日産・ラルゴとは、かつて日産自動車が製造・販売していたワンボックスタイプの自動車である。
概要
車名の由来は音楽用語で「ゆるやかに」を意味するイタリア語。
厳密には1983年にモデルチェンジした3代目のみが「日産・ラルゴ」であり、初代と2代目は「日産・バネットラルゴ」である。いずれもバネット/バネットセレナをベースとした派生車。
初代バネットは、登場時に登録車としては最もコンパクトなワンボックスカーで、取り回しにすぐれていたが、乗用登録の「コーチ」となると、室内の狭さがネックとなり居住性に課題があった。そこでバネットの車幅を5ナンバーサイズギリギリまで広げ、居住性の向上を図ったうえで、差別化の意味もあって高級感を演出するようにした。その出自上、トラックモデルは存在しない。また当初はコーチのみの予定であったが、2代目までは商用のバンも設定・販売された。
バネット同様に、初代と2代目の初期は販売店によって名称や仕様が若干違っており、
「ダットサンバネットラルゴ(日産店)」/「サニー~(サニー店)」/「チェリー~(チェリー店)」という呼称であったが、はっきり言って長いので当時から「ラルゴ」と呼ばれることがほとんどであった。
初代・GC120型(1982年~1986年)
1982年に登場。エンジンは2000㏄ガソリン/2000㏄ディーゼルで、バンはディーゼルと1500㏄ガソリンエンジンを用意した。コーチの乗車定員は7もしくは8人。
ベースのバネットより遅れ、1986年にモデルチェンジを実施。
2代目・GC22型(1986年~1993年)
1986年に初のモデルチェンジ。バネット(2代目)との共用パーツはそれなりに見られるが、実際にはバネットより強化された独自のフロアパンを採用し、外見的にも初代ほど似なくなっている。エンジンは2000ccガソリン/2000ccディーゼルターボのほかに1800ccターボエンジンも用意された。バンは変わらず2000㏄ディーゼルと1500㏄ガソリンである。
- 登場後半年で「バネットラルゴ」に名称統一、4WD車を追加。
- 1989年にはマイナーチェンジを実施。ターボエンジン搭載モデルが独立し、クルージングシリーズが設定された。
- 1992年にはオーテックジャパンによる特別仕様車「ウミボウズ」「ヤマアラシ」を販売。
3代目・W30型(1993年~1999年)
1993年にモデルチェンジ。このモデルからは「ラルゴ」となり乗用登録のみ、サイズも3ナンバーサイズとなった。短いボンネットを持つ現在のミニバンのような格好であるが、エンジンは従来どおり前席下付近に搭載されている。このため重量バランスには優れているが、恐ろしく整備性が悪いらしく、オーナーの間ではたびたびネタにされている。エンジンは2400ccガソリン/2000ccディーゼルの2種類を設定。
- 1994年には一部改良を実施し、7人乗りのほかに、8人乗り仕様が追加設定された。
- 1995年にはオーテックジャパンによる特別仕様車「ハイウェイスター」を追加。このモデルにはエアロパーツのほかに専用のストライプが装着されていた。
- 1996年にはマイナーチェンジを実施し、外装デザインを変更した。
- 1997年にはハイウェイスターにセドリック/グロリアのグランツーリスモ系を意識したと思われる専用のフロントデザインを与えた「ハイウェイスターツーリング」を追加。
- 1998年には一部改良を実施し、ハイウェイスターシリーズの一部グレードにリモコンオートスライドドアがオプション設定された。
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関連項目
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