日暮里・舎人ライナー(にっぽり・とねりライナー)とは、2008年3月30日に開通した案内軌条式鉄道(新交通システム)である。
概要
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東京都荒川区の日暮里駅と、足立区の見沼代親水公園駅との間を結ぶ東京都交通局が保有・運行する路線である。
開通以前、足立区北部は陸の孤島として有名で、JR・私鉄各社の駅がない空白地帯であった。その為、都心部・各駅とを結ぶ都営バスは、有数の混雑路線であった。特に日暮里駅に向かう里48系統は需要が高いことから増発が行われていたが、それでも混雑する上にルートとなっている尾久橋通りが渋滞が発生しやすく、定時性に問題があった。これらの問題を解消すべく、里48系統の置き換えを目的として新規に鉄道を建設することが決まり、本路線は開業した。
ちなみに里48系統自体は日暮里・舎人ライナー開業後も2021年までは1時間に2本程度運行されていた。これは日暮里・舎人ライナーが高架路線であり、高齢者には利用するのに負担があるためであったが、2022年に大幅減便された。
建設は尾久橋通りの整備と合わせて行われ、支柱などのインフラ部を東京都建設局が担当。車両や電気施設等のインフラ外部を東京都地下鉄建設株式会社が担当し、1997年(平成9年)12月から工事が行われた。
路線は尾久橋通りに沿って走っており、途中隅田川や荒川、常磐線・京成本線などを越える。終点の見沼代親水公園駅は東京都23区最北の駅であり、埼玉県まで約200mの位置にある。
利用者数は開業後想定以上のペースで右肩上がりで推移し、2014年度は約14万人の乗降客数があった。新交通システムとしては利用者数が多く、開業後は毎年のようにダイヤ改正を行い列車本数を増やしている。それでも、2019年度には赤土小学校前→西日暮里間で混雑度が189%を記録、ラッシュ時は満員電車状態なのは変わらない。
また、終点である見沼代親水公園駅の需要が大きいことから、当初入庫も兼ねて設定されていた日暮里→舎人公園間の区間列車が見沼代親水公園駅まで延長された。このため、入庫は見沼代親水公園→舎人公園間の折り返しを設定して対応している。出庫についても舎人公園から見沼代親水公園まで回送された後、見沼代親水公園駅始発として運行されている。
しかし、乗客数は想定以上に多いにもかかわらず、営業利益は赤字である。利用者のうち朝ラッシュへの集中度が相場よりかなり高く、日中は使わないのに、ラッシュ時だけのために合わせた最大列車本数が必要で、新車導入・車両維持費が掛かっているのが原因である。5両編成で設計してしまったために本数を増やす方向でしか対応できないが、車両基地の収容能力も限界に近く、今後更に混雑が悪化した場合、大規模工事を伴い更に経費が掛かる可能性も考えられる。
当面は一部クロスシートであった300形を全てロングシートの350形で置き換えることで対応することになっている。
車両は主に300形が使用されており、300形は5両×16編成の80両を保有している。2015年10月10日から新型車両として330形が5両×1編成導入され、続いて2019年度には5両×2編成導入されている。
2022年から330形の増備が行われ、300形を順次置き換えることになる。
新しい交通機関であるが、新日暮里・舎人ライナーではない。
脱輪事故
詳細は「日暮里・舎人ライナー脱線事故」を参照
2021年10月7日夜、マグニチュード5.9の千葉県北西部地震(震度5強)が発生。地震感知時に緊急停止したのだが、舎人公園駅付近のポイント部を走行していた車両が脱輪を起こした(3人負傷)。結果、車両だけでなく地上設備も故障してしまい、復旧に数日かかることになってしまった。緊急停止は地震を感知した指令員がスイッチを押したものであるため(地震発生前に緊急地震速報受信で停止したわけではない)、地震の揺れにより脱輪したと考えられている。
都内の鉄道の脱輪事故と言うこともあって全国的に大きく取り上げられ、難読地名を用いた当路線が広く知れ渡ることになる。
前述した通り、日暮里・舎人ライナーは混雑度が高い路線である上に開業前は陸の孤島だったと言うこともあり、日暮里・舎人ライナーが止まると並行する里48系統に乗客が集中。長蛇の列ができることに。交通局は里48系統の増便を行ったり、はとバスを始めとして貸切バスを20台以上投入して代行輸送を開始したが、日暮里駅のロータリーの都合で増便に限界があるのと(5分間隔とは言え、バスと鉄道では輸送力の差が大きい)、尾久橋通りの渋滞に巻き込まれるため通常時よりも大幅に移動時間がかかることになった。
たとえ赤字だとしても、輸送力・定時性のある鉄道は必要不可欠であることを証明することになった。
駅一覧
駅番号 | 駅名 | 乗り換え情報 | 駅周辺情報 | 所在地 |
NT-01 | 日暮里駅 | JR東日本山手線・京浜東北線・常磐線・京成本線 | 荒川区 | |
NT-02 | 西日暮里駅 | JR東日本山手線・京浜東北線・東京メトロ千代田線 | ||
NT-03 | 赤土小学校前駅 | |||
NT-04 | 熊野前駅 | 都電荒川線 | ||
NT-05 | 足立小台駅 | 足立区 | ||
NT-06 | 扇大橋駅 | |||
NT-07 | 高野駅 | |||
NT-08 | 江北駅 | |||
NT-09 | 西新井大師西駅 | |||
NT-10 | 谷在家駅 | |||
NT-11 | 舎人公園駅 | 車両基地 | ||
NT-12 | 舎人駅 | |||
NT-13 | 見沼代親水公園駅 |
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関連項目
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