝の上り3本のみ)
(※細字):特定日に一部臨時停車
臨時停車駅
笠寺駅:最寄りの名古屋市総合体育館(日本ガイシホール)での大規模イベント開催日、イベント来場者向けに停車
熱田駅:正月三が日、熱田神宮への参拝客向けに停車
尾頭橋駅:中央競馬GI競走(日本ダービー・ジャパンカップ・有馬記念等)開催日、同駅が最寄りの場外馬券売場(ウインズ名古屋)へ向かう競馬ファン向けに停車
JR西日本の新快速
JR西日本では東海道本線(米原駅~神戸駅)・山陽本線(神戸駅~相生駅)及び北陸本線(敦賀駅~米原駅)・湖西線(全区間)・赤穂線(相生駅~播州赤穂駅)の各路線系統に設定されている。現在は新快速の全列車が223系・225系を使用(ルミナリエの輸送目的で運転された大阪駅~三宮駅間運転の臨時新快速に限り207系も使われた実績あり)し、最大12両編成で運転。私鉄の料金不要特急に相当する列車として運行されており、最高運転速度は130km/hと在来線トップクラスを誇るが、琵琶湖線内(長浜駅~京都駅)は京阪神地区の「快速」が普通列車として運転される関係上「新快速」が一般の「快速」的な列車として運行されている。そのため主要駅にこまめに停車し、ほぼ隔駅停車状態であることから、長浜~姫路間の表定速度は2011年現在で78.3km/hとJR東海より遅い。通過駅が多くなる京都~姫路間に限って見れば(営業キロ130.7km、日中の標準所要時間である91分で計算した場合)表定速度は86.2km/hと、JR東海の新快速を約2km/h上回っているが、高速域の加速性能に違いがあることから運転余裕時分見直し前のJR東海の最高記録には僅かに及ばない。ただしJR西日本においても余裕時分の見直しが行われる前はもっと速く、2005年以前に京都~姫路間の最高記録は85分、表定速度92.3km/hをマークしていた時代があった。
とにかく暴力的な速さで、アーバンネットワークを中心に活躍中。
速度相応に音もうるさいが、爆音を上げて特急並みの速さで走り抜けて行く様は頼もしい。
JR西クオリティーをフルに発揮する列車の一つでもある。
「特急より速い」というのがネタじゃなくてマジだったから困る(いや困らない)。2010年まで特急「はまかぜ」がキハ181系で運転されていた頃は、「はまかぜ」が新快速に追いかけられて逃げるのに苦労していた。キハ189系に置き換えられてからは特急の方が新快速よりも速くなり、「特急よりも速い」という称号は過去のものとなってしまったが、むしろ過去のものとは言わず「もっとやれ」と言いたいところである。
そのためか京都駅と大阪駅での00分発の電車は特急ではなく新快速だったりする。
223系登場間もないころ、高速運転時に当時のパンタグラフが耐えられず架線からよく外れることがあり、車内の照明が点いたり消えたりしていた。
JR西日本の新快速の英語表記は「Special Rapid Service」。
2010年度からは新型車両の225系も投入された。当初110両が投入されたが、後の計画変更で一部が福知山線の丹波路快速用に転用されたため、2012年12月時点の所属車両は68両となっている。また、223系との併結運転も多く見られる。 なお、新快速に使用される車両は網干総合車両所所属。
また、2011年3月12日のダイヤ改正にて南草津駅にも停車するようになった。
2016年7月から、従来の225系をマイナーチェンジした225系100番台が投入された。2023年12月現在で新快速の運用に入れる225系は160両ほどで、他は6両編成の快速用
2019年3月16日のダイヤ改正より、有料座席サービス「Aシート」が導入された。…1日に上下4本だけど。
2023年3月のダイヤ改正から225系Aシートも加えて大増発された。…1日に上下12本だけど。
停車駅
山科・相生で行き先が分かれるため、各路線ごとに分割して紹介する。
なお、長浜~姫路間の路線名は愛称名を記す(正式な路線名称は前述の「JR西日本の新快速」の項を参照)。
- 北陸本線(敦賀~長浜間)・琵琶湖線(長浜~京都間)
敦賀 - [各駅停車] - 近江塩津 - [各駅停車] - 米原 - 彦根 - 能登川 - 近江八幡 - 野洲 - 守山 - 草津 - 南草津 - 石山 - 大津 - 山科 - 京都 - 湖西線(近江塩津~山科間)
敦賀 (直通)- [各駅停車] - 近江塩津 - [各駅停車] - 近江舞子 - 堅田 - 比叡山坂本 - 大津京 - 山科 - 京都(直通) - JR京都線(京都~大阪間)・JR神戸線(大阪~姫路間)・山陽本線(姫路~上郡間)
京都 - 高槻 - 新大阪 - 大阪 - 尼崎 - 芦屋 - 三ノ宮 - 神戸 - 明石 - 西明石 - 加古川 - 姫路 - [各駅停車] - 相生 - [各駅停車] - 上郡 - 赤穂線(相生~播州赤穂間)
線内では各駅停車
岐阜バスの新快速
2012年4月のダイヤ改正で登場した種別。JR岐阜から宝珠ハイツ(黒野線)、モレラ岐阜(モレラ岐阜線)、高富(岐阜高富線)、大洞緑団地(大洞団地線)、せき東山(岐阜関線)の朝はJR岐阜方面、夕方は逆方向に運転される。
停車停留所
系統が沢山あるので系統別に紹介する
- 黒野線(JR岐阜~宝珠ハイツ)・モレラ岐阜線(JR岐阜モレラ岐阜)
- JR岐阜 -[ノンストップ]- 忠節 -[各停留所で乗降扱]- 宝珠ハイツ/モレラ岐阜
- 岐阜高富線(JR岐阜~高富)
- JR岐阜 -[ノンストップ]- 長良北町 -[各停留所で乗降扱]- 高富
- 大洞団地線(JR岐阜~大洞緑団地)・岐阜関線(JR岐阜~せき東山)
- JR岐阜 - 徹明町 - 北一色 -[各停留所で乗降扱]- 大洞緑団地/せき東山
関連動画
関連コミュニティ
関連項目
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