旅の思い出がこれしかねぇ!とは、開発期間10年、開発費300億円をかけた日清カップヌードルの広告である。
概要
!! 注意 !!
この記事にはファイナルファンタジーⅩⅤのエンディングについての深刻なネタバレがあります
2016年11月29日、長い開発期間を経てついにファイナルファンタジーⅩⅤ(FF15)が発売された。
発売前の体験版の時点で期待のFF正式ナンバリングということもあり、ゲーム実況者の投稿動画が視聴者の耳目を集めていた。
その出来栄えについては他の記事に譲るが、10年と300億を費やしたグラフィックは、おにぎりや日清のカップヌードルなどの生活小物にいたるまで美麗に描かれ、期待を高めていたプレイヤー達をうならせるには充分であり、次世代機ゲームのこれからを印象付けるものであった。
しかし、その真摯に作られた美麗なグラフィックが、ある時点の展開において起こった滑稽な結果に対し、神懸かった笑いを提供することになろうとは発売前には誰にも予想できなかった……
以下、ネタバレ注意
喜劇の幕が上がったのはゲーム最終盤、ラスボス前の部屋のイベントである。
前提として、本作ではカメラ趣味の仲間がパーティにおり、彼が好きに撮った写真を就寝前に見せてくれるというシステムがある。これはその日に訪れた街・名所の景色や、強敵と戦っている主人公の姿など、自分のプレイを振り返る目的でもなかなか趣のあるイベントなのだが、それらの写真はプレイヤーが指示しないと保存されず、就寝後に破棄される。
他にもサブクエスト等で写真を撮る機会は多々があるが、そちらも同様。保存は強制ではないので、気に入った写真がなければ一枚も保存することなくストーリーを進めることは可能。
発売後最速プレイ配信中であるため保存する手間を惜しみ、動画の実況者は大急ぎでのプレイだったのが功を奏した運の尽きだった。
過酷な使命を果たすべく覚悟を決めた主人公が「最後の戦いにこれまでの旅で撮影した写真をひとつ選び、その思い出を胸に抱きラストバトルに挑む」という美しい展開なのだが……
そこに残っていたのは、あまりにもリアルな「日清カップヌードル」を被写体にした写真一枚のみ。
「旅の思い出が蘇るね これ撮る前とか 撮った後までさ」と、いかにもアルバムにたくさんの写真が収められているかのようなセリフを投げかけるゲーム内のキャラ達に対して、実況者は思わず呟いた。
「嘘だろ…? 旅の思い出がこれしかねぇ!」
実況者は決してネタプレイに走っていた訳ではないが、どうあれ一枚写真を選ばなくてはイベントが進行しないため、嫌でもこの「日清カップヌードル」の写真を思い出の一枚として選ばざるを得なくなったのである。
それだけでも十分な笑撃であったが、真の笑いの神はこの後に降りてきた。
ラスボス戦も終わり、FFのメインテーマが流れる美しいエンディング映像の最中、物語を締め括るように一枚の写真が映し出される。それはプレイヤーが自ら選び、主人公が最後の戦いを共にした旅の思い出…
そう、あのラスボス戦前に選んだ「日清カップヌードル」の写真である
世界を闇から救って命を落とした主人公と、その主人公にキーアイテムを渡して20分間で物語の中盤で夭折した恋人が、生前では着ることのできなかった結婚式用の晴れ着に身を包み、感慨深くほぼ真上から撮っただけのカップヌードルのシュールな写真を眺め、幸せそうに口づけを交わすアバンギャルドなエンディングに、台無しになった感動が最高の笑いに昇華されて爆ぜていった。
計らずしもこの実況者は、10年と300億円を費やした大作RPGのオチを「日清カップヌードル」の宣伝で締め括るハメになってしまった。
この出来事がきっかけで彼は光の戦士"カプティス"と呼ばれるようになる。
上記の通り、くだんの実況者は最速プレイ中だったため写真を選定せず破棄していたが、とあるサブクエスト(「極上を求めて ~最上級の肉~」※カップヌードルに絶品なベヒーモスのモモ肉を追加して食ったら絶対うめぇでしょというだけのクエスト)でのイベント写真だけ気に入り保存していたのだ。
余談
上記の動画は発売日の11月29日に撮られた配信であり、あまりのインパクトに「日清カップヌードルの新しいCM」とまで言われていたが、なんと12月4日、モノホンの「FF15×カップヌードル」のCMが発表(音が出ます)された。
一応誤解のないように記しておくと、スクエニ本社と日清食品東京本社は、ともに東新宿駅のそばにあり、ご近所のよしみで深い交流がある。そのご縁で作られたCMで、限界までふざけており面白い出来なのだが、例の動画が既に知れ渡っていたため、かわいそうに一部からは二番煎じ扱いされてしまった。
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