星の子ポロンとは、1974年頃に制作され、北海道文化放送他で放送していた電子紙芝居アニメ作品である。全260本520話(1本で2話分を放送)。
概要
日一日とめまぐるしくなる昨今、右を見れば交通戦争、左を見れば公害問題と、煩雑でしかも混沌とした社会状況の中で、幼児の教育はむずかしく、又その重要性は言うまでもありません。(中略)種々雑多の問題をかかえた子供達に、交通安全及び社会道徳をわかりやすく、又楽しく指導しようという試みで企画されたものです。
そのあまりにも短い放映時間とぶつ切りなストーリーで知られている怪作。
製作は自動車教習所の教育映画などを手がけていた実写映画の制作会社「時報映画社」、アニメーション制作は同社がアニメ部門として設立した子会社「日本動画」が手がけている。
単体での知名度が低かった頃から「チャージマン研!」のMADに出演していることも多かったので本作も同じナック制作だと誤解されることが多かったが、実際のところナック作品ではない。……ただ、本作にはナック作品の下請けを手掛けたスタッフが参加していることが判明しているどころか、ナック創立に時報映画社の社長が関わっており、実際に繋がりが非常に強かった事実も判明した。
内容
内容はいわば子供向け教育アニメであるが、たった2分半で2話分を放映する狂気の番組であるため、超展開が常用されている。
内容を起承転結で簡潔に表すと、
といったもの。
これを1話につき約1分でやるので、最後まで意味不明で理解不能な超展開が続く。そして都合15秒で「ひどい目」「制裁」を描写しなければならないため、「ブレーキをいたずらしてはいけないよの巻」のスーパーカー撲殺解体ショーや「アトリエの乱入者の巻」
の人体バラバラなど、説教どころか到底子供向けとは思えない直接的な描写が入ることもある。
おまけに低予算がたたって2コマセル作画でなんとかアニメにしているため、まるで紙芝居のようなチープな作画が狂気を誘う。タイトルの、これから情け容赦ない黒々とした時代劇が始まるのだと言わんばかりの筆文字もポイントが高い。
主人公であるポロンちゃんも超展開をまともに食らっているため、当然のごとく問題解決は超展開であり、加える説教も超展開のためにもはや肉体言語としか思えない手段を加えることもある。ナレーターももはや意味不明なまでに投げやりになっている。
昔のセルアニメに特有のノイズも入っており、あらゆる面でチャー研を凌ぐ電波アニメと言っていいだろう。
OPやEDには電子音楽の父ともいわれるジャン=ジャック・ペリー(Jean-Jacques Perrey)の曲が使用されており、本編でも意外と有名どころの曲が使用されている。なおこれらの曲はライブラリー音源であり、もちろん星の子ポロンの為に作られたものではない。
また、ポロンちゃんとその他いくらかの役には無駄に大御所声優・野沢雅子が起用されている。
放送実績のあるテレビ局
「星の子ポロン」は番組販売(番組制作会社が個別にテレビ局に番組を販売する形式)らしく、いわゆる民放テレビネットワークの縛りから外れた形で各局で放送されている。
放送されたのが確認された放送局は以下の通り。
- 北海道 - 北海道文化放送、テレビ北海道
- 秋田県 - 秋田放送
- 山形県 - 山形放送
- 関東広域圏 - 東京12チャンネル(現:テレビ東京)
- 群馬県 - 群馬テレビ
- 長野県 - 長野放送
- 静岡県 - 静岡放送
- 山梨県 - テレビ山梨
- 新潟県 - 新潟総合テレビ
- 福井県 - 福井放送
- 京都府 - 近畿放送(現:KBS京都)
- 兵庫県 - サンテレビ
- 岡山県 - テレビ岡山(現:岡山放送)
- 島根県・鳥取県 - 山陰中央テレビ
- 愛媛県 - テレビ愛媛
- 佐賀県 - サガテレビ
- 長崎県 - 長崎放送
- 沖縄県 - 琉球放送
放送期間など詳細は星の子ポロンまとめWikiを参照。
近年の動向
「その1」~「その7」から5年ぶりと言う久しぶりの「その8」「その9」「その10」の発掘を経て大量発掘へ至った星の子ポロン。
しかし、製作会社であるナックが現役の「チャージマン研!」等と異なり、「ポロン」は時報映画社の消息が不明、権利関係も不明という有様で、メディア等で大きく取り上げられる事は無かった。
そんな中、2016年12月、ガジェット通信の『アニメ流行語大賞2016』の上位25個のワードに「バイバイバナナ」がノミネートすると言う異様な事態に至った。ポロニストによる組織票熱心な投票の結果、得票数1位を獲得。この結果を受けて、アニメ流行語大賞としては異例の特別賞「組織の力賞」を受賞した。
さらに2017年5月に発表されたNHKの『ベスト・アニメ100』ではなんと総合38位にランクイン(男性票では13位、70年代では3位)。ネット投票による結果、BSプレミアムでの特番放送で名前が紹介され、総合99位の「ガンとゴン」と共に数ある名作の中で一際異彩を放つこととなった。なお、この2作はNHKを以てしても権利者を見つけることができなかったらしく、画像も映像もなしで紹介されるという異例の事態となった。
2018年10月にはNHK-FM『アニソン・アカデミー』の企画「アニソンランキング部」で、本作のOP曲『Boys and Girls』が1970年~1974年のアニソンランキングの1位に輝いた。
また、2015年3月にはネットタレントのドグマ風見氏がポロン役の声優・野沢雅子氏に接触、野沢氏の記憶の底からポロンを引き出すことに成功した。(リンク先)
2018年3月にはニコニコ生放送内で、遂にポロンの作画スタッフの一人と接触できた事が報告された。声優を除く作品に直接携わった関係者とファンが交流できたのはこれが初とされる。(リンク先)
2020年5月、実に4年ぶりとなる本編映像の発掘が発表された。これに伴い、ニコニコミュニティで放送される未公開エピソード付き生放送が暫定的に復活。(リンク先)
さらに2022年1月には、テレビ局向けの広告用フライヤーが発掘された。コレにより、様々な新情報が明らかになったので、気になった方はぜひ見ていただきたい
。
ナック製TVアニメ『チャージマン研!』との関係性
本作と『チャージマン研!』は本来は直接的な繋がりは全く無かったのだが、なぜかネット上では一緒くたに扱われたり、双方のMADにゲスト出演させられたりすることが多い。
その元凶は、星の子ポロン本編投稿からわずか一ヶ月で投稿されたチャー研×ポロンの手描き動画『星の子ジュラルん』(再うp
)である。この動画の影響で、チャー研の作品ファン(チャーケニスト)にその存在と内容が大きく知られる事となった。
これをきっかけとして、様々なチャー研MADでも『星の子ポロン』の映像やキャラクターが(ネタ的な意味で)度々使われる事態となり、チャー研MADにおいて他のナックアニメ(『透明少年探偵アキラ』など)と近い扱いを受けることとなった。この名残で本作のファン層にはチャーケニストが多く、今でも関連動画にチャー研語録が使われることがある。
関連動画
二次創作動画などは「ポロンMAD」「星の子ポロンアニメ化計画」の記事なども参照。
また、ポロンのMAD素材等は「ポロンMAD」の記事にリンクがあるため参考にしよう。
本編
後述する通り本作の映像は有志が録画した物しか現段階では見つかっておらず、さらに言えば製作会社がとっくの昔に閉鎖してしまったため権利不明の作品となってしまっている。
さらに資料による全話数の半分もしくはそれに満たない話数しか発掘されていないため、現段階で全話を視聴するのはほぼ不可能となっている。それでも、2016年の中頃に始まった映像の大量発掘によって現在では昔とは比べ物にならない程の量が視聴可能となっている。
初心者は、人気・傑作エピソードを集めた「傑作選」の視聴を推奨する。発掘済の回を全て見たい場合は、「その1」
から順番に見ても楽しめるし、ニコニコミュニティで有志によって行われた上記の一挙放送(順番はランダム)の動画を見ても良いかもしれない。全話同時に見れば2分半で終わるけどね。
その他
関連コミュニティ
遂に大量の録画が発見され、2016年6月から2017年8月まで毎週土曜に新作が約1本ずつ、ニコ生とニコ動にて同時公開されていた。
現在は不定期の本編・MAD放送や、その他関連する放送が行われている。放送の数日前にはコミュニティにお知らせが載るため、興味があれば確認するといいだろう。
関連商品
今のところ発売中のメディアはなく、それどころかフィルム自体が現存するのかもまったく不明である。(ナック以下?)
現在ニコニコ動画にアップロードされている映像は、テレビ放送時に録画されたものがソース元となっている。いまだに全話発掘されていないので作品や映像に関する情報提供求む!
関連立体
関連項目
- アストロガンガン
- ガンとゴン
- ゼンちゃんツーちゃん
以下は関わりの深い他社の作品 - チャージマン研!
- のら犬ペスの冒険
- サル太郎はとびださない!
- スーパーバード星から来たワトゥー
- あいうえおアニメ
- カイカク君
関連リンク
- 星の子ポロンまとめWiki
- 星の子ポロン関連調査記事など
- ポロンちゃんをみんな見てねーー!!! - 芋になりたいpotatorium
- ありがとう星の子ポロン - 原子おはじき(藤子不二雄作品関連について語るブログ)
- 衝撃展開しかなかった伝説のカルトアニメ3選
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