旧神とは、クトゥルフ神話における善神であり、ラヴクラフトとダーレスによる創作(のはず)である。
概要
ラヴクラフトが創始したクトゥルフ神話の源流に対してダーレスの行った設定に関しては「クトゥルフ神話」を参照してほしい。
ここでは、ダーレスの設定を元にして旧神に関する概要を説明する。
ダーレスによって取りまとめられたクトゥルフ神話の神々は、大別すると3つに分類できる。
オリオン座のベテルギウスに鎮座するとされるクトゥルフ神話における、宇宙の善を体現した神性。
この宇宙の起こりとなる旧支配者との戦いに勝利したとされるが、その全貌は謎に包まれている。
当初、旧神として明確に名前が明らかになっていたのはノーデンスのみであったが、ラヴクラフトやダーレス、その他のクトゥルフ神話作家によって影響を受けた者たちの手によって、旧神として名を連ねる神が増えている。
なお、星の戦士と呼ばれる眷族を従えていると考えられている。
この星の戦士は、復活を目論んでいる旧支配者を発見したりした場合、精神を介して通報すると、旧神の武器を携えて顕れる事がある。
旧支配者との対立、宇宙的善という点から、人間にとって友好的と考えられる場合があるが必ずしもそうではない。
確かに旧支配者ほど脅威という訳でもないが、人類に対しては中立または友好的といった具合であり、友好的であったとしても積極的に手助けをするわけではない。駒として有用であれば手を貸すくらいである(もちろん例外もある)。
宇宙的善という設定には特にラヴクラフトのファンからは賛否両論あるものの、ラヴクラフト自身はこの設定の相談にのっていたり、そもそも独自の世界観や設定を歓迎していた点から否定的ではなかったと思われる。
リーダーはノーデンスかクタニドとされ、どちらかは媒体によって異なる。
上記以外の設定としては、以下のものがある。
- F.L.ペルトン
旧神達の王アザトースに仕える従者ソトースがヨグ=ソトースなどの旧支配者を創造したが、旧神達と王は対立し、王の副従者であったノーデンスが玉座に就き、王は知性を奪われ封印、ソトースと旧支配者達も、唯一、神々に味方した為、旧神の一員に迎えられた旧支配者のウルタール以外は封印された。
- G.メイヤーズ
旧支配者達が眠りに就いている隙に、ベテルギウスに住むひ弱な神々が宇宙船で飛来し、眠りが醒めない様に封印を施し、そのまま夢の国に移住した。歳月が過ぎ、宇宙船はもはや飛べなくなり、元々ひ弱だった神々は更に弱くなり、それが大地の神々(地球本来の神性)である。唯一、封印の監視者であるノーデンスだけは往年の力を保ち続けているが、いずれ力尽きる事が明白である。
- B.ラムレイ
銀河最高の科学者でありクトゥルーと同族(おそらく血縁)であるクタニドをスポークスマンとし、クタニドの発明した装置を扱う異星人達のグループ。彼等と考えを異にするクトゥルー達が袂を分かって旧支配者となった。
- クトゥルフ神話TRPG
外なる神と旧支配者に敵対する存在であり、一般に宇宙の秩序を保とうとする中立的(稀に友好的)な神々であるとしている。また、旧支配者を封印しているが今は弱ってきているとしている場合も。
設定については曖昧にしている部分が多いが、アザトースなど外なる神や旧支配者の創造者であるといった設定は採用されていない。
旧神として名を連ねる神性
小説
- クタニド(Kthanid)
クトゥルーの従兄弟とされる存在で、見た目はクトゥルーそっくりだが眼が金色。慈悲深い性格らしく、人類には比較的友好的だが、舌先三寸で相手を丸め込むのも得意。科学者気質も持っている。 媒体によっては旧神のリーダーとされることも多く、ニャルラトテップを抑える実力をも持つ。
- ティバックル(Thibakcul)
ベテルギウス太陽系の惑星ミオヴの地下に潜む巨大かつ美しい(姿形は不明)神。特定の女性の魂を奪って来て自分の下で働かせる。魂を奪われた女性の肉体は昏睡状態となり眼を覚ます事は無いが、ラバン・シュリュズベリイ博士に依ると「旧神のする事には訳があるから、邪魔してはいけない」との事。
- ステク(Sutech)
- セクメト(Sekhcmet)
- アヌプ(Anupu)
- スコース(Suchos)
ウシールと共にクトゥルーを見張っていた四神。知識と引き換えにクトゥルーを逃亡させる為、ウシールを殺した。現在、旧支配者たち同様、封じられている。そういった意味でこのリスト内では定義上最も旧支配者に近い存在。
- エピルフォン(Eppirfon)
- スクタイ(Sk'tai)
この2柱は姉妹であり、エピルフォンがクトゥルフの2番目、スクタイが3番目の妻であったとされるが、後にクトゥルフによって殺害されてしまった。ティース(T'ith)を生んだ存在と言われる。
- パイゴン(Paighon)
外なる神ンギル=コーラス(Ngyr-Khorath)、その従者イムナール(Ymnar)と敵対し、地球に住む神。旧支配者とされる場合もある。
クトゥルフ神話TRPG
- バースト(Bast)
エジプトの女神。今日ではバステト。小説ではロバート・ブロックが古代ブバスティスで生贄を捧げれていた猫の女神として「ブバスティスの猫の女神」という作品で扱っており、どう読んでも旧支配者なのであるが、この作品はゲームでは無視されている。ゲームで旧神に設定されたのは、おそらくラヴクラフトがエジプト好きのブロックに当てた書簡でバーストの神官と署名していた為と想われる。
- クタニド
科学者設定は外されている。
- ヤド=サダーグ
小説版と設定は同様。
- 天照大神(Amaterasu)
- スサノオ(Susano-wo)
- 玉皇大帝(Jade Emperor)
- 道祖神(Dosojin)
- 氏神(Uji-gami)
- 閻魔王(Emma-O)
「Secrets of Japan」で旧神に近い枠組み(≒)とされた面々。
ウルトラマンと星の戦士について
クトゥルフの星の戦士について軽く説明をすると、オリオン座方面のM78星雲から赤い火の玉で飛来する炎、または光でできた巨人である。旧支配者を素手で打ち倒した後、腕から炎を放ってそれらを封印する。
・・・日本人的にはそれは、光の国から僕らのために来たぞ我らのウルトラマン、ではないのか、と思いたくなるが全くの偶然の一致である。
更に付け加えればウルトラマンの出身とされるM78星雲も、実は本来は乙女座方面のM87星雲だったのが、誤植でM78と書かれたのがそのまま定着し現代に至るというのだから、事実は小説より・・・と言わざるを得ない、不思議な偶然である。
関連動画
※記事作成時点でのタグ登録数はゼロ。(2017年5月までに5つ以上に増加。)
キーワード検索の結果もあまり救われない気がするので、お勧めはできません・・・が、クトゥルフ関連動画の増加のためか、そうでもなくなりつつある様子。
関連コミュニティ
関連項目
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