新田義興（1331～1358）とは、南北朝時代から室町時代にかけて活躍した武将である。
概要
新田義貞の次男として生まれる。兄・新田義顕とは十歳以上離れているらしく、父・新田義貞が1337年に亡くなったころにはまだ幼い少年であった。翌年の北畠顕家の二度目の上洛の時に初めて登場し、幼いながらも新田氏の核として、北畠顕家、宇都宮公綱、北条時行らとともに鎌倉攻めに参加している。
彼は観応の擾乱で足利氏が混乱状態に陥ると、1352年の足利直義没後の鎌倉に向かって弟の新田義宗、従兄弟の脇屋義治とともに宗良親王を奉じて上野で挙兵。武蔵野合戦が生じた。
旧直義派だった上杉憲顕らも味方につけ、小手指原の戦いでは足利尊氏に勝利する。その後仁木頼章、仁木義長兄弟に敗れて義宗・義治軍と離れ離れになるも、石塔頼房と合流して鎌倉に乱入し、足利基氏を追い落とし鎌倉占拠に至った。
しかし笛吹峠に布陣していた新田義宗、脇屋義治軍は敗北し、上杉憲顕は信濃へ、義宗、義治軍は越後へと撤退した。その結果新田義興も鎌倉を放棄し、国府津山へと撤退していった。
その後武蔵に潜伏した新田義興だったが、畠山国清のはなった刺客のだまし討ちにあい、矢口渡で討ち死にした。このような最期から怨霊になったといわれ、『太平記』などでは恨みを晴らす姿が描かれている。
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