日産・ノートとは日産自動車が2005年から生産している小型ハッチバック型の乗用車である。
概要
車名の由来は音符や雑記帖を意味するNoteから。これには日常の何気ない音に混じり、また生活を記録することで使用者の生活の一部になって欲しい。という開発陣の願いがこめられている。
初代(E11型,2005~2012年)
2005年1月で日本で販売を開始をする。2006年1月にはイギリスのサンダーランド工場で生産開始、販売開始される。
2006年12月に日本仕様が一部改良。エンジンの改良による燃費向上と当初ユーザーから指摘されていたシート形状を変更して乗り心地を改良する。
2008年1月にマイナーチェンジ。フロントグリルの形状を変更をしメーターには全車燃費計が搭載された。また、TVCMもアニメ『The World of GOLDEN EGGS』のキャラクターが登場する。当初のバージョンには、ノートの読みを「ノテだよ!ノテ!」というバージョンもあった。
2008年10月には、追加グレードとして1.6LのHR16DEエンジンに5速マニュアルを組み合わせたバージョンも登場する。
2009年と2010年には燃費向上のための一部改良と特別仕様車の追加がされる。
二代目(E12型,2012年〜2020年)
2012年9月より販売開始。車名を継承したE11型ノートと日産・ティーダの後継車としての位置づけとなる。
プラットフォームが先代のBプラットフォームから1段小さいVプラットフォームに、搭載エンジンも1.2L直列3気筒のHR12系にそれぞれ変更されるが、全長は先代より10cmほど大きくなり、室内空間もその分大きくなっている。
とはいえ、いたずらに車体を大きくしたというよりは、1クラス上であった先代ティーダのポジションを埋めるためのサイズアップでもあるため、車幅は5ナンバー枠相当で、実質全長10cmほど短くなったティーダと捉えることもでき、軽量化によって燃費性能の改善を意識した設計とされている。今後のさらなる上位車種からの移行客を狙って高級感をもたせた「MEDALIST」グレードも用意されている。
エンジンが1.5or1.6L直4から1.2L直3と小型化したため、当然動力性能の不足が危惧されるところだが、上位グレードにおいてはエンジンの直噴化+スーパーチャージャー追加によって先代と同等のスペックを保っており、さほど出力を必要としない平坦路では1.2リッター直噴エンジンの優れた燃費性能を、急加速を要する際にはスーパーチャージャーで必要充分な出力を絞り出すという発想である。
先代に引き続き車格・パッケージング共にほぼホンダ・フィットのポジションと重なっており、1.3Lor1.3L+モーターのフィットvs1.2Lor1.2L+SCのやや安価なノートという競合関係が当面このクラスのクルマ選びの王道の悩みどころとなる…かもしれない。
また、通常グレードの他に、NISMOとNISMO Sの2種類がある。
いずれもエンジンのチューニングや足回りの強化等が実装されているが、NISMO Sでは1.2L直3+スーパーチャージャー→1.6L直4とエンジンごと積み替える他、CVT→5速MTに変更しており、マーチNISMO S同様ガワだけノートだったもの状態となっている。これによりNISMOはレギュラーガソリンだが、NISMO Sはハイオク指定となっているため給油の際は注意。
余談だが、現在足踏み式が増えつつあるパーキングブレーキではあるが、E12型は昔ながらの手で引く方式。ちなみに初代は足踏み式。
e-power
状況が大きく変わったのは2016年11月、従来のガソリン車に加え、シリーズハイブリッドシステム「e-POWER」を搭載したバージョンを追加した。
ざっくり説明すると、電気自動車ながら発電用のガソリンエンジンを搭載しており、適宜充電しながら走れるという仕組みで、従来の電気自動車の弱点であった航続距離の短さという弱点をカバーした構造になっている。(参考:日産・リーフで350〜570km。ノートe-powerの場合、カタログスペックの34km/Lとすると満タンで約1200〜1400km。実走行では多少雑に走っても約800~900km程走れる)
技術コンセプトとしては約70年前に存在したドイツの戦車、ポルシェティーガーに代表されるガス・エレクトリック駆動方式のそれ。ある意味時代が追いついた代物。
純EVに限りなく似たドライブフィールを実現し、アクセルペダルの加減だけで大半のドライブが行えるようになる「ワンペダルドライブ」を導入。ドライブモードは3種類あり、普通のガソリン車に近い動き方になるノーマルモード、よりモーターの特性を際立たせる(=加速力重視になる)Sモード、燃費を最も重視したエコモードがある。モードの切替はサイドブレーキ横のボタン一つで可能。ちなみにS、エコでは回生ブレーキが非常に強くなり、ペダルを離すと完全停止させることも可能なほど。
ちなみにこちらにもNISMOとNISMO Sグレードが存在する。
ガソリンバージョン同様足回り強化や軽量化の他、NISMO Sではモーターを従来の80kW/254N・mから100kW/320N・m(セレナe-Powerと同じもの)に換装。
その結果、馬力はエクストレイル相当、トルクはフェアレディZに迫る値ながらこいつらよりも遥かに軽量(車体重量1080kg。エクストレイル、Zは約1500~1600kg)という際立った性能になっている。
モーター駆動による高い加速感とこれまでになかったドライブ感覚を実現しつつ、普段の取り扱いは普通のガソリン車となんら変わりないという特性がユーザーにウケて大ヒット。
2016年11月の販売台数は1万5784台に達し、軽自動車を含めた国内全モデルの中で首位を獲った。これは、1986年9月に「サニー」が達成して以来、日産として30年ぶりの快挙であった。
三代目(E13型 2020年~)
2020年11月発表。12月販売開始。従来のガソリンエンジンモデルを廃止し、e-power専用車種となった。日産としてはSUVのキックスに続いての2例目である。
e-powerシステムも第2世代となり、モーター、インバーター共に刷新。ボディのプラットフォームも新しいCMF-Bプラットフォームとなった。
最廉価の「F」、標準の「S」、最上級の「X」という3つのグレードが設定されている。新機軸の装備としては日産の運転支援システム「プロパイロット」を装備。
同年内に4WDモデルも発表され、2021年3月に発売が開始された。リアに高出力50kwモーターを搭載し、全車速域対応のいわばフルタイム4WDとして動作する。
このモデルはe-powerシリーズの人気を引き継ぐ形でヒットし、発売後約1ヶ月で2万台を超えるセールスを記録した。
ノート オーラ(FE13型 2021年~)
E13型の派生車種として2021年6月に発表。8月に発売開始した。
全幅が45mm拡大されるなどして3ナンバーボディとなり、プレミアムコンパクトカーとしての発展形である。やはりe-powerシステムの専用車種となっており、2WDと4WDが用意されているのも同様だ。
発売後約3週間で累計受注台数が1万台を突破。絶好調のスタートを切った。
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