勝「誰だろあの人?」
真紀「・・・マシンマンじゃないかしら?」
勝「えっ、マシンマン?」
真紀「だって、すっごいマシンに乗ってきたでしょ?だから、マシンマン!」
第1話より
『星雲仮面マシンマン』とは、東映製作の特撮作品、及びそれに登場するヒーローの名前である。1984年1月13日から同年9月28日にかけて全36話が日本テレビ系にて放送された。[1]
概要
原作は石ノ森章太郎。しかしマシンロボの発展形としての玩具企画が先行したこともあり、マシンマンなどのデザインはバンダイ側によるもので、石ノ森側が担当したのは各種設定面に止まっている。音楽には『ルパン三世』で有名なジャズピアニストの大野雄二が起用されている。
本作のヒーローは防衛組織の一員でも悲劇の改造人間でも宿命を背負った戦士でもなく、卒論を書くために宇宙から来た大学生である。また敵側の目的も世界征服などではなく、基本的に子供をいじめるだけという一風変わった組織であり、これらは本作の大きな特徴である。
また、中盤より登場したおハガキコーナーも本作の特徴の一つ。毎回の事件解決後、宇宙船に戻った健が視聴者から届いた手紙に返事をするという体裁で、マシンドルフィンの視界や食べ物の好みなど様々な疑問に答えた。
一風変わった設定のヒーローと悪の組織、どことなく感じられる低予算感などから、翌年に放送された『兄弟拳バイクロッサー』と合わせて語られることもある。実際玩具展開的にはバイクロッサーはマシンマンの後継作品にあたる。
ゲーム作品にはコンパチヒーローシリーズの『スーパーヒーロー作戦 ダイダルの野望』と『特撮冒険活劇 スーパーヒーロー烈伝』に登場している。
あらすじ
ある夜、東京のビル街が謎の鉄人に破壊された。同じ頃、太陽系外宇宙から飛来した宇宙船が湖の中に姿を消した。 宇宙船でやって来たのは、プレアデス星団アイビー星人のニック。地球での名を高瀬健という彼は、大学の卒業論文を書くために地球を訪れたのだ。
標本として地球人の女性・葉山真紀と接する内に、彼はプロフェッサーKの率いる犯罪組織テンタクルが起こした事件に遭遇。真紀とその弟・勝が襲われているところを強化服・ウォーリアスーツを纏って救う。真紀によってマシンマンと名付けられた彼は、真紀を守るために地球に留まることを決意するのだった。
登場人物
- 高瀬健 (演:佐久田脩)
- プレアデス星団アイビー星からやって来た大学生で、本名はニック。地球には「太陽系の惑星群」をテーマにした卒業論文をまとめるために訪れた。標本として接触した女性・葉山真紀をテンタクルの魔手から救うことになり、以後彼女を守るため、本来の滞在日数である7日間を大幅に延長して地球に留まることになった。
- 身体能力は人間離れしており、ウォーリアスーツを身に纏わずとも遠くの悲鳴をキャッチする聴覚や水面を走る脚力などを発揮する。視力もよく(透視能力まで使える)、眼鏡は伊達である。
- ボールボーイ (声:曽我町子)
- ニックのパートナーであるボール型の小型ロボット。外見を一言で言えば「目のある野球ボール」で、手足を収納すると名前通りボール状になる。飛行能力に加え各種センサーを内蔵しており、ニックをサポートする。
- 葉山真紀 (演:塚田聖見)
- 週刊ヒット社の女性カメラマン。好奇心旺盛ゆえによく事件に巻き込まれる。愛車はスズキ・マイティボーイ。マシンマンの名付け親。
- 葉山勝 (演:大原和彦)
- 真紀の弟の小学4年生。テンタクルやオクトパスのメインターゲットである子供であるため、頻繁に事件に巻き込まれる。
- 編集長 (演:江藤漢)
- 週刊ヒット社の編集長。いつも真紀に特ダネをとってこいとどやしつけている。
- ルミ子 (演:村越裕子)
- 週刊ヒット社編集部の真紀の後輩。いつも編集長にお茶くみについて文句を言われている。
- 亀太 (演:小野寺丈)
- 通称亀ちゃん。真紀に惚れている八百屋のお兄さんで、ダンボール製スーツを来てマシンマンに扮したことも。
- ナレーター (声:小林修)
- 「やぁやぁ、どうだった?」などと視聴者にフレンドリーに語りかけてくる。
テンタクル
プロフェッサーKが率いる犯罪組織。世界の軍隊を相手にしても引けを取らない科学力を持ちながら、ドンであるプロフェッサーKが子供アレルギーであるために子供を悲しませるためにしか行動しない。
- プロフェッサーK (演:天本英世)
- テンタクルのドンである狂気の天才科学者。子供アレルギーであり、子供を見るとクシャミが止まらなくなる。それ故、自らの優れた頭脳を子供たちを悲しませるために使う。悪の首領であることはテンタクル外には知られておらず、白昼堂々と外出していることも多い。中盤で傷ついた心を癒すためにスペインへ渡るが、これは演じる天本英世の毎年恒例のスペイン旅行がスケジュールと重なったためであるという。
- 鉄人モンス (声:西尾徳)
- テンタクルの最高幹部であるロボットで、ビルを倒壊させるほどの怪力を持っている。Kの忠実な部下だが、テンタクルの科学力を世界征服でなく子供いじめにのみ使うことには不満を持っている。
- メカオウム (声:太地琴恵)
- オウム型のロボット。プロフェッサーKやレディーMに助言を与えることもある。
- アンドロイド兵士
- テンタクルの主戦力。人間に変装して作戦を遂行し、戦闘の際に正体を現す。頭部や身体は同じ形状で、武器となる片腕のみが個体ごとに異なる。名称は武器の名前を取って「○○男」。
- 犯罪者たち
- 騙されたり雇われるなどしてテンタクルに加担する犯罪者たち。マシンマンのカタルシスウェーブによって改心する。
オクトパス
プロフェッサーKの姪、レディーMがテンタクルの後を引き継いで結成した犯罪組織。主な目的はテンタクルと同じく子供いじめだが、宝石や美術品などを奪うこともある。当初はレディーMの知人である犯罪者と手を組んで作戦を行っていたが、プロフェッサーKがアンドロイド兵士を送ってきてからはテンタクル同様にアンドロイド兵士も使役するようになった。
- レディーM (演:湖条千秋)
- スペインから来日したプロフェッサーKの姪。Kと同じく子供が苦手で、子供の笑顔を見ると鼻が赤くなる。親交のある犯罪者やアンドロイド兵士を使って事件を起こす。
- トンチンカン (演:大島宇三郎)
- 「ミスタートンチンカン」とも呼ばれるレディーMの部下で、スキンヘッドの大男。石頭と怪力、イヤリング型爆弾などを駆使して戦う。
- 犯罪者たち
- レディーMによって呼びつけられた犯罪者たち。怪盗や海賊など元から悪事を働いていた者が増え、中には生身の人間ながらマシンマンを追い詰める強豪も。
星雲仮面マシンマン
健がマシンドルフィンの中でイクシードコンバート(超転換)し、ウォーリアスーツを身に纏った姿。本来特に名前などは無かったが、真紀がマシンマンと呼んだことをボールボーイから又聞きしたニックがそれを気に入り、以後「星雲仮面マシンマン」と名乗るようになった。
高瀬健としてのニックはとぼけた3枚目であるが、マシンマンとしての彼は強く優しく格好いいスーパーヒーローであり、そのギャップもマシンマンの魅力の一つである。
装備・技
- ウォーリアスーツ
- アイビー星人の身体能力を更に強化するためのスーツ。太陽のように頭頂部が赤い仮面は口から下の部分が無く、マシンマン=健の表情や感情を見て取ることができる。特徴の一つでもある透明なマントはアクションの際やドルフィン搭乗時には外される。イクシードコンバート(超転換)はドルフィンの中で行われるが、走りながらマシンマンになるシーンも存在する。
- ワープスロットル
- ドルフィンを呼ぶ際に用いられるアイテム。戦闘時には銃形態のスロットルガンに変形し、攻撃の他に牽引などにも用いられる。
- 余談だが、『激走戦隊カーレンジャー』に登場するシグナルマンのアイテム「シグナイザー」が三段変形という違いはあるものの、ワープスロットルに酷似している。
- レーザーサーベル
- ナックルガードのある細身の剣。
- ファイティングボール
- ボールボーイを敵に投げつける技。
- マシンバリヤー
- レーザーサーベルによって張られるバリヤー。襲われる子供達を守るためなどに使われる。
- サーチライトビーム
- 透視能力。「シースルー」という同様の能力がある。
- イクシードパンチ
- 両手を重ねた後に放つエネルギー弾。
- マシンサンダー
- 電撃を集めたレーザーサーベルで敵を切り裂く必殺技。三回斬りつける、Z字に斬りつける、M字に斬りつけるなど複数のパターンがある。アンドロイドに対してはZ字、人間に対してはM字が主に使われた。
- カタルシスウェーブ
- 掌から放たれる光線。人間の悪い心を善に変える作用がある、マシンマン最大の特徴とも言える技。
マシン
- ドルフィン
- 「マシンマン」という名前の由来でもあるスーパーマシン。時速400kmの地上走行形態"マシンドルフィン"と、マッハ3.4で飛行する飛行形態"ドルフィンジェット"の二つの形態を持つ(当時発売されたポピニカ版ではさらにロボット形態"ドルフィンロボ"に変形する)。ワープスロットルからの信号で健のもとへ電送されてくる。
- スペースコロニー
- 健が乗ってきた宇宙船。日本のとある湖の底に着陸し、健の家代わりとなっている。
- オートバイ
- 健が普段私用しているスズキ・カタナに酷似したオートバイ。アイビー星から持ってきたものらしい。
主題歌
オープニング「星雲仮面マシンマン」
作詞:石ノ森章太郎 / 作曲・編曲:大野雄二 / 歌:MoJo、コロムビアゆりかご会
エンディング「俺の名はマシンマン」
作詞:八手三郎 / 作曲・編曲:大野雄二 / 歌:MoJo
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関連項目
脚注
- *日テレは制作にある程度関与はしているが、戦隊やメタルヒーローなどのテレ朝や昭和ライダーなどのMBSのように内容にまでタッチしていないため、東映の単独クレジットとなっている。また、日テレはアニメなどの子供番組に原則自社クレジットを表示させなかった事情もある。次番組のバイクロッサーも同様。
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