概要
週刊少年チャンピオンで連載された4コマ漫画「がんばれ酢飯疑獄!!」がデビュー作となる。
作者独特の視点と感性から繰り広げられるシュールともホラーとも似つかない異質なギャグにコアなファンが付くものの、作者の意向で連載終了。
「サナギさん」の連載開始を皮切りに「もずく、ウォーキング」「ツモっ子どうぶつ」「12月生まれの少年」など活躍の場を広げる。
2013年には「オンノジ」「バーナード嬢曰く。」「鬱ごはん」が単行本化される。
この三作はどれも作者独特の視点から描かれた施川節ではあるものの
- オンノジ:突然変わり果てた世界に不安を感じつつひたすら陽気に生活していく女の子を描いた、東日本震災後の世界を変わった視点で捉えた作品
- 鬱ごはん:メシ漫画全盛期に「就職浪人がまずそうなメシをひたすらまずそうに食べる」という異色のメシ漫画
- バーナード嬢曰く。:本を読まずに読書家に見られたい女子高生を描いた、多くの読書家に共感を与えたビブリオ漫画
と、どの漫画も方向性が違っており作者の視点の広さが窺える。
施川ユウキはこの三作が高く評価され手塚治虫文化賞を受賞した。
連載作品はすべてマイナー誌、メディアミックス化された作品もないため露出が少なく、それまで知る人ぞ知るというマイナーメジャーともいうべき漫画家だった作者の知名度と評価を一気に押し上げた。さらに2016年6月18日にはバーナード嬢曰く。のアニメ化が発表され作者の世界観が広く知られることが期待される。同時にそれまで表舞台に出てこなかった作者がサイン会やラジオに引きずり出されることになった。
2017年2月13日からは、ウェブ漫画「銀河の死なない子供たちへ」を「@vitamin」で連載開始した。これはニコニコ静画 (マンガ)、ComicWalker、pixivコミックでも並行連載されている。
画力とネタ
自他ともに認める低い画力の漫画家である。
週刊少年チャンピオン新人漫画賞で佳作となった投稿作では審査員から「構図やオチがある種のパターンで構成されてる」「絵が今一つ」「絵がまだまだ。下手すると漫画を馬鹿にしている感じさえ…」と散々な評価を受けた。
作者も「え?絵が下手なのに漫画家に?」というタイトルの作品を出している。
ただし、自身の乏しい画力でも通用するネタを生み出す能力に長けており、漫画作家として劣っているわけではない。上記の絵に関してぼろくそに言われた投稿作の評価でも「面白い」「プロとして十分通用するセンスがある」等の評価を受け、週刊少年チャンピオンでの連載権を獲得している。
漫画家として絵以上に重要なネタの秀逸さで生き残っている漫画家と言える。
近頃は自身の限られた画力から解放され「ハナコ@ラバトリー」「少年Y」(ハジメ名義)などで漫画原作者としても活躍してる。絵の表現に幅が出来たためかこの二作は施川漫画としても路線が違い、特に「少年Y」はジャンルがギャグ、コメディではなくパニックサスペンスホラーである。
コラム、エッセイ
一話ごとに日常や時事などをネタとした作者のコラムが掲載されており、これも作者独特の感性と知性が伺え見どころの一つである。漫画とは別に映画コラムも連載している。この影響か映画評論家の町山智浩への献本、のTBSラジオのタマフル(映画批評コーナーがある)のリスナーでもあるなど映画評論にも手を伸ばしている。
自身の体験を描いた漫画「あたかもコイバナの如く」「え!?絵が下手なのに漫画家に?」などエッセイでも才覚を発揮している。
ニコニコ動画との関連
ファンが「サナギさん」「アイドルマスター」をパロディにした動画をニコニコにアップしたところ施川の知るところとなった。
動画製作者が施川とメールでやり取りした結果、動画を公認するという寛大な措置を取っている。
その他
- 週刊少年チャンピオン連載時に被りそうもないようなネタが他作品と被ってしまったことが何度もある。(主に被ったのはおおひなたごう)
- 自身のウェブサイトで「聞き取りづらい言葉たち」というボケて(bokete)の先駆けとなるようなネタを行っていた。当時はpya!などで話題となった。
- 知識の蒐集にどん欲なのかWikipediaの愛好者であるようだ。
関連項目
関連リンク
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