日本における戦争体験者 とは、主に太平洋戦争を経験した人間である。
概要
(2025年現在)終戦日である1945年8月15日生まれはは満79歳となり、それ以前のことを覚えているとなると最低+4歳以上の83歳以上の人間であると言える。
語り部として戦争当時の貴重な体験を伝える生き証人でもある。
しかし近年は高齢化に伴い減少しており今後十数年のうちに殆どいなくなってしまう事はほぼ確実であり、体験者から直接証言を聞ける最後のタイミングであるとされている。
問題点
戦争経験の偏り
戦争体験エピソードの基本は「反戦」を訴えるものが殆どだが体験者の中には「戦争推進派」も存在する。ある意味そうなってしまったのも戦争被害と言えるが、メディアでは扱いづらい為、そういった人々は透明化されている。
NHKバラエティ『小朝が参りました』では収録中、老人が「戦争がしたい。人を殺したい」と語った部分がカットされた事が同番組の本によって語られている。
また、エピソードが「都市部」「都会人」「沖縄」などに偏っているという指摘も見られる。
メディアではメッセージ性の強いエピソードや空襲などセンセーショナルで悲惨なエピソードばかり好んで取り上げられる為、戦時中でも田舎で平和に暮らしていたなどのエピソードは取り上げられづらい。(尤も田舎でも地域差はあっただろうが)
戦争体験の信憑性
上記に上げた戦争体験についてはその信憑性について疑問符が残るものも多い。
実際の戦争記録と乖離している物や、十分な裏付けがなされない(できない)物がメディアで真実として取り上げられているのが現状である。
これは何も体験者が意図的に嘘をついているという事でなく、「本人は本当だと思っている」という物も含まれる。
また、物心つく前と考えられる4歳以下でやたら詳細に話をする語り部が存在するなど信憑性皆無と言える語り部もメディアで取り上げられている。
更に、語り部の減少に伴い語り部から口伝で聞いた語り部2世、3世という存在も現れている。
フィクションにおける戦争経験者
「戦争体験者にその体験を聞く」というエピソードがよく作られる。
現在(2025年)を舞台にした作品では上記のように最低80歳、学生時代のエピソードなら90歳以上とリアリティ的な側面では「祖父母に聞く」という展開でも無理がある設定になりつつある。
また、後年、リメイクなどに辺り語り手が変更される場合もある。
- 漫画『ドラえもん』には戦争関係エピソードが出てくるが近年のアニメ化の際は変更が入ることも多い
- アニメ『ふたりはプリキュア』(2004)28話ではほのかの祖母が14歳だった頃の戦時エピソードが語られる。現実に即せば72歳程となる
- アニメ『T・Pぼん』(2024年)では舞台設定が原作の昭和から令和になっており、戦争体験者として登場する英語の先生:敷島明子がアニメ8話では90歳以上の元英語教師に変更されている
- 漫画『ゲゲゲの鬼太郎』には「妖花」という花が登場するエピソードがあるが年代と共に被害者が変化している
- 漫画『地獄先生ぬ~べ~』では座敷童は50年前の戦争時中に死んだ子供が妖怪化したという設定になっている。この設定は旧アニメ版(1996)では映像化されなかったが、リメイクアニメ版(2025)では80年前で母親の年齢が100歳になっている。リメイク版の方が年上なはずだが若く見える
古くに作られた現代設定作品では戦争経験者、元軍人といった中年キャラクターも多かったが所謂、「サザエさん時空」的な作品(特に劇中年代は進行しているタイプ)ではエピソードが続くにつれてそういった設定はフェードアウトしていきがちである。
意外?な戦争体験者キャラ
関連動画
関連リンク
- キティちゃん生みの親 “原点は戦争体験” 97歳サンリオ創業者が伝える「みんななかよく」『every.特集』 - 日テレNEWS
- 偽りの記憶が「史実」になる恐れ 戦争証言とメディアの責任 - BuzzFeed
- (伝える側の視点から考える) 被爆体験の伝承における課題 - 武蔵大学
- 「ゲゲゲの鬼太郎」シリーズにおける“戦争”の描かれ方の変遷 藤津亮太のアニメの門V 第38回 -アニメ!アニメ!
- 国民的アニメの超有名人も戦争に… 意外? そうでもない? 従軍経験のあるキャラ - マグミクス
関連項目
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