この記事は、空気系・および日常系に関する情報を淡々と書く物です。 過度な期待はしないで下さい。 あと、頭を空っぽにして、現実世界から3メートルは離れて見やがって下さい。 |
日常系とは主に漫画・アニメ・ドラマ・映画・その他エンターテイメント作品で用いられる概念、またジャンルのこと。英語圏では「Slice of life」とも言う。
類似する概念として「空気系」がある。「空気系と日常系は別物ではないのか」という声も多く聞かれ、何かと意見の分かれるジャンルでもある。
概要
普段と変わらない日常生活といった内容にスポットを当てたものが多い。
衣食住・家庭・学校・社会人・休日・一人暮らしと幅広い。
一言で説明すると
「劇的なストーリー展開を極力排除した、登場人物達が送る日常を淡々と描写するもの」。
作品全体の雰囲気・空気感を楽しむのが主な楽しみ方であるため、こう呼ばれる。「日常」と言っても漫画では原作者のセンス・キャラクターの性格や持ち味などを加味して描写されるため「お前のような日常があるか」と言いたくなるようなものが出てくる事もある。しかしそれを何回も繰り返して様式美にするとそれが日常になり、とんでもないラストになっても次回でほぼ無かったことにした日常が繰り返される。必ずしも現実世界と乖離してはいけないということではない。
特徴
とにかく徹底して物語性の排除が進められたために、他のジャンルと比べて重厚なストーリーや壮大なバトルシーンも派手なギャグパートも鬱展開も少なく、さらにはオチすらもつけずに次の場面へ進む場合も有る。このため、しばしば「中身が無い」と揶揄されたりもするが、それ故に疲れたときに肩の力を抜いてリラックスしながら見るには最適であるとも言える。いわゆる癒し系。
希にラブコメやミステリーなど他のジャンルとの融合型も見受けられ、どちらにも当てはまるような作品もある。
ただし平和な日常すぎると読者の飽きが来てしまうため、主要人物やゲストキャラクターが癖のある変人、トラブルメーカー、奇抜な特技・特殊能力を持っていたり、「××を○○する」など一応の目的を持っているといった設定が付与されている場合も多い。[1]
原点
ジャンルの発生・流行までの経緯や歴史等の詳しいことはWikipedia参照。この作品群の直接の原点は、あずまきよひこによる4コマ漫画「あずまんが大王」とする資料が多い模様。ただしあくまで日常系という言葉が発生したという意味であり、それ以前の作品でも日常系の定義に該当する作品はある。アニメ、漫画だけでなく、ドラマにも該当される。
漫画の場合、このジャンルを多く扱う雑誌は主に「まんがタイムきらら」、「まんが4コマぱれっと」、「コミックキューン」などがある。
扱われやすいもの
日常系とアニメ業界の関わりとか何とか
ニコニコでもとりわけ知名度が高い「らき☆すた」、「けいおん!」、「ご注文はうさぎですか?」など、ごく一部のヒット作を除いてこの手のジャンルのアニメは他のジャンルのアニメ作品と比べてもテレビ放映時点での視聴率も映像ソフトの売り上げも特別高い方では無く、むしろ下から数えた方が早い位置にいる事が多い。
にも関わらず、このジャンルのアニメ作品が制作され続けるのは、(ヒットチャート圏外に飛ぶなどして)傍目には少なく見えるような売り上げでも、収益率で言えば(余程無茶なプラン展開でもしていない限りは)そこそこの投資とそこそこの利益でペイできるという事情がある。(出展:ISBN-13:978-4873763590)
しかし2013年以降はヒット作が連続で登場することも増えてきている。
日常系と設定することのメリット
作品を日常系と設定することによって読み手や作り手に以下のメリットが考えられる
読み手
- 世界観が現実世界を題材にしているので専門用語を覚える必要が少ない
- 作品を途中から読んでも問題なく、順番にみなければわからないという制約が無い
- キャラや背景に変化が少ないので、最初に抱いた印象をほぼ壊さず読む事ができる。
- 様式美、形式美などオチが読みやすく、この作品を観ればどんな気持ちになるかを推測しやすい
- 学校生活など、あるあるな展開は共感を得て親近感が湧きやすい。
- 「こんな学校生活を送れたら楽しいだろうな」など、読者の願望が半ば投影されている場合もある。
作り手
- 心理描写の変化や急激な展開、ペース配分や伏線など複雑なプロットを考える必要が少なく、最初に考えたコンセプトを貫く形で作品を作れる。
- 季節イベント、特定の日にちなど普段の現実でのイベントを作品のキャラに当てはめれば物語が成立し、これだけでかなりの文章量になる。また、年齢経過の概念がなければしばらく経過したら同じ季節イベントで別の物語をつくることができ半永久的に現実のイベントから作品の物語の題材を抽出することができる。
- 題材を長続きしやすいということは一定のファンを獲得すればその作品で長期間の連載が可能であり、安定した収入が得られる。変化が少ないため大きくファンが増減しないということはそれだけ外部からの作品に対する注文が少なくなり、自分の思った作品を作り出すことが出来る。実際に非常に長期連載を続けている作品は多い。
その他
- 主要人物が女の子4人だったり、4文字の略語にされたタイトルといった要素も多く見られる。
- 近年は一見平和な日常であるが…といった、新日常系も注目されている。
- 稀に海外生活や業界の実情を基にしたリアル日常系作品もある。(→ノンフィクション)[2]
関連項目
脚注
- *目的がいつまでも達成されないもの、着々と達成されるもの、最終回直前で達成するもの、達成した後に新たな目的(次章)ができるなど作品によって差がある。
- *重厚なリアル絵で描かれたものから、滑稽に描かれた4コマ漫画形式まで様々。
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