日産・ADとは、日産自動車が1982年から製造をしている小型ライトバンである。ADバンと言われることが多い。高速道路や幹線道路で、よくプロボックスとレースをしている。
概要
車名の由来は、「AD」は「前進した」「進歩した」を意味する「ADVANCED」の略語。
基本は商用車として開発をされている。二代目モデルの途中までは、5ナンバー仕様のステーションワゴン仕様も存在をしていたが、現在はウイングロードがその受け皿となっている。
歴代モデルともにFF駆動で、4WD仕様も二代目モデルから存在をしている。
初代から三代目まではサニーをベースとし、現行型の四代目はマーチをベースにしている。
また、OEM供給をするモデルでもあるため、1994年からマツダにファミリアバンとして供給をし、2008年から三菱自工にランサーカーゴとして供給をしている。
初代・VB11型(1982年~1990年)
当時、日産の販売会社ごとに分けられていたライトバンを統一するために1982年に登場。
1年前に登場した5代目サニーのステーションワゴン仕様のカルフォルニアをベースにしているが、ベースよりも荷室を大きくするために、全長を短くし、車高を上げている。エンジンは1300ccと1500ccのガソリンエンジンと1700ccのディーゼルエンジンを搭載している。
1983年には2ドアモデルがモデルチェンジ。サニーバンの2ドアモデルはこのときまで生産をされていた。
1985年にベースのサニーと同様にマイナーチェンジ。リアサスペンションの強化を図ったグレードも登場。
1988年にマイナーチェンジ。バンパーを金属製からポリプロピレン製となる。またパワーステアリングのOP化もされ、最上級グレードには標準装備となった。
1500ccのみだった、AT仕様も1300ccディーゼルエンジン車にも選択が可能となった。
二代目・Y10型(1990年~1999年)
1990年に初のモデルチェンジ。サニーがベースながらも、専用設計のエクステリアとインテリアが用意される。
リアサスペンションもアベニールカーゴのリアと共通化をされている。形式も専用のY10型となる。
エンジンは、DOHC化された1300ccと1500ccのガソリンエンジンと1700ccのディーゼルエンジンが用意される。
ミッションも5速MTと4速ATが用意されるが、1300ccのAT車のみ3速ATとなる。またこの代より4WD仕様も用意をされ、ガソリンの1500ccとディーゼルエンジンで選択は可能。
1992年にリアを大幅に変更をしたADマックス登場。ワゴンとバンの両方に用意をされ、長尺物を載せる時に重宝をするようになっていて、リアドアもベースのハッチバックから、観音開きのドアとなる。
1993年マイナーチェンジ。1300ccのATが3速から4速化がされ、ディーゼルエンジンも2000ccに排気量がアップをされる。
1994年にマツダへのOEM供給を開始。車名もファミリアバン。当時傘下だった富士重工にも供給をされ、レオーネバンの名称となる。こちらは2001年まで供給がされていた。
1995年にワゴンが一部改良。運転席エアバックが標準装備となる。
1997年マイナーチェンジ。ガソリンエンジンが電子キャブ方式から電子制御式となりパワーアップとなる。
三代目・Y11型(1999年~2006年、ディーゼルエンジンは2002年まで、4WDと5速MTとCNGエンジンは2008年まで)
1999年にモデルチェンジ。ベースはウイングロードをベースにしている。
エンジンはFF専用に1300ccと1500ccのガソリンエンジンが、4WD車は専用1800ccのガソリンエンジンとなる。
ディーゼルエンジンは2200ccに排気量がアップされて、FFと4WDの両方が選択可能であった。
2000年に1800ccの液化天然ガスエンジン搭載車も登場。
2002年にマイナーチェンジ。バックドアの形状が変更され、日産CIマークをボンネット部分からグリルの中心に置かれるようになる。ディーゼルエンジン車が廃止となる。
2004年にマイナーチェンジ。内外装の変更を行うと共に、全グレードにキーレスエントリーを標準装備化がされる。
2006年にY12型が登場。設定できなかったMT車と4WD車とCNG車は継続生産となる。
2008年にY12型にも4WD仕様とCNG車が登場し、生産終了となった。
四代目・Y12型(2006年~)
2006年モデルチェンジ。ベースはウイングロードをベースにするが、リアサスペンションを大幅に変更をし、スペース効率を図っている。アベニールベースのエキスパートも統合したので、ADエキスパートとして、ADの上級版として登場している。全グレードがバンパーがカラーで、専用の1800ccエンジンも用意されている。
エンジンは当初からガソリンエンジンで、1200cc、1500cc、1800ccの3種類のみで、駆動方式もFF駆動のみとなる。そのため、4WDエンジンは2008年まで継続生産となった。ミッションは全車4速ATのみとなる。
使い勝手を重視するため、インストアッパーボックスの蓋がホワイトボードになっていたり、助手席のシートバックが倒れて、テーブルになるなど使い勝手を追求したモデルとなっている。
2007年にはマツダ側のファミリアバンも一部グレードのみY12型になる。
2008年に4WD仕様も登場。このためY11型は生産終了となった。4WD仕様のエンジンは専用の1600ccの
ガソリンエンジンが用意される。同年、三菱自工側にもランサーカーゴとしてOEM供給を開始。
2009年一部改良で、助手席側エアバックが標準装備となった。
2010年一部改良。100V・100Wの電源コンセントが標準装備となった。
2012年一部改良。一部グレードのシート改良及び全グレードのリアシート中心部に三点式シートベルトの形状を変更。
2013年一部改良。ADバンのバリエーションの1200㏄エンジンが廃止をされ、FF駆動はADエキスパートを除き1500㏄に統一化がされ、ミッションもCVT化がされる。
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関連項目
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