この世に悪がある限り、正義の怒りが俺を呼ぶ! 破裏拳ポリマー参上! |
「新破裏拳ポリマー」とは、1974年から1975年にかけてTV放映されたタツノコプロ制作のTVアニメ「破裏拳ポリマー」のリメイク版であり、最終巻が発売されなかった未完のオリジナルビデオアニメである。
※正式タイトルは「新 破裏拳ポリマー」と空白が入るらしいがニコニコ動画の検索仕様の都合、タグとしては「新破裏拳ポリマー」と記述される。(「新_破裏拳ポリマー」と記述したタグもあったが現在機能していない)
VOL.1:1996年9月21日発売
VOL.2:1997年2月21日発売
VOL.3:未発売
2014年6月24日からのニコニコアニメ名作劇場での放送を受ける形で、有料ではあるがタツノコ劇場において配信が開始された。
概要
「新造人間キャシャーン」と「科学忍者隊ガッチャマン」のリメイクOVAを制作したタツノコプロの旧作リメイク第三弾として登場したタイトルで、ポリマーの転身や車探偵事務所の面々といった基本的な設定はそのままに、主人公が鎧武士から本名の鬼河原武となり、ポリメットを手に入れるまでが異なったり、TV版で主役を務めた曽我部和恭が声優引退前だったにもかかわらず置鮎龍太郎に交代する等変更点も多いが、車錠のギャグキャラぶりについては、青野武の声とともに健在である。
キャラクターデザインには、リメイク版OVAの「新造人間キャシャーン」「科学忍者隊ガッチャマン」と同じく、梅津泰臣を起用した為、TV版独特のアメコミテイストは薄れている。
※なお梅津泰臣自身は、タツノコプロの大ファンで、吉田竜夫時代のタツノコプロの絵柄で描く為にアニメーターを志したのだが、実際にタツノコ作品のキャラデザを担当する頃には、独自の作風が出来上がってしまって、御世辞にも吉田竜夫時代のタツノコプロの絵柄に似ているとは言えないのは皮肉である。
TV版では実現しなかった女性ポリマーや、敵ポリマーとのポリマーVSポリマーを実現させ、OVAゆえの残酷なまでに死んでゆく敵キャラ等惨殺シーンが多い他、胸モロだしのお色気シーンも(特にVOL.2後半は)たっぷり入っている(と言うかVOL.2後半のニーナはほぼマッパ状態)等意欲的な面は見られたものの、TV版が無国籍な雰囲気とアメコミ調を活かしたコメディドラマ風とシリアスな戦闘シーンのギャップを楽しむ内容だったのに対して、ギャグ要素が穴から落ちるといった典型的なものに留まり、アクションシーンも、(TV版は動画枚数の節約もあったが)スピーディーさよりもダイナミックさが強調され、間をとったりする等、前作になれたファンにはやや違和感を覚えるかもしれない内容となっている。
またTV版では、磁気を操作したり過酷な環境を利用すること以外では基本的に敵に対して遅れをとらなかったが、OVA版では、ポリマーvsポリマーの戦いで正面から激突した上に敗れる等、一騎当千なイメージもやや薄れる感がある。
但しクオリティレベルが充分に高く、リメイクではなく新作タイトルとしては十分に面白い内容ではあったが、決着編となるVOL.3が発売されず、様々な謎や対決に決着をつけることなく未完となった。
あらすじ
人工島都市「TOKIO PLUS」の車探偵事務所で働く鬼河原武の元に、誕生日でもないのに誕生日プレゼントとして赤いヘルメットが送られてきた。
送り主は学生時代の同級生だった西田涼子。しかし西田涼子は、外資系軍需産業の最大手パーソナルウエポン社開発センターを襲撃した猫鮫団により、オレガー博士と共に殺害されていた。
東京国際警察のコンピュータをハッキングして、次の猫鮫団の襲撃情報を入手した鬼河原武は、破裏拳ポリマーに転身して西田涼子の仇を討った。
その後も、悪の組織「冥王党」の構成員達と戦い続けた武だったが、オニオコゼ団のノーラの罠にかかり、冥王党のノーヴァと戦うことになる。しかしノーヴァもまたポリマーとなり、武は敗れたものの、ノーラがTOKIO PLUSを壊滅させる為に仕掛けた津波を誘発する爆弾の解除には成功するのだった。
果たして冥王党のノア計画の全貌とは・・・そして武の兄に似た男パルサーの正体とは・・・
新破裏拳ポリマーは坂をのぼり始めたばかりだった・・・未完
ポリマー
オレガー博士と西田涼子により開発されたポリメットを着けて鬼河原武が転身することでポリマーとなる。
※性能面では、「人間の攻撃力を800倍化する」と作中で名言されている。
TV版に比べて、側頭部の黄色い牙状の部分が非常に小さくなり、身体は全体的にビルドアップしている(筋肉の表現がたくましくなっている)他、戦う際の叫び声が、ブルース・リーの怪鳥音をモチーフにしたTV版から、ドスの効いた低音に変更されている。
基本的にはTV版同様に徒手空拳で戦うが、カンフーアクションをダイナミック且つスピーディーに表現したTV版と異なり、空手の重さを重視したようなアクション演出となっている為、TV版であれば一気にカタをつけそうな展開でも、間をとったりする他、身体の頑丈さを見せるかの如く敵の攻撃をよくくらう。また、OVAゆえにさらに遠慮がなく基本的に敵は虐殺状態である。
西田涼子から送られてきたポリメットからいくらか情報は引き出せているものの、5つのマシン形態への変形は、ポリマーホークとポリマーグランパスのみ登場するにとどまった。
作中には、他に西田涼子が転身した白いポリマーと、冥王党のノーヴァがポリマー化しており、TV版では実現しなかった夢の女性ポリマーと、ポリマー対決が実現した。
登場人物
車錠や男爵は声優も含めてTV版から続投しているが、テルの苗字がかわったり、武が本名をなのっていたり、武に兄が出来たり、女性のポリマーが登場するといった新要素も追加されている。
鬼河原武 CV:置鮎龍太郎
車錠 CV:青野武
男爵 CV:たてかべ和也難波テル CV:宮村優子
鬼河原虎五郎 CV:藤本譲
鬼河原勇 CV:安井邦彦オレガ-博士 CV:大友龍三郎西田涼子 CV:根谷美智子 |
冥王党
100億を超えて地球環境への悪影響が甚大になった人類が対応策に手をこまねいている間に、非人道的として中止となった人間の水棲を可能とするエラ呼吸を可能にする改造手術を受けた人類以外を、を地球上から排除する「ノア計画」を実行しようとする悪の組織が「冥王党」である。
猫鮫団やウツボ団やオニオコゼ団といった多くの悪の組織を傘下にしている。
ノーヴァ CV:玄田哲章パルサー CV:子安武人スカム-グ CV:松本保典
ニーナ CV:/折笠愛 |
VOL.3が発売されなかった為、ノア計画の末路やポリマーvsポリマーの決着、パルサーの正体については不明なままとなっている。
キャスト
鬼河原武(破裏拳ポリマー) | CV:置鮎龍太郎 | ノーヴァ | CV:玄田哲章 |
車錠 | CV:青野武 | パルサ- | CV:子安武人 |
男爵 | CV:たてかべ和也 | スカム-グ | CV:松本保典 |
難波テル | CV:宮村優子 | 猫鮫団員A | CV:石塚堅 |
鬼河原虎五郎 | CV:藤本譲 | 猫鮫団員B | CV:柳沢栄治 |
鬼河原勇 | CV:安井邦彦 | ニーナ | CV:折笠愛 |
オレガ-博士 | CV:大友龍三郎 | オニオコゼ団員A | CV:松下美由紀 |
西田涼子 | CV:根谷美智子 | オニオコゼ団員B | CV:佐藤ゆうこ |
配達人 | CV:菅原淳一 | オニオコゼ団員C | CV:藤原美央子 |
※「鬼河原勇」役の安井邦彦は、「タツノコvsカプコン」にてTV版「破裏拳ポリマー」の声を担当する事になった。
スタッフ
原作・制作 | タツノコプロダクション |
プロダクションエグゼクティブ | 蛭田元二(コロムビアエデュテインメント)、石塚淳三郎(日本コロムビア)、吉田健二 |
企画 | 九里一平、成嶋弘毅 |
プロデューサー | 小暮一雄(コロムビアエデュテインメント、日本コロムビア)、大倉宏俊 |
監督 | 新房昭之 |
脚本 | 柿沼秀樹(ダーツ) |
キャラクターデザイン | 梅津泰臣 |
作画監督 | 桜井哲夫、梅津泰臣、石浜真史 |
原画 | 福田道生、佐々木守、安藤真裕、大橋誉志光、亀井幹太、石浜真史、金子秀一 梅津泰臣、小倉陳利、田中孝弘、崔ふみひで、桝田浩史、北野よしひろ、矢吹勉 岩倉和憲、中沢一登、岡村天斉、中村深雪、村木靖、谷ふみ、黒沢守、岡村正弘 吉成曜、久保ひでひこ 松竹徳幸、青木真理子、高橋英樹、伊藤尚住、岡田正和、安部邦博 白井伸明、山口賢一、井上邦彦、竹内宣之、笹島啓一、藤田靖弘、後藤有宏 |
動画 | ECHO FILMS、FAI、AIC、J.C.STAFF 馬場竜一、西原昌幸、山田雄一郎、越野朋、今泉友宏 |
美術監督 | 吉田昇 |
音響監督 | 田中英行 |
撮影監督 | 中條豊光 |
音楽 | 矢野立美 |
制作プロデューサー | 安部倫久(J.C.STAFF) |
音楽プロデューサー | 長谷川展洋(コロムビアエデュテインメント、日本コロムビア) |
制作協力 | J.C.STAFF |
著作・製作 | コロムビアエデュテインメント、日本コロムビア |
主題歌
OP | 歌 | 杉山真理 | |
「新破裏拳ポリマー」 | 作詞 | 九里一平 大倉宏俊 |
|
作編曲 | 松澤浩明 | ||
ED | 歌 | 杉山真理 | |
「愛あるかぎり」 | 作詞 | 九里一平 | |
作編曲 | 松澤浩明 |
TV版の「破裏拳ポリマー」の熱さ爆発な主題歌にかわり、OVA版にあわせたスタイリッシュな曲になった。
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関連コミュニティ
関連項目
キャスト |
スタッフ |
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関連リンク
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