日韓トンネルとは、日本の九州と韓国を結ぶトンネル、及びその構想である。全長は約220キロで、青函トンネルの約4倍の距離になる。
韓国側では超党派が、日本側では主に九州地方選出の国会議員が推進していた(2008年に発足した日韓海底トンネル推進議員連盟は超党派である、ただし現在は活動実績がない)とされているが、2011年に韓国の国土海洋部が「経済性がない」という調査結果をまとめ事実上中止となった。
概要
日韓トンネルのそもそもの起こりは戦前の日本にある。この時は朝鮮半島も日本領であった。
当時日本では弾丸列車計画が作られており、東京から下関まで最高時速200キロの高速鉄道を作り(新幹線の原型でもある)、対馬海峡を連絡船を経由し、釜山から満州、更に北京や東南アジアに至るまでの壮大な計画であった。
計画が立てられた2年後の1942年に、日本から壱岐、対馬を経て釜山に至る海底トンネルの計画が持ち上がり、ボーリング調査などもなされたというが、戦争の激化とともに弾丸列車計画そのものが中止となった。
1981年11月、韓国のソウルで、統一教会の教祖・文鮮明が、自ら主催する第10回「科学の統一に関する国際会議」において、人類一家族実現の基盤にするために全世界を[[高速道路]]で結び、経済や文化交流を促進するとした「国際ハイウェイプロジェクト」なるものを提唱した。そして、その「国際ハイウェイ」の最初の起点となるものとして、「日韓トンネル」の建設を提案した。
それによると、鉄道・道路の共用として、いくつかの案がある。壱岐までは橋をかけ、壱岐と対馬は海底トンネル、また対馬と朝鮮半島(釜山案と巨済島案があったようである)との間は水深が深い上に海底断層があり、なおかつ地盤が弱いために、「海中トンネル」とするといった構想が存在した。
1983年に日韓トンネル研究会が発足し、当時はまだ韓国の反日が知られていなかったこと、ソ連が健在であり共産主義の驚異が今より身近だったことから保守派といえば親韓派が多かった影響もあり、自民党系が多かったが、2008年に発足した日韓海底トンネル推進議員連盟では民主党などを含めた超党派の議連となっている。
「日韓議員連盟」会長の竹下登元首相が自民党での検討を指示したり、羽田孜元首相も自著で「日本再生プログラム」の一環として日韓トンネル構想に言及している。 1990年に訪日した韓国の盧泰愚大統領や翌1991年に訪韓した海部俊樹首相なども推進の意向を示すなど、日韓双方で話し合われた。
2000年には韓国の金大中大統領が自治体首長会議で海底トンネル建設案について肯定的な発言をしていると報じられ[10]、同年9月の訪日の際、「日韓海底トンネル建設」の構想を日本の森喜朗首相に提唱した。 同年10月、韓国ソウルで開催された第3回アジア欧州会合(ASEM)首脳会合で、森喜朗首相が日韓トンネルの共同建設を韓国側に提案した。
しかし、青函トンネルの4倍という膨大な長さや非現実性、採算性などによって日韓両国から批判の声が上がり、結局2011年に韓国側から「採算性に乏しい」という結果が出てしまう幕引きとなった。
これに合わせ日韓トンネル研究会や日韓海底トンネル推進議員連盟も2011年に活動を停止しており、現在の国会でこの話題をまともに取りあげる人はいない。
しかし、2013年に対馬市議会で「日韓トンネル推進決議」が出るなど、地方レベルでは未だに日韓トンネル構想の亡霊がさまよっているようである。
問題点
最大の問題点は、技術的・予算的な問題である。即ち、緊急時の安全性や、極めて長大なトンネルになること、更にそのような長大な道路トンネルが技術的に可能なのかという問題。更にトンネル内での事故や、地震に対する対策等に莫大な予算が必要となること。
更に北朝鮮が存在しているため、中国・ロシアないしヨーロッパとはそこで寸断されてしまう可能性が高いことも大きな懸念材料であった。
これに関しては、日韓双方から疑問の声が大きかったようである。
更にもう一つの問題として国防上の問題である。おそらく自他共に認める反日国家である韓国と日本がトンネルで陸続きになることによる、対馬、壱岐、福岡の治安の悪化(特に福岡はただでさえ修羅の国などという不名誉なあだ名を付けられてしまっている)、もっと悲観的な見方では地域自体が乗っ取られてしまうという懸念もあった。
また、この計画を主に推進していたのが社会的避難が強く、カルト宗教との指摘もある統一協会であったことも反対意見が増幅する結果となった。
結局のところ、こうした多くの問題から現代の日韓トンネルは韓国側の方から「採算性に乏しい」という結果を出すことになり、日本はただただ振り回されただけだったのかもしれない。
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関連項目
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https://dic.nicovideo.jp/t/a/%E6%97%A5%E9%9F%93%E3%83%88%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB