新造人間キャシャーンとは、吉田竜夫原作、1973年にタツノコプロ制作のSF TVアニメーションである。
かつてはTV版、OVA版がニコニコで配信していたが、2015年4月30日をもって終了してしまった。
監督 | 笹川ひろし |
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音楽 | 菊池俊輔 |
制作 | タツノコプロ |
製作 | 吉田竜夫 |
話数 | 35話 |
概要
ロボットの脅威から人々を守るため自ら人間の身体を捨てて機械の身体となった主人公・キャシャーンの悲哀を多く描いているなど、かなりシリアスなストーリーで多少子供向けとしては難しい作品ではあったが、キャシャーンの派手なアクションシーンは人気が高かった。 しかし、当時の社会的背景、スポンサーの倒産などの理由によって、放送回数が短縮され35話となった。「キャシャーンがやらねば誰がやる」というナレーションは有名である。
派生作品
- キャシャーン - 1993年に製作された。全4話のOVA。
- CASSHERN - 2003年に公開された紀里谷和明監督による実写映画。
- キャシャーン Sins - 2008年から放映されたTVアニメ。
あらすじ
TV版
自我に目覚めたアンドロイド・BK-1は自らをブライキング・ボスと名乗り、人類に宣戦を布告。 ロボットによる大軍隊「アンドロ軍団」を組織し、全世界へ攻撃を開始した。
BK-1の生みの親である東博士の息子・鉄也は、人の体を捨て新開発された機械のボディと融合。 強力な戦闘力を持つ「新造人間」へと生まれ変わった。
キャシャーンと名を変えた彼は、ロボット犬のフレンダー、幼馴染の少女ルナと共に、 人類の平和を取り戻すためアンドロ軍団に戦いを挑む。
OVA版
人類に反旗を翻したアンドロイド、ブライキング・ボス率いるアンドロ軍団は、 その圧倒的戦力によって世界の大半を制圧。,
人間がロボットに支配されるという、暗黒の時代が到来していた。
そんな中、人々の希望の光は素手でロボットを破壊し、 人類を解放に導くという救世主「キャシャーン」の噂であった。
実写版
そこはアメリカが存在しない世界。大東亜連邦共和国の遺伝子工学の権威・東博士は人体のスペアパーツを可能とする新造人間の開発に勤しんでいたが、その結果生まれたブライは人類に宣戦布告。博士は、自分に逆らい戦場に赴いて戦死した息子・鉄也を新造人間としてよみがえらせた…。
主な登場人物
- キャシャーン(東鉄也) - 声:西川幾雄(OVAは草尾毅、タツノコ VS. CAPCOMは小野大輔)
- この物語の主人公。アンドロ軍団に蹂躙される世界や、ブライキングボスをある意味生み出してしまったことを責められ続ける父親の姿を見続け、フレンダーが誕生したことをきっかけに新造人間キャシャーンになることを決意する。そこから彼の人であることをやめ、いつ自分の終わりが来るかもわからない孤独な戦いが始まったのであった。
- アンドロ軍団と戦うことのできる数少ない存在ではあるが、存在としては人間よりもどちらかといえばその敵であるアンドロ軍団の方に近く、また自分の父親を危険にさらさないためにも正体を隠さねばならず、時には自分の使命と目の前の人命の選択に苦しむといったことも。しかし、その一方でブライキングボスともほぼ互角に戦えるほどの力を手にし、自分のエネルギーをほとんど使い果たすことで発射できる「超破壊光線」などの必殺技も。
- ただし彼には最大の弱点があり、それは燃費がとても悪いこと。動力は太陽エネルギーなので太陽光を浴びなければ彼のエネルギーが補給されず、夜間戦闘の際はすぐにエネルギーが切れて目がよく見えなくなるなどフラフラになりピンチになってしまうのがある意味毎回のお約束である。
- フレンダー - 声:加藤昭二(声優ではなくイシダプロの音声スタッフ)
- キャシャーンの相棒である犬型ロボット。鉄也の飼い犬であったラッキーがルナをアンドロ軍団から守るために死んだ際、ラッキーの記憶を電子頭脳に埋め込んで作られた。
- そのためロボットになっても以前と同じように鉄也、もといキャシャーンと固い絆で結ばれている。ロボットとしては火炎放射や牙、爪攻撃のほかに「フレンダージェット」、「フレンダーカー」、「フレンダーマリン」、「フレンダータンク」の四形態に変形することができる。(鎧武士「どういう原理なんだ…?」)
- キャシャーンとエネルギー源が異なるので永久的に動くことができ、たびたびエネルギー切れを起こすキャシャーンのピンチを援護する姿が見られる。とはいえフレンダーがピンチに陥ることもあり、お互いにカバーしあいながら厳しい戦いを続けていく。
- 上月ルナ - 声:塚田恵美子(OVAは冬馬由美)
- 上月博士の娘で鉄也が人間だった時の恋人。上月博士の形見であるMF(マグネチックフィールド)銃を片手にキャシャーンと共に戦う。鉄也がキャシャーンに姿を変えても献身的にそのそばに付き添って共に戦っていくが、彼女自身は生身の人間であるためたびたびそのことが障害に。またアンドロ軍団に当然狙われており、ある意味キャシャーンとの絆を試される場面も多い。
- 彼女が頭に装着(?)している装飾がなにかは、作中では最後まで明らかにならない。(OVA版では外すシーンもあったが)
- 彼女の持つMF銃はロボットの電子頭脳を破壊するものであるが(そのため電子頭脳部に当てなければ実は効果がない)、作中では演出的なものなのかロボット全体が消滅することが多い。
- 東光太郎 - 声:山内雅人(OVAはキートン山田)
- キャシャーンの父親である博士。キャシャーン誕生直後にブライキングボスにさらわれたため、彼の救出もまたキャシャーンの目的の一つである。
- 味方サイドも敵サイドも大本をたどれば大抵の場合彼にたどり着き、またどうしてこんなことやったんだという研究内容も多いため、本人はいたって善良な人格者であるが視聴者からマッド扱いされることもしばしば(そのせいなのかOVAでは…)。
- スワニー(東みどり) - 声:武藤礼子(OVAは高木早苗)
- キャシャーンの母親。夫とともにアンドロ軍団にさらわれたが、息子であるキャシャーンを支援するために東博士によって原子レベルまで分解された生体データにされ、一家が買っていたペットロボットのスワニーの電子頭脳の中に収納された。なぜかスワニーをブライキングボスがとても強く愛着しているため、アンドロ軍団の真っただ中でキャシャーンのスパイのような形で働く。
- キャシャーンとは逆に月の光を浴びないとみどりとして会話をすることができず、その結果大概の場合重要情報が夜に伝達されるのでキャシャーンは自分の苦手な夜間に戦闘することに。
- ブライキングボス - 声:内海賢二
- アンドロ軍団の首領で、元は東博士に作られた公害処理用ロボットBK-1。上述のとおり落雷を浴びてある種暴走した形に(OVAでは…)。通称はブラキン。
- 圧倒的な力で人間を征服する一方で、スワニーに対してやたらと愛着を示したり、なんとなく人間のまねをしてみたりといささか可笑しみのある部分も(接待ゴルフはともかくソープて…)。
- OVA版では唯一声優が共通しているが(というかSinsでも)、原作でのコミカル要素は全くなく中の人も相まって某拳王様のような風格を漂わせている。
- バラシン - 声:立壁和也(現たてかべ和也)(OVAは菅原淳一)
- 東博士製のアンドロ軍団の三体の幹部の一体で軍事部長。その役割のため前線に出ることが多いが、粗暴な性格のため基本的に多数の兵士での力押しくらいしかせず、キャシャーンたちに全滅させられて逃げ帰る、という場面がしばしば描かれる。Sinsにもゲストとして登場する。
- アクボーン - 声:仲木隆司、田口昴(第4話のみ)(OVAは二又一成)
- 東博士製のアンドロ軍団の三体の幹部の一体で製造・技術部長。たいていの場合は後方で新型を制作している。残忍な性格ではあるがどこか間が抜けており、ブライキングボスからバカボーンと呼ばれてしまったことも。
- OVA版ではとてもかっこよくリファインされており、原作と違ってやたらと大物感が出ていたがあっさり退場してしまった。
- サグレ― - 声:加藤修(OVAは天野由梨)
- 東博士製のアンドロ軍団の三体の幹部の一体で情報部長。何かとどこか間の抜けた感のある三幹部の中では、各地にスパイロボットによる諜報網を張り巡らせており、キャシャーンたちをたびたびピンチに追い込むなど活躍の機会が多い。
- 上述の声優部分を見ると明らかな通り、OVA版ではなぜかサグリアと女性化されており(というか実写版でも)、三幹部の中で唯一複数回に出演した。ただし、何故かSinsには唯一再登場しなかった。
- ワルガーダー
- 第8話から登場した黒豹ロボット。フレンダーに対抗するには野獣しかないということで、とても固い金属であるマーケン鉄製でフレンダー同様変形機能までついている。
- それまで無敵であったフレンダーに対抗しうる物語を通したライバルではあるのだが、後半になるにつれその回の新型ロボットの性能テストで対戦相手にされぼこぼこにされるというかませ犬的な役割に…。
- ロボット兵
- アンドロ軍団の一般兵で、アニメにおける量産型ロボットの初期の例である。一番知名度の高い爪ロボの他、物語が進むにつれて次々と新しい量産機が作られキャシャーンたちを苦しめる(ピエロボットなど一回限りのものもあるが)。でも何が目的でこんなロボット作ったんだというロボも結構いるような…。
- ヤルッツェ\(`д´ )ブラッキン!だけしゃべる意志のない機械…、というわけではなく一体ごとにきちんと自我があり話すこともできる。そのため裏切って人間側につくものも。
- 圧倒的な力で世界を征服するアンドロ軍団ではあるが、量産型であるためブラキンたちと構造が違うのか、初めてアンドロ軍団のロボットを倒した存在がフレンダーになる以前のラッキーであるように、うまく戦えば一般人でも撃退することができる。そのためキャシャーン一行以外にもその話のゲストキャラにやられることもしばしばある(象や重機にまで)。
主な楽曲
関連動画
関連静画
関連生放送
タツノコ劇場での配信、およびそれに伴うニコニコアニメ名作劇場での放送とは別に、2013年の将棋電脳戦の際にTV版、OVA版、実写版が一挙放送された。
関連項目
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