概要
明石海峡大橋 | |
供用 | 1998年 |
延長 | 3911m |
幅員 | 30.0m |
形式 | 3径間2ヒンジ補剛トラス吊橋 |
1998年に供用開始された、中央支間1991m・全長3911mを誇る吊り橋である。当初は鉄道も走ることが想定されていたが、四国新幹線などの凍結から自動車道のみの橋として建設された。主塔の高さは実に298mにも及ぶ。これは国内では東京スカイツリー、東京タワーに次ぐ高さである。
明石海峡大橋ブリッジワールド
毎年4月から11月頃まで、明石海峡大橋の内部や主塔最上部を見学することができる「ブリッジワールド」というツアーが行なわれている。中学生以上が参加可能で、原則的に事前の予約が必要である。参加費用は大人3000円、中学生1500円。東京タワーやランドマークタワーの展望台を超える迫力をぜひ堪能してほしい。
Tips
- この橋の完成により、関西方面と四国の自動車によるアクセスはきわめて良好になった。これにより、四国でとれる新鮮な食品を関西方面にたやすく運搬できるようになったが、反面、淡路島や徳島の経済は本州側に吸い取られる形になってしまった。これをストロー効果と呼ぶ。
- しかし、一番影響を受けてしまったのは四国との玄関口を担っていた和歌山市であり、物流拠点としての地位が減退、それまで主力航路であった南海フェリーは規模縮小を余儀なくされている。間接的ではあるがJR四国の高松と徳島を結ぶ特急うずしお号も影響を受けており、振り子の130km/hでぶっ飛ばす特急列車が導入し、所要時間を短縮しつつ停車駅を増やして都市間輸送から地域間輸送を中心とするダイヤに変更された。
- 橋桁部は、風の影響を最小限にしたうえで高い強度を誇るトラス構造が使われている。この内部には歩行用の通路があるが一般的には入ることができない。ただし、前述のブリッジワールドに参加すれば本州側の支柱までは歩くことができる。風の影響を抑えるために床が側溝のフタのようにシースルーになっており、なかなかのスリルを味わえる。
- メインケーブルは細いケーブルを多数組み合わせて作られており、その太さは1mを超える。ケーブルの上には検査用の通路があり、そこを人が歩く様は他人事ながら手に汗を握らざるをえない。
- メインケーブルには多数の3色ランプが仕込まれている。発光パターンは28あるとのこと。
- 愛称「パールブリッジ」とはいえ本来の名称である明石海峡大橋の方が有名な為あまり浸透していない。
- 建設中に阪神・淡路大震災があり、あわや建設失敗かと心配されたが事なきを得た。この際、地殻変動により本来1990mであった中央支間距離が1m伸びたという逸話がある。
- 世界第2位の吊り橋はデンマークの「グレートベルト・リンク
」と呼ばれる橋の一部である。中央支間1624m。ただしアンカレイジ(メインケーブルを張る為の重り)の外にも橋が伸びているため、橋全体の全長は6790mに達するが、一般的にはノーカウント。
- 主塔の高さ世界一はフランスの「ミヨー橋
」で343m。天候によっては雲の上にかかることになる幻想的な橋である。この橋も相当ヘンタイな構造なので、ぜひ一度見学してみたいものである。
- イタリア本土とシチリア島を結ぶ「メッシーナ海峡大橋
」の建設が現実味を帯びてきた。この橋が完成すると中央支間は約3300m、主塔高382mという別次元の建造物となる。もちろん、明石海峡大橋で培われた日本の技術も活かされることになるだろう。・・・が大人の事情で2013年2月に建設中止になった模様。
- 2022年3月18日、トルコ西部チャナッカレのダーダネルス海峡に「チャナッカレ1915橋
」が開通し、2本の主塔間距離2023mと明石海峡大橋を抜き世界最長の吊り橋となった。
- 橋には送水管が通っており、水不足で悩まされる淡路島の配水量の26%は本州側からの供給である。
関連動画
関連項目
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