新谷かおるとは、日本で活躍する漫画家である。本名も読みを同じくした新谷薫。名前と作風から女性と思われがちだが、れっきとした男性である。妻は同じく漫画家の佐伯かよの。
概要
1952年4月26日生まれ、大阪府豊中市出身。中学生から漫画を描いており、高校3年の時には『少年キング』に投稿していた。パイロット志望だったが、色覚異常により断念、空貨物関係の仕事を経て本格的に漫画に専念する。
1972年にりぼん漫画賞佳作入選。『りぼん増刊りぼんコミック秋の号』に掲載された「吸血鬼はおいや!?」でデビュー。下積み時代は大和和紀、山岸凉子のアシスタントを経験した。翌年には同じ雑誌に連載していた現妻(佐伯かよの)と結婚。3月より松本零士のプロダクション「零時社」に入りアシスタントを2年半務める。零時社退社から半年後、『月刊プレイコミック』に原稿を持ち込み、『戦場ロマン・シリーズ』の連載を開始。1978年~1981年に描き始めた『ファントム無頼』と『エリア88』、『ふたり鷹』で人気漫画家の仲間入りを果たす。
2017年4月26日、新谷が66歳の誕生日を迎えたことと『クリスティ・ロンドンマッシブ』の完結による一区切りを理由に、公式Twitterで一時休筆を宣言している。2021年8月29日、長年連れ添った妻・佐伯かよのが肺癌により病没(69歳没)。
彼の元でアシスタントとして働いていた主な人物は蛭田充、ゆうきまさみ、島本和彦、田口雅之。特に島本は同人誌「新谷かおるになる方法」にてその経験や新谷の著作への分析と見解を語ったり、たびたび手伝いに訪れていたと述べている。
作風
メカニックと人間を絡めたロマン、シリアスとギャグをミックスした作風が特徴。一言で表すなら「少女漫画の感性と少年漫画の熱さを併せ持つ」と言えば良いだろう。スターシステムを採用している漫画家の一人で、同じ外見のキャラクターでも作品によって設定が違うので注意。初期の作風は師匠である松本の影響が強く郷愁色と感傷を前面に出していたが、少女漫画家志望だったこともあり徐々に繊細なペンタッチで描くようになった。メカニックの描写も単純な写実第一ではなく独特のパースが松本から受け継がれ、さらに昇華されたものとなっている。夫婦で互いの作品を手伝う事も多い。
同人誌製作も行っており、妻の佐伯や和田慎二、島本和彦との合作やコラボレーション作品も発表している。そんな新谷の初コミケ(サークル参加)のサークルスペースはなんとA88だった。これはコミケスタッフの遊び心によるもの。しかも、ご丁寧に販売スペース前の床面に白いテープでA88と『エリア88』の滑走路に書かれているようにマーキングし、脇の柱には(作中で風間真の自室にあったような)日付に×印のつけられたカレンダーが貼られた。このスタッフ、ノリノリである。
人物像
趣味はバイク・カメラ・プラモデル・飛行機・スキーなどで、その知識が多分に作品へ活かされている。また、その趣味を活かして「資料製作」も手がける。遅筆家ゆえに「急いで締め切りに間に合わせいい加減な作品を描くよりも、何度頭を下げてでも納得のいく作品を描いたほうが良い」とも語っている。児童ポルノ法改正案に対しては慎重な立場を示し、創作物の規制/単純所持規制に反対する請願署名市民有志の賛同人として名を連ねている。
実は父の血液型が認識と違っていた事から自身の血液型が信じられなくなってきている。他人からはA型と思われている様子。
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関連項目
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