日本海東北自動車道(にほんかいとうほくじどうしゃどう)とは、新潟県新潟市江南区の新潟中央JCTから、秋田県秋田市の河辺JCTを結ぶ、高速道路である。略称は日本海東北道(にほんかいとうほくどう)、日東道(にっとうどう)。路線番号は E7 。
現在、新潟中央JCT - 朝日まほろばIC、あつみ温泉IC - 遊佐鳥海IC、象潟IC - 河辺JCTが開通している。
概要
高速自動車国道 自動車専用道路 (有料 / 無料) |
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E7 日本海東北自動車道 | |
基本情報 | |
総距離 | 184.2km(開通済みの区間) |
開通年 | 1994年 - (日本海東北道としては2001年 - ) |
起点 | 新潟県新潟市江南区 |
終点 | 秋田県秋田市 |
重要な経過地 | |
道路テンプレート |
新潟県下越地方から山形県庄内地方、秋田県に至る路線であり、東北地方日本海側の各都市を結ぶ。
国道7号が全線に亘って並行しており、他に新潟県内で国道8号・国道113号と、新潟県から山形県にかけて国道345号と、山形県内で国道112号と、それぞれ並行している。また、新潟市から新発田市にかけてJR白新線、新発田市以北の大半の区間でJR羽越本線と、それぞれ並行している。
全線開通の際には、関西・中京と東北北部との最短ルートが出来上がるほか、関東地方からは関越自動車道・北陸自動車道経由で東北地方北部に行くことが可能となり、東北自動車道や常磐自動車道の代替ルートとしての役割を担うことになる。
豊栄SA以北の大半の区間が暫定2車線である。なお、北陸道の新潟西IC - 聖籠新発田IC間は国道8号・国道7号の新潟バイパス・新新バイパスが北側に並行しており、当道路が暫定2車線で最高速度が70km/hの区間があるのに対し、バイパス側は4車線以上で全線立体交差、無料で最高速度が70km/hであるなど、高速道路並みの高規格で整備されていることから、新潟市- 新発田市間の通過交通は国道7号を通行する車両が圧倒的に多い(ただしこの区間の日本海東北道も交通量は少なくない)。
荒川胎内IC - 朝日まほろばIC、あつみ温泉IC - 鶴岡西IC、酒田みなとIC - 遊佐鳥海IC、象潟IC - 岩城ICは無料、その他の区間は有料である(本来、鶴岡西IC - 鶴岡JCT料金所も無料区間であるが、この区間にICが設置されていないため、有料区間として扱われている)。
売店やガソリンスタンドが設置してあるSA、PAはなく、矢引PA[1](大広PA[2])以外のすべての休憩施設がトイレ・駐車場のみ(一部自動販売機あり)である。矢引PA(大広PA)はトイレがなく、駐車場のみの施設である(当初、荒川PAも駐車場のみであったが、2014年4月ごろに簡易トイレが設置された(簡易トイレは現在、非常用トイレに変更)。2016年に正式なトイレが設置、同時期に上り線のPAも開設)。サービスエリアである豊栄SAもトイレ・駐車場・自動販売機のみである(新新バイパスに豊栄PA(道の駅豊栄)が存在するため、誤認防止のためにSAに設定されたものと思われる)。SA、PAの設置数も少なく、50km以上にわたって休憩施設がない区間が多い。なお、新潟県内の区間は、国道7号沿いにある「道の駅神林」・「道の駅朝日」の案内標識が設置されている。
路線名
国土開発幹線自動車道・高速自動車国道の路線名、および自動車専用道路区間における事業名は、以下の通り。
- 北陸自動車道:新潟中央JCT - 新潟空港IC
- 日本海沿岸東北自動車道:新潟空港IC - 朝日まほろばIC
- 朝日温海道路(国道7号):朝日まほろばIC - あつみ温泉IC
- 日本海沿岸東北自動車道:あつみ温泉IC - 鶴岡JCT
- 東北横断自動車道酒田線:鶴岡JCT - 酒田みなとIC
- 日本海沿岸東北自動車道:酒田みなとIC - 遊佐鳥海IC
- 遊佐象潟道路(国道7号):遊佐鳥海IC - 象潟IC
- 象潟仁賀保道路(国道7号):象潟IC - 仁賀保IC
- 仁賀保本荘道路(国道7号):仁賀保IC - 本荘IC
- 日本海沿岸東北自動車道:本荘IC - 河辺JCT
現在は、上記の開通済みの全区間で「日本海東北自動車道」と案内されている。
新潟中央JCT - 新潟空港ICは当初、路線名と同様に北陸自動車道として開通したが、2002年5月26日に日本海東北自動車道の区間に編入され、キロポスト・IC番号なども変更された。
鶴岡JCT - 酒田みなとICも当初、山形自動車道として開通したが、2012年3月24日に日本海東北自動車道の区間に編入された。同時にIC番号も変更されたが、キロポストは山形自動車道のものがそのまま使用されている(当時は朝日温海道路が事業化しておらず、新潟中央JCT起点のキロポストが設置できなかったため)。
荒川胎内IC - 朝日まほろばIC、あつみ温泉IC - 鶴岡JCT料金所、酒田みなとIC - 遊佐鳥海IC、本荘IC - 岩城ICは新直轄方式で整備されている。
通過する自治体
新潟県
新潟市(江南区(長潟、山二ツの一部で中央区) - 東区 - 江南区 - 北区) - 新発田市 - 北蒲原郡聖籠町 - 新発田市 - 胎内市 - 村上市
山形県
秋田県
接続高速道路
- E8 北陸自動車道(新潟中央JCT)
- E49 磐越自動車道(新潟中央JCT)
- E48 山形自動車道(鶴岡JCT):湯殿山方面⇔酒田方面、新潟方面⇔酒田方面のみ接続
- 岩谷道路(大内JCT)
- E7 / E46 秋田自動車道(河辺JCT)
※酒田中央ICで余目酒田道路、秋田空港ICであきたびラインとそれぞれ接続しているが、自動車専用道路部分で直結していない(平面交差での接続となっており、その部分は自動車専用道路に指定されていない)。
施設・接続道路など
IC番号 | 施設名 | キロポスト | 接続する道路 | 備考 | 所在地 | ||
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E8 北陸自動車道 金沢・米原方面 | |||||||
42 | 新潟中央JCT | 0.0 | E49 磐越自動車道 | 新潟県 | 新潟市 | 江南区 | |
1 | 新潟亀田IC | 3.2 | 国道49号(亀田バイパス) 新潟市道亀田1-480号線 |
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1-1 | 新潟東SIC 西野BS |
7.4 | 新潟県道4号新潟港横越線 | ||||
2 | 新潟空港IC | 9.2 | 新潟県道16号新潟亀田内野線 | ||||
2-1 | 豊栄SA 豊栄SIC |
11.7 | 新潟市道豊栄2-360号線 新潟市道豊栄2-359号線 |
トイレ・自販機のみ SICは新潟中央方面のみの出入口、6-22時のみ利用可能 ↓これより暫定2車線(一部4車線) |
北区 | ||
- | 葛塚BS | 16.6 | |||||
3 | 豊栄新潟東港IC | 18.3 | 新潟県道46号新潟中央環状線 新潟市道正尺早通線 |
||||
4 | 聖籠新発田IC/BS | 25.7 | 国道7号(新新バイパス) | 北蒲原郡聖籠町 | |||
- | 加治川紫雲寺BS | 31.6 | 新発田市 | ||||
5 | 中条IC | 36.8 | 新潟県道591号中条インター線 | 胎内市 | |||
- | 中条TB | 37.0 | |||||
5-1 | 胎内SIC | 41.4 | 新潟中央JCT方面のみの出入口 | ||||
6 | 荒川胎内IC | 46.6 | 国道113号(荒川道路) | ||||
村上市 | |||||||
- | 荒川PA/BS | 49.1 | BSは休止中 | ||||
7 | 神林岩船港IC | 53.7 | 村上市道 | ||||
8 | 村上瀬波温泉IC | 57.7 | 新潟県道286号岩船港線 新潟県道531号村上神林線 |
||||
9 | 村上山辺里IC | 61.4 | 新潟県道207号大栗田村上線 | 新潟中央方面のみの出入口 | |||
10 | 朝日三面IC | 63.7 | 新潟県道349号鶴岡村上線 | 新潟中央方面のみの出入口 | |||
11 | 朝日まほろばIC | 67.5 | 新潟県道208号小揚猿沢線 | ||||
大須戸IC | 事業中 | ||||||
大須戸第二IC | |||||||
北中IC | |||||||
勝木IC | |||||||
府屋IC | |||||||
鼠ヶ関IC | 事業中 道の駅併設予定 |
山形県 | 鶴岡市 | ||||
13 | あつみ温泉IC | 104.2 | 山形県道348号温海川木野俣大岩川線 鶴岡市道 |
||||
TN | あつみトンネル | - | - | 長さ6,022m 危険物積載車通行禁止 |
|||
14 | いらがわIC | 112.1 | 山形県道61号菅野代堅苔沢線 | 河辺方面のみの出入口 | |||
15 | 三瀬IC | 116.8 | 鶴岡市道 | 河辺方面のみの出入口 | |||
- | 矢引PA (大広PA) |
121.5(下り) 121.6(上り) | トイレなし | ||||
16 | 鶴岡西IC | 125.4 | 国道7号 | ||||
- | 鶴岡JCT TB | 128.5 | |||||
17 | 鶴岡JCT | 130.0 | E48 山形自動車道 | 新潟方面⇔湯殿山方面は通行不可 | |||
18 | 庄内空港IC | 137.8 | 山形県道33号庄内空港立川線 | 酒田市 | |||
19 | 酒田IC 酒田TB |
144.9 | 国道7号 | ||||
19-1 | 酒田中央IC | 149.8 | 国道47号(余目酒田道路) 山形県道40号酒田松山線 |
||||
20 | 酒田みなとTB | 156.3 | - | ||||
酒田みなとIC | 156.6 | 山形県道59号酒田八幡線 | |||||
21 | 遊佐比子IC | 162.1 | 国道7号 | 秋田方面のみの出入口 | 飽海郡 遊佐町 |
||
22 | 遊佐菅里IC | 国道7号 | 新潟方面のみの出入口 | ||||
23 | 遊佐鳥海IC | 168.6 | 国道345号 | ||||
吹浦IC | 2026年度開通予定 | ||||||
女鹿IC | |||||||
小砂川IC | 2025年度開通予定 | 秋田県 | にかほ市 | ||||
11 | 象潟IC | 64.5 | 秋田県道58号象潟矢島線 | ||||
12 | 金浦IC | 57.7 | 国道7号 にかほ市道 |
||||
13 | 仁賀保IC | 50.8 | 国道7号 にかほ市道 |
||||
- | 西目PA | 44.5 | 由利本荘市 | ||||
14 | 本荘IC | 38.3 | 国道107号 | ||||
14-1 | 大内JCT | 29.1 | 岩谷道路(国道105号) | ||||
14-2 | 松ヶ崎亀田IC | 22.2 | 由利本荘市道 | ||||
15 | 岩城IC | 16.7 | 秋田県道44号雄和岩城線 | ||||
- | 雄和PA | 秋田市 | |||||
- | 秋田空港TB | 2.8 | |||||
16 | 秋田空港IC | 2.4 | 秋田県道61号秋田御所野雄和線 あきたびライン |
||||
5-1 | 河辺JCT | 0.0 | E7 / E46 秋田自動車道 |
- かつて、仁賀保IC - 西目PA間(49.5KP)に両前寺仮出入口が存在したが、2012年10月27日に廃止された。
- キロポストは、新潟中央JCT - 朝日まほろばICは新潟中央JCT起点のもの、あつみ温泉IC - 鶴岡JCTは鶴岡JCTの「130.1KP」から新潟方面に向かって逆算したもの、鶴岡JCT - 遊佐鳥海ICは山形道の村田JCT起点のもの、象潟IC - 河辺JCTは河辺JCT起点のものを暫定的に使用している。
- IC番号のうち、「11」と「13~16」が2か所ずつ使用されている。これは、新潟県・山形県のICに当初の予定になかった追加IC(神林岩船港IC、村上山辺里IC、朝日三面IC、いらがわIC、三瀬IC)が存在し、秋田県内で重複する番号のある区間はこれらの追加ICの建設が決定する前に開通したため。
歴史
- 1994年7月28日:新潟中央JCT - 新潟亀田ICが北陸自動車道として開通。
- 1997年10月30日:鶴岡JCT(当時は未開通) - 鶴岡ICが山形自動車道として開通。
- 1997年11月13日:新潟亀田IC - 新潟空港ICが北陸自動車道として開通。
- 2001年7月7日:秋田空港IC - 河辺JCTが開通。
- 2001年8月9日:酒田IC - 酒田みなとICが山形自動車道として開通。
- 2002年5月26日:新潟空港IC - 聖籠新発田ICが開通。新潟中央JCT - 新潟空港ICが日本海東北自動車道に編入。
- 2002年10月20日:聖籠新発田IC - 中条ICが開通。
- 2002年10月26日:岩城IC - 秋田空港ICが開通。
- 2007年3月30日:岩城ICの料金所が廃止。秋田空港本線料金所が開設。
- 2007年4月1日:豊栄SICの社会実験が開始。
- 2007年9月17日:両前寺仮出入口 - 岩城ICが開通。大内JCTで岩谷道路と接続。
- 2008年4月1日:豊栄SICが本格運用開始。
- 2009年7月18日:中条IC - 荒川胎内ICが開通。
- 2010年3月28日:荒川胎内IC - 神林岩船港ICが開通。
- 2011年3月27日:神林岩船港IC - 朝日まほろばICが開通。
- 2012年3月24日:あつみ温泉IC - 鶴岡JCTが開通。鶴岡JCT - 酒田みなとICが日本海東北自動車道に編入。
- 2012年10月27日:金浦IC - 両前寺仮出入口が開通。両前寺仮出入口が廃止。
- 2012年12月ごろ:荒川PA(下り線)が開設。
- 2013年5月16日:荒川BSが開設。
- 2015年10月18日:象潟IC - 金浦ICが開通。
- 2015年11月14日:酒田中央ICが開通、酒田みなと本線料金所が開設。
- 2016年3月26日:新潟東SICが開通。
- 2016年11月ごろ:荒川PA(下り線)のトイレ設置。
- 2016年11月29日:荒川PA(上り線)が開設。
- 2020年10月29日:酒田みなとIC - 遊佐比子IC間が令和2年12月13日(日)15時に開通と発表。仮称であった遊佐比子IC・遊佐十里塚IC・遊佐鳥海ICの各ICについて、それぞれ正式名称を遊佐比子IC・遊佐菅里IC・遊佐鳥海ICと発表[3]。
- 2020年12月13日:酒田みなとIC - 遊佐比子IC間が開通[4]。
- 2020年3月31日:胎内SIC整備に伴い胎内BS廃止[5]。
- 2023年2月6日:胎内SICが令和5年3月26日(日)15時に開通と発表[6]。
- 2023年3月26日:胎内SICが供用開始[7]。
- 2024年1月31日:遊佐比子IC - 遊佐鳥海IC間が2024年3月23日(土)16時に開通すると発表[8]。
- 2024年3月23日:遊佐比子IC - 遊佐鳥海IC間が開通[9]。
- 2024年7月25日:同日からの記録的な大雨により被災した 遊佐菅里IC - 遊佐鳥海IC間が通行止め(同年8月9日解除予定)[10]。
今後の予定
関連動画
関連項目
脚注
- *国土交通省東北地方整備局 酒田河川国道事務所,(2017-06-23),"日東道 鶴岡西IC~三瀬IC間 上り車線 工事に伴う車線の線形変更のお知らせ ~240m区間の線形が変更となります~",2024-08-09最終閲覧
- *現地の道路照明灯には「大広PA」との表示がある。
- *国土交通省東北地方整備局 酒田河川国道事務所・山形県・酒田市・遊佐町,(2020-10-29),"国道7号の津波浸水エリアを回避 日本海沿岸東北自動車道「酒田みなとIC~遊佐比子IC」間が令和2年12月13日(日)15時に開通"(PDF),2024-08-08最終閲覧
- *典拠同上
- *新潟交通株式会社,(2020-02-21),"【山形線】4/1 停車バス停の変更について (「リナワールド前」新設と「胎内」の運用終了)(PDF)",2024-08-09最終閲覧
- *胎内市・東日本高速道路株式会社 新潟支社,(2023-02-06),"【E7】日本海東北自動車道『胎内スマートインターチェンジ』が 令和5年3月26日(日)15時に開通します",2024-08-08最終閲覧
- *典拠同上
- *国土交通省東北地方整備局 酒田河川国道事務所・山形県・酒田市・遊佐町,(2024-01-31),"日本海沿岸東北自動車道「酒田みなと~遊佐」が全線開通!「遊佐比子IC~遊佐鳥海IC」間が令和6年3月23日(土)16時に開通(PDF)",2024-08-09最終閲覧
- *典拠同上
- *国土交通省東北地方整備局 酒田河川国道事務所,(2024-08-07),"【防災情報】大雨による道路防災情報(第 20 報) 日本海東北自動車道(遊佐菅里 IC~遊佐鳥海 IC) の規制解除について(PDF)",2024-08-09最終閲覧
- *「独立行政法人 日本高速道路保有・債務返済機構,(2024-03-21),"高速自動車国道北海道縦貫自動車道函館名寄線等に関する協定の一部を変更する協定(令和6年3月21日付け)(PDF)『別紙1-56 日本海沿岸東北自動車道(雄和PA)に関する工事の内容及び工事に要する費用に係る債務引受限度額』",2024-08-08最終閲覧」では、工事完成予定が令和13年(2030年)3月31日となっているが、何度も延期されている
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