春場ねぎ(はるば ねぎ)とは、日本の漫画家である。代表作は『五等分の花嫁』。
概要
1991年7月27日生まれ。愛知県出身。トライデントデザイン専門学校マンガ学科卒業。
専門学校在学中だった2012年に、学校に特別講師として訪れた週刊少年マガジン編集者に、描いてたネームが気に入られ、講談社主催の「第89回週刊少年マガジン新人漫画賞」に提出しようと進言される。その後改めて作画を入れた『カワードクロスワールド』は入選、翌年同作品が「マガジンSPECIAL」に掲載される。卒業後、マガジン編集に誘われる形で上京。2014年には、『裏世界コミュニケーション』で「第21回電撃コミック大賞」の金賞を受賞。同年「週刊少年マガジン」において初の連載作品となる『煉獄のカルマ』(原作:廣瀬俊)の連載をスタートさせ、漫画家としてのキャリアを歩む。
保育園の頃からポケットモンスターなどの絵を描いており、小学校の頃には周りから絵がうまいという評判だったこともあって漫画家になることを考えていた。漫画家の世界の厳しさを知り、一度は諦めていたが、高校1年生のとき、友人が作った漫画を読んで刺激を受けたことをきっかけに漫画家を目指すようになった。同じ頃『神のみぞ知るセカイ』の若木民喜のブログ愛読者でもあり、漫画家としての仕事のリアルや楽しさ、実態を感じ取り完全に方向性が固まったと述べている。
小~中学生時代、ジャンプ愛読者であった頃に友人が間違えて2冊買った物を譲ってもらった赤松健の『魔法先生ネギま!』の影響を大きく受けており、現在のペンネームも同作品の主人公であるネギ・スプリングフィールドの名前から付けたことを明らかにしている。また、煉獄のカルマ連載前に藤村緋二のアシスタントを務めていた。『神さまの言うとおり』完結の際には記念イラストを贈呈している。
2017年読切作品として発表したときの読者アンケートの結果を受けて『五等分の花嫁』の連載がスタート。同作品は2021年1月現在で単行本の累計発行部数が既刊14巻にして1460万部を突破するほどの大ヒット作となり、漫画家として一躍注目されるようになる。2019年5月には「第43回講談社漫画賞」の少年部門を受賞。また、同作品は連載から1年が経過しないうちにテレビアニメ化がされ、2021年1月からテレビアニメ第2期が放送。
2021年2月3日発売の『週刊少年マガジン』10号において『戦隊大失格』の連載がスタート。五等分の花嫁の連載終了後に「ラブコメのストックは使い果たした」と語ったとおり、今度は戦隊アクションものを描くこととなった。
2015年11月にツイッター上で結婚を報告している。『五等分の花嫁』連載中に一児の父となった。
作風
マンガを描くときは、マンガ制作ソフトである「ComicStudio」を愛用している(『五等分の花嫁』連載終了後からは、連載中の課題であった作画のスピードアップを目指し「CLIP STUDIO PAINT」を練習している)。本格的に絵を描くようになった高校1年生の頃からずっとデジタルで描いており、逆に最初からデジタルで絵を描いていたためアナログで描くときは緊張するらしい。デジタル使いながら線を使った陰影の技法に優れており、アナログ絵でもその技術が遺憾なく発揮される。
高校時代は『フェアリーテイル』『灼眼のシャナ』に代表される能力バトルものを志向していたが、能力バトルものでは思うように想像を広げることができず、そんな折、恋愛がテーマなら身近だし想像しやすいと考えたことから『五等分の花嫁』のようなラブコメものを志向するようになった。
キャラクターを考える際は、好きになったキャラクターを全てリストアップし、そのキャラクターたちの個性を組み合わせたりすることで、新しいキャラクターを作っている。『五等分の花嫁』のヒロインたちも、たくさんのキャラクターたちの個性が組み合わされて生まれたとのこと。
また、「画面の大きさ」を自由に変えることで印象の強弱を操っており、強調したいシーンでは大きく見開きを使うことが多い。そのシーンをどのような「構図」で切り取るかなど「読者が一番可愛い・カッコいいと思ってくれる画面作り」を重要視している。
長編の構成を考える際「アニメ化を強く意識して描いてる」らしく、『五等分の花嫁』で例を挙げるならば、4巻1クールとして作れるように区切り良い山場を設定し、その中で視聴者へのサービスの意味を込め入浴シーンや水着のシーンを1回入れる、等である。8巻までも1クールで作れるように同様の手法を取っている。
単行本にした際の引きの強さを意識し巻末の殆どはクライマックスになるように長編を調整したり、脚本を組み立てる上でのエンターテイメント性にも注力している。
また『五等分の花嫁』では、ラブコメ作品ながらミステリー小説のようなテイストで物語を作り、主人公のモノローグを削り信頼できない語り手に仕立て上げたり、結末に至るまでに細かく伏線を張り巡らせたり、昔の文学作品で見られたようなあえて読者に答えを委ねるような斬新な手法を取り入れている。
その他
- 尊敬する漫画家に大暮維人の名前を挙げている。あの繊細かつダイナミックな絵を目指していると公言している。大暮氏とはコミカライズ版『化物語』のコンペで競い合ってた事を明かし、負けた事に関しては「結果的にこれで良かった」と述べている。「第43回講談社漫画賞」の審査員は尊敬する赤松健・大暮維人の両名が参加しており、両氏からは「ハーレムラブコメの最終完成版」「主人公のキャラが秀逸」と絶賛されている。
- 藤村緋二のアシスタントを務めている時、毎週送られる原作・金城宗幸の『神さまの言うとおり』のネームを楽しみに読んでいたと言う。それ以来金城氏のファンになったそうで、現在マガジンで連載しているサッカー漫画『ブルーロック』を連載陣の中では特に一推ししている。同作品とは漫画の特典でコラボイラストを描いている。
- 『ぼくたちは勉強ができない』の作者・筒井大志はデビュー前からの飲み友達で、Twitter上でもよく交流を交わしている。「ぼく勉」と「ごとよめ」は共通項がいくつかあり、掲載時期的に偶然の産物ではあるが、両氏が酒の場でネタなどを交わし合った結果、偶然にも似た時期に採用されたのではないかと言われている。
- 可愛らしいキャラクターや美麗なイラストに目が行きがちだが、在学中の出来事でもある通り非常に優れたネーム構成・演出力の持ち主である。同業者『彼女、お借りします』の宮島玲史曰く、「ラブコメ漫画の人(のそれ)じゃない」「あれを(作画と合わせて)一週間で描きあげられる自信がない」とゲストとして招待された生放送で驚嘆されている。
- 昔は女の子を描くのが苦手だったらしい。友だちにそれを指摘され、一生懸命努力を重ねた結果今のキャラデザインに繋がっている。
- 中学生の頃はソフトテニス部だった。当時爆発的に流行していた『テニスの王子様』の影響である。
- 有数の巨乳好きで知られている。「ハーレムなら一人くらい貧乳を入れた方が良いのでは?」との質問に「見送らせていただきました。これには理由があって僕がそうした方が良いと思ったからです」と断固拒否している。後に「巨乳は見てても描いてても楽しい」と述べおっぱい星人っぷりを披露している。そんな性癖であるにも関わらず、作中の乳を強調したイベントはラブコメ作品として考えると驚くほど少ない。
- 本人曰く、「メインヒロインの下着姿は格が落ちるから描かない」という宗教に入っている(これ自体はラブコメでやってる漫画家は少なくない)。この宗教は連載前の読み切りでも徹底している。フィギュアが作られる際監修したが、嬉しい反面下着が覗ける恰好であるのが苦しいとか。当然アニメを作る際、制作に五つ子のパンチラNGを出している。その為上記の件も合わせ、五等分の花嫁を読んでみると前印象と打って変わってラブコメ作品としては驚くほどエッチなイベントや演出が少ない。ただし序盤だけ、打ち切りが不安で一回下着姿を描いた事があると明かした。
- pixivに自身の個人アカウントを持っており、五等分花嫁カラー絵等も全て閲覧出来るようになっている。このアカウントは高校時代から使い続けている物をそのまま使用しており、素人時代から10年以上どれだけ絵に進歩があったのか眺められるようになっている。
- ニコニコ動画ではデビューする以前「幻想入りシリーズ」の動画を上げていた。現在では動画は非公開となっているがアカウントは生きている。Twitter上でもたまにニコニコのネタが出る程度には元ニコ厨である。
- 著名人の中でも有数の東方信者としても有名。また同時にフラン信者でもある。上記の動画もフラン関係の動画であった。公認二次創作ゲーム「東方ダンマクカグラ」で依頼された際は当然のようにフランの絵を寄稿した。
- 在学中にマガジン編集に目を付けられ誘われるままに漫画家となった為、漫画家としては漫画の持ち込みをした事が無いという非常に珍しい経歴を持つ。これに関しては「用意してもらったレールに乗せて貰えて幸運だった」と感謝を述べている。その為か、今でも講談社を訪れると慣れてなく緊張するらしい。
作品
連載
- 煉獄のカルマ(週刊少年マガジン、2014年47号~2015年35号)
- 五等分の花嫁(週刊少年マガジン、2017年36・37合併号~2020年12号)
- 戦隊大失格(週刊少年マガジン、2021年10号~)
読み切り
- カワードクロスワールド(マガジンSPECIAL、2013年4号)
- 裏世界コミュニケーション(月刊コミック電撃大王、2014年9月号)
- ヴァンパイアキラー(週刊少年マガジン、2016年2・3合併号)
- 五等分の花嫁(週刊少年マガジン、2017年8号)
その他
関連動画
関連静画
関連チャンネル
関連項目
関連リンク
- 春場ねぎ|Twitter
- 五等分の花嫁|漫画公式Twitter
- 【作画動画】新連載‼『五等分の花嫁』 春場ねぎ先生(YouTube)
- 『五等分の花嫁』作者 春場ねぎ先生の作画現場に突撃取材!(YouTube)
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