日本テレコムとは、かつて存在した電気通信事業者の商号である。
概要
もともとは旧国鉄傘下の通信事業者である。国鉄の民営化以降、経営母体の変動が著しくかつては英ボーダフォンやリップルウッドの傘下におさまっていたこともある。
身売りに次ぐ身売りを経た悲劇の通信事業者であるが、その歴史は長く、スーパーマリオブラザーズの BGMにもその社名が登場しており、今でもニコニコ動画などではその名前が歌い継がれている。
歴史
日本テレコム株式会社(初代)
国鉄系の新電電として1984年10月11日に誕生。
設立の際に協力したのは三井物産、三菱商事、住友商事の三社である。
ファイバケーブルを新幹線沿い敷設しており、この線は現在でも幹線として使用されている。
引いた路線は東海道新幹線、山陽新幹線、東北新幹線、上越新幹線の四路線であり、初期の頃に日本テレコムが鉄道沿線い電波対応地区が多かったのは上記、及び後述の鉄道通信株式会社に由来する。
鉄道通信株式会社
1987年4月1日の国鉄分割民営化に先駆け、1986年12月9日に国鉄の鉄道通信部門の承継会社、かつ、民営化の新会社第1号として、国鉄の100%出資会社として設立された。略称はJR通信。
戦前から全国の駅の業務連絡のために張り巡らされていた業務用電話網である鉄道電話を保持した会社である。
日本テレコム株式会社(2代)
1989年5月1日に鉄道通信が日本テレコム(初代)を吸収合併した上で、日本テレコム株式会社(2代)に商号変更した。したがって、この日以前とこの日以降の「日本テレコム」は別法人となる。
1991年7月6日にデジタルホングループを設立し、携帯電話事業に参入。ブランド名は「デジタルホン(のちにJ-PHONE)」。
1994年3月15日にはツーカーホングループと合同でデジタルツーカーグループを設立し、全国展開を目指した。こちらのブランド名は「デジタルツーカー」。
その後、日産自動車のツーカー事業からの撤退を受けて、デジタルホンとデジタルツーカーのブランドを統合し、「J-PHONE」に統一された。
日本国際通信
0041の識別番号を持つ国際電話事業者だった。
1997年10月1日に日本テレコムに吸収合併された。
ボーダフォンの買収
J-PHONE買収を目論むボーダフォンにより、2001年9月にTOBが実施される。JR東日本がそれを承諾したため、JRグループとの資本関係が解消され、ボーダフォングループの傘下となった。
持株会社体制へ移行
2002年8月1日に持株会社体制へ移行した。それに伴い、以下の体制となる。
リップルウッドHDへの売却
2003年4月1日、日本テレコム(3代)をリップルウッドHDへ売却。
一方、日本テレコムHDについては、2003年10月1日に携帯電話のブランド名を「J-PHONE」から「Vodafone」へ変更した。会社については、2003年12月10日にボーダフォンホールディングスへ商号変更した後、2004年10月1日に子会社のボーダフォンK.K.を吸収合併し、ボーダフォンK.K.(2代)へ商号変更した。
ソフトバンクの買収
2004年7月30日、日本テレコム(3代)をソフトバンクへ売却。2006年10月1日に「ソフトバンクテレコム株式会社」へ商号変更した。
「ODN」という独自のプロバイダを持っていたが、これは日本テレコムによって運営されていたサービスである。ソフトバンクグループの中には他にもいくつかのプロバイダ事業が並行している状態であった。
一方、ボーダフォンK.K.(2代)については、2006年4月27日にソフトバンクへ売却された。2006年10月1日に「ソフトバンクモバイル」へ商号変更した。
2015年4月1日、ソフトバンクテレコムはこの自ら生み出したともいえるソフトバンクモバイルに吸収合併され、ついに31年の歴史に幕を下ろすこととなった。
ODNについてはその後も継続していたが、2023年に永きに渡ったサービスを閉じた。
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関連項目
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