明神リューズとは、アニメ「カードファイト!! ヴァンガードG」に登場する人物である。
担当声優は池田秀一(成人状態)と石井心愛(現:天野心愛)(幼年期状態)の二名。
概要
ヴァンガード普及協会名誉会長。その名はG1期の時点で言及されていたが、実際の登場はG2期「ギアースクライシス編」から。
かつて新導ライブと何らかの関係があり、彼の「死」に関わっていたと推測されている。
リューズ曰くライブに裏切られたそうだが・・・。
何らかの目的で、ギアクロニクルのユニットを惑星クレイから地球に次元を超えて召喚している。
そのために世間から身を隠し、GIAS(ギアース)ならびにファイカのシステムを以てストライドフォースを収集、それを幾多の転送装置経由で召喚に使用している。
しかしユニット召喚の負荷を一身に背負っており、その身は既にボロボロになっていた。
彼の元には賛同者の組織「カンパニー」が形成されている。
かつてチーム・ディマイズにも所属していた東雲ショウマ、ヴァンガード普及協会ダークゾーン支部長の江西サトルらも所属していた。
ストライドゲート編第1話
伊吹の策で拠点の位置を突き止められ、最後のユニット召喚阻止とともに突入作戦を決行される。
それに敬意を表し、伊吹とクロノ二人の前にその姿を現し、己の目的を語る。
理性と秩序によって動く「完全なる世界」、その実現のために必要なのがギアクロニクルの「十二支刻獣」召喚。
それらを阻止するために取った装甲車と私兵による突撃に、リューズはひどく失望していた。
しかし、ディペンドカードは別の場所に転送され、伊吹らの目的は失敗。
残るリューズは既に肉体が限界。力尽きた後、装置に事前に仕掛けられでもしていたのか、突然の発火に身を委ね散って逝った。
これが新章第1話である。
リューズが最期に残した謎英語は、聖書の箴言と思われるもの。
「正しい者は七たび倒れても、また起き上がる。」
そして、クロノは騒動が終わった後、この言葉を再び放つ子供と出会うことになるが・・・。
転生
その子供こそ、身体をクローン体に移し替え転生を果たした明神リューズそのものだった。
この肉体での担当声優は2004年生まれの本物の子役、石井心愛。
彼女は様々なドラマやCMに出演しており、アニメも「不思議なソメラちゃん」などに出演しているが、今回初めてアニメのメインキャラを演じることになる(後に正式に声優部に移籍し、芸名も天野心愛に変更となった)。
舌足らずなことを除けば、その振る舞いは明神リューズそのものであり、そのまま自らをリューズと名乗っている。
自身が召喚した「ギアクロニクル」を使用、クロノと違い自身が呼んだディペンド・カードである《クロノファング・タイガー》(CV:黒田崇矢)を切り札としていることから、リューズ本人であることは決定的だと思われる。
その事実の前にクロノが心を乱したこともあり、リューズは容赦なくクロノから勝利をもぎ取り、彼にあることを告げるとともに、自らと共に来るように勧誘する・・・。
カンパニーの中心人物でありながら、ユニット召喚に関わる「特異点」と見定めたクロノを誘うために積極的に彼と接触する一方、肉体年齢相応の幼い仕草を見せ、寝ぼけ眼で「どうもこの身体は、睡眠時間が長くて困るな・・・」とぼやくなど、本当に黒幕かと疑いたくなるような妙なギャップを持つ。
彼の語る「完全なる世界」には、純粋に人間の未来を憂い、皆の幸せのためにと信じ行動した結果求めるものであるのは確か。
ライブには何かしら反発されたようで、自身の影響でクロノが不幸な幼少時代を送ったことは詫びている。[1]ユニットの召喚自体も自身が負担を背負い込み、新たな身体を作らなければならなくなったなど、代償を背負い込む覚悟を持って行動している。
真実
リューズ本人が子供の頃、彼の先導者となった少年が騒動に割って入り死亡したという事件があった。
また、そもそもリューズの家庭環境が夫婦喧嘩の絶えない劣悪なものであり、ヴァンガードに触れた途端に事件に見舞われたこともあり、深い闇を抱えることとなる。
それもあってか、彼は成人後はヴァンガードを通した事業を行いつつ、ライブとともに惑星クレイに関する研究を行っており、実際にゲートを開くまでに至った。
この時点ではギアクロニクルは新しく発見された未知のクランであり、カード自体は存在していたが、この時のリューズはグレートネイチャーを使用。《特任教授 アルシャ》をヴァンガードとした「達成(サクセス)」能力主体のデッキを使用しており、リアガードのパワーが規定値を突破すると報酬として効果が得られる。
しかし、リューズとライブには決定的な隔たりがあった。
リューズの行おうとしていたことは、全ての災いをクレイに背負わせ、全ての幸運を現世に引き寄せること。
もっと噛み砕けば、別の世界全てを犠牲に、自分たちの世界をよりよくしようと考えていた。
それを実験途中で聞かされたライブは激昂するが、途中でライブの息子・クロノがユニットの現世召喚を成功させてしまう。ライブはクロノや召喚された《クロノ・ドラン》、そして世界を守る為実験に割り入り、副産物としてリューズの研究施設を破壊した上でクロノに真実を忘れるように暗示をかけ、人知れず失踪したのだった。[2]
ギアクロニクルを用いて神崎ユウイチロウとファイトをしたのはこの出来事の後だと思われる。クローン体も当時使用していたグレートネイチャーのデッキは所持している。
覚悟があると言いつつ、他者が何であろうと犠牲を強いることを厭わない。
挑まれたファイトを受けた最中、真実を思い出したクロノに詰め寄られるリューズだが、彼をスタンガンでバチィッ鎮静化させる。
その後、盤面を保持したまま場所を移してファイトを再開。しかし十二支刻獣をクロノが覚醒させた途端、それを転送し全ての十二支刻獣を捕縛した。
ファイトで審判といいつつ、その実審判を待つ気は最初からなく、完全なる矛盾を抱え込んでいる。
完全なる未来
そのリューズの願う完全なる未来とは、全ての人間を己のイメージ世界に取り込み、そのイメージ世界で人類は永遠の幸福を得る・・・というが、分かりやすく言えば永遠のイメージ拉致による支配。他作品で言えばNARUTOの無限月読が近い。これカードゲームアニメだよね?
実際ストライドゲートの影響下に置かれた人類は意識を失い、眠ったような状態に置かれてしまう。止めたとしても交通事故などで世界中に大損害が出そうな気がするが。
完全な発動を阻止するには、リューズと彼に従うカンパニーのメンバーに対してファイトで「世界の審判を仰ぎ」、ファイトで勝つしかない・・・。
全ての十二支刻獣を掌中に収めているため、デッキが一新。十二支刻獣全てを組み込んだ上で、そのサポートとして「理想機兵(イデアドローン)」と名のついた種族:ギアコロッサスのカードを多く組み込む。切り札の《機械仕掛けの神 デミウルゴス》は、完成さえすれば自分のデッキのトリガーを合法的に積み込むという、決まれば凄まじい浪漫スキルを備える。
結末
リューズの訴える完全なる未来は、完全に否定しきれるものではない、悲痛な叫びだった。
しかし、それでも新たな未来を求めるクロノの起こした奇跡が完全なる未来を打ち破る。
未来が破られた以上、散ることを望むリューズに対し、クロノは「お前の未来もまだ終わっていない」とリューズの考えを否定する。
最後の審判に勝利したのはクロノ達。世界はクロノ達のイメージを汲んだ―――。
しかし、事態は予想外の方向に転換する。
世界の審判はリューズの未来を奪わない形でリューズに罰を与えた。それは、「未来をもう一度歩ませる」もの。
かつてクロノの目の前で焼身自殺した「ひとり目のリューズ」。
クローンに自身の精神を植え付け生まれ変わった「ふたり目のリューズ」。
そして・・・今度は精神もろとも赤子に生まれ変わった、いわば「三人目のリューズ」が誕生した。
単刀直入に言えば「心身ともに赤ん坊に若返った」のである。
何の因果かその後の彼の身柄は、彼が慈善事業として行っていた内容の一つである「恵まれない子供たちへの支援施設」が救うことになる。
親から直接生まれたわけでもないため、施設の子として預かられているようだが、物心つかない内からドラゴンエンパイア支部のアイドルになっていたり、支部で姿を見ることが多い。その場合、彼の世話は安城ママルもとい安城マモルが請け負っているようだ。
そして、以前語った未来を実現するクロノ達の輪の中で、赤子となった彼の手には《クロノ・ティガー》が握られていた・・・。
なお、続編に当たるヴァンガードGZの最終盤においても、台詞自体は一言だけだが出演している。
ドラエン支部にはすっかりなじんでおり、子供ながらも新しく「クロノファング」のデッキを組もうとしているのが伺える。
余談
かつてリューズが「銀河鉄道の夜」を読んでいたシーンがあり、その登場人物であるジョバンニに類似した要素がいくつか見られる。それ以外にも同作を執筆した宮沢賢治の作品に通じる要素があり、意識しているのは間違いない。
関連動画
関連項目
- カードファイト!! ヴァンガードG
- カンパニー
- 新導ライブ(彼の「死」に関わりがある)
- 伊吹コウジ(リューズを追う者)
- ギアクロニクル(使用クラン。所属ユニットの召喚を繰り返していた)
- グレートネイチャー(生前の使用クラン)
- 池田秀一 / 石井心愛(現:天野心愛)(担当声優)
- カードゲームではよくあること
- 宮沢賢治 / 銀河鉄道の夜
- クローン
- ショタジジイ
- スタンガン
- カードファイト!! ヴァンガードの登場人物一覧
脚注
- *但し、綺場家買収やラミーラビリンスのピースメーカーとしての利用については謝罪していない。
- *その後ギアクロニクルの存在が、クロノがヴァンガードを始めるまで発覚しなかったことから、「ギアクロニクルと共にGユニットらも歴史から消えたのではないか」という仮説がある。この場合、Gユニットの存在しない過去時間軸にGユニットが存在する理由づけになる。
- 1
- 0pt