日産・サニーとは、日産自動車でかつて生産されていた乗用車である。かつては、カローラとならぶ”大衆車の定番”であった。
概要
車名の由来は、英語で「太陽がいっぱい」という意味から来ている。これは発売する数ヶ月前に公募で選んだものである。なお、後継車種は、ティーダとティーダラティオとなる。なお、車名の意味が「太陽」に関係することから、継続性はある。
初代・B10型(1966年〜1970年)
1966年4月に登場。排気量は1000ccで、当初は2ドアセダンのみであった。後の1967年には、4ドアセダンとクラス初の3速ATが追加をされ、後に2ドアクーペや5ドアのバンやトラックのバリエーションを広げるようになる。
販売は好調だったが、後に出たカローラと比較されることが多く日本のモータリゼーションを支えるライバルとなる。
二代目・B110型(1970年〜1973年 トラックは1970年〜1994年)
1970年1月に初のフルモデルチェンジを行う。2ドア&4ドアのセダン、バン、トラック、クーペの4種類で登場する。先代モデルの弱点であった、豪華さを加えたモデルとなった。車幅やエンジンの排気量も1000ccから1200ccへとパワーアップをされる。キャッチコピーも「隣の車が小さく見えます」とカローラを意識したものであった。
1971年には、排気量を1400ccエンジンを搭載した「エクセレントシリーズ」が登場。装備等もより豪華となったが、この豪華版が上クラスのブルーバードにもキャラクターが被る部分もあった。
1973年にセダンやバンがモデルチェンジをするが、トラックはそのまま継続生産をして、日本国内では1994年まで実に23年もの間生産されていた。これは街の電気店等のユーザーからの根強い需要があった。軽トラックよりも荷台が低く軽トラックよりも+して荷物が積載できるのがその理由である。サニートラックは、通称「サニトラ」は、その性能の良さとスタイリングが今でも根強い人気がある。
1972年の第19回東京モーターショーには参考出品としてこの型のサニークーペに日産独自のロータリーエンジンが搭載されていたこともあったが、第一次オイルショックで計画は頓挫した。
三代目・B210型(1973年〜1977年)
1973年5月にモデルチェンジ。ボディサイズはさらに大きくなり、曲線を多用に使用したスタイリングとなった。この型のクーペからリアハッチが開くタイプとなる。1400cc車と1200ccの上級グレードにはフロントディスクブレーキを採用をする。1200ccの廉価版は4輪ドラムブレーキとなる。
1976年にマイナーチェンジをして、エクセレントシリーズのエンジンに1600ccが追加される。なお、初代モデルや二代目モデルでは、モータースポーツに強かったが、当時のオイルショックの影響とアメリカでの排ガス規制の影響を受け、性能ががた落ちとなるという不運になってしまう。
四代目・B310型(1977年〜1981年 バン1977年〜1983年)
1977年11月にモデルチェンジ。このモデルで駆動式はFR方式の最後のモデルである。先代モデルとは一転直線的なスタイリングとなる。二代目&三代目モデルにあった「エクセレントシリーズ」は廃止され、シンプルなバリエーションとなる。また2ドアセダンもこの代で終了となる。
1978年に一部改良で全グレードにフロントディスクブレーキを採用するようになる。1400cc車の一部は電子制御のEGI化がされる。
1979年1月に初のステーションワゴン仕様の「カルフォルニア」を追加。ボディサイドに木目プリントを取り付けた個性的を出していた。
1980年のマイナーチェンジでは、1200ccが1300ccへ。1400ccが1500ccとパワーアップがされる。
1981年にセダンとクーペがモデルチェンジ。バンはマイナーチェンジのまま継続生産。1982年に5ドアバンがADバンに移行し、1983年に3ドアバンの生産が終了する。
CMは、前期型は月光仮面やフーテンの寅さんや座頭市がアニメで登場。昭和後期に活躍したものまねタレント・佐々木つとむが声を担当し講談調の口調だった。ヒッチハイクをしてサニーのリアシートに乗り込むというものであったが、1980年のマイナーチェンジ後は、女優・松坂慶子を起用する。
五代目・B11型(1981年〜1985年)
1981年10月にモデルチェンジ。この型でFF駆動に移行をする。同時にこれまでの正式車名が「ダットサン・サニー」から「日産・サニー」となる。
日本国内仕様のバリエーションは、4ドアセダン、3ドアハッチバッククーペ(名称はルプリ)、5ドアのステーションワゴン(名称はカルフォルニア)となる。バンは、ADバンに移行するようになる。
1982年9月には、4ドアセダンとハッチバッククーペにシリーズ初の1500ccのガソリンターボモデルが登場。同年10月に4ドアとステーションワゴンのカルフォルニアにシリーズ初の1700ccのディーゼルエンジンも登場する。
1983年10月にマイナーチェンジ。これまで三代目から続いていた3ドアハッチバッククーペを廃止して、代わりに2BOXスタイルの3ドアハッチバックとなる。
イメージキャラクターは四代目後期から引き続き女優・松坂慶子を起用。ターボモデル追加からモデル末期までは、松坂慶子と俳優・時任三郎のコンビでイメージキャラクターを務めるようになる。
六代目・B12型(1985年〜1990年)
1985年9月にモデルチェンジ。先代モデルのように丸みを帯びたスタイリングから直線的なデザインとなるので、通称・「トラッド・サニー」と言われる。先代モデルの未熟な部分が成熟し、大幅な品質向上が図られた。
1986年2月にクーペモデルの「RZ-1」(アールズィーワン)が登場する。同年8月には、初のDOHCエンジンが搭載される。排気量は1600cc。同年9月に4ドアセダンとカルフォルニアにシリーズ初の4WD仕様も登場する。
1987年9月にマイナーチェンジ。エンジンを新開発のGA型に変更される。同時にターボモデルは廃止となった。
1988年1月にモータースポーツのベース車「1600VRツインカム」を追加をする。
この型にはイメージキャラクターはいないが、セダンはモデルライフを通じてビートルズまたはジョン・レノンの楽曲がCMソングをして使用されていた。
七代目・B13型(1990年〜1993年)
1990年1月にモデルチェンジ。バブル期に開発されたためか、歴代モデルで最も高品質を追求したのが特徴である。サニーは4ドアのみとなり、クーペは別モデルとしてNXクーペとなる。カルフォルニアも別モデルとして独立をする。エンジンはガソリンエンジンがすべてDOHC化がされる。またサニー初の1800ccも登場する。4WD仕様も1500ccと1800ccのガソリンエンジン車と1700ccのディーゼル仕様にも用意された。この代で、4速マニュアルと3速AT仕様は廃止されて、すべて5速マニュアルと4速ATとなる。カローラでは一部グレードに4速マニュアルと3速ATを残していたので、サニーの高速走行での余裕さをアピールができた。
1500ccの最高峰グレードでは、内外装の組み合わせが自由に出来ることも可能であった。外装はノーマルで、内装は1800cc車と同じ内装にすることも可能であった。逆に内装はノーマルで外装のみ1800ccと同じにすることもできた。
1992年1月にマイナーチェンジ。先代モデルから使用していたサニー独自のマークが日産のCIマークとなる。
イメージキャラクターとして、前期型の当初は俳優・陣内孝則が担当し、すぐに映画監督・伊丹十三が担当するようになる。後期型は当初はイメージキャラクターはいなかったが、お買い得仕様車限定で女優・一色紗枝が担当するようになる。
八代目・B14型(1994年〜1998年)
1994年1月にモデルチェンジ。シャーシとサスペンションを大幅に一新され、ガソリン車はすべて電子制御化がされ、ディーゼル車は2000ccになる。先代モデルのウイークポイントであったリアシートの居住性の悪さを克服するようになる。またスタイリングも大幅に若々しいモデルとなるが、当初の問題であったメーカーセットオプションの分かりづらさや、先代モデルに比べて安っぽくなった内外装で、販売が苦戦を強いられるようになる。また当時開始された、日本での衝突安全基準テストで他車に比べて成績が悪かったのも響く。
1995年9月にマイナーチェンジ。不評だったリアデザインを保守的なものに変更され、運転席エアバックも標準装備化がされる。
1997年5月にマイナーチェンジ。全グレードにABSと助手席エアバックを追加し、フロント部分もメッキタイプとなる。1800cc車は廃止される。
当初イメージキャラクターはいなかったが、テーマ曲は織田哲郎の『君の笑顔を守りたい』を起用。1995年のマイナーチェンジ型に先代モデルに登場した女優・一色紗枝が登場する。
キャッチコピーは「いっぱい走ろう。12マイルサニー」。
何軒ものガソリンスタンドをスルーして走り去るサニーのCMを覚えている方もいるかもしれない。
九代目・B15型(1998年〜2004年)
1998年10月にモデルチェンジ。ボディタイプは4ドアセダンのみで、国内専用モデルとなる。エンジンは新開発のQGエンジンが1300ccと1500cc車に搭載。1600ccのスポーティーエンジン搭載の「VZ-R」、1800ccのガソリン直噴エンジンとCVTを組み合わせたグレードがあった。1999年9月にディーゼルエンジンが追加。排気量も2200ccとなる。
2000年8月に一部改良と同時にスポーティーグレードの販売が終了となる。
2002年5月にマイナーチェンジ。バンパーをフルカラード化がされる。排ガス規制により直噴エンジンとディーゼルエンジンが廃止される。1300ccと1500ccのガソリンのみとなる。
2004年10月に38年の歴史にピリオドが打たれた。後継はティーダ&ティーダラティオとなる。
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関連項目
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