時天空とは
1. 時天空慶晃 モンゴル出身の日本で活躍する力士である。ときてんくう よしあき と読む。当該記事参照。
2. 石川賢の漫画『真説 魔獣戦線』のラスボスである。じてんくう と読む。
ここでは、2の項目について説明する。
概要
時天空は宇宙の外に広がる無限の存在であり、作中ではまるでビッグクランチの様に空間を浸食し同化していくことを見せている。見た目の一部の描写は機械的であるが、全貌やその能力、目的は明白にされることはなかった。
宇宙を作り出した者達(作中では「われわれ」と形容され、肉体は持たず意識体であることが明かされている。主人公 来留間慎一は「神」と呼んでいた。)は宇宙を守る為に時天空と永劫の時の戦いを繰り広げているが、全ての攻撃は通用せず、遂には最終手段であるビッグバンでの攻撃を敢行した。
ビッグバンは時天空の無限の一部を崩壊させる事に成功したが、時間が経てばその効力も弱まり再び浸食が開始される。自身を「われわれ」と形容した者達は攻撃を仕掛け続ける者、ガス体に身を潜め次の攻撃の準備をする者、意識が続く限り時天空の核を探そうとする者、そして、新たに誕生した宇宙の中で分子構造体を組み合わせ、敵を倒すことのできる生物体を創り出そうとする者に分かれた。
その神の創った生物体達の世界こそが、遺伝子を組み合わせ、おのれら同士が喰い合い戦闘的に進化していく魔獣戦線の世界である事が、物語の終盤で明かされている。生物体が戦いの末、滅んでしまった場合に神は敵に対抗しうる者が誕生するまで、リセットし同じ様に何度も宇宙に新生物を誕生させる。
神と同化した天外真理阿以外はそれまで、その真実を知る由は無かったが、慎一だけは「天地創造。人間の存在自体、都合がよすぎやしないか?」「肉体は、ただ刺激を求めるためだけに、存在している」全ては虚空であって可笑しくないだけに、人が肉体という殻を持つことに疑問を投げかけていた。
それだけに神の記憶を見せられ、『同胞で喰い合い、進化し時天空を攻撃するだけの原始的な武器』という宿命を知った時には慎一だけでは無く、それまで敵対関係であった慎一の父・来留間源三もショックを隠せずにいた。虚空ではなく肉体を持つからこそ慎一は吸収・同化・進化を行い、兵器としてより強力になっていく。
物語の原理は時天空と神々達との戦いにより始まり、人の衝動や出来事はその因果によって、起こるべくして、起きてしまった事だったのだ。
また、ビッグバンにより、宇宙の内側に入ってきた時天空の破片は長い時をかけ再生していた。真理阿達が神に接触したことを感知すると、抹殺する為に凄まじいスピードで地球へと向かっていく。破片ではあるが星の数十倍以上の大きさを持ち、進行するだけで、いくつもの星を吹き飛ばしている。
他作品との関連性
真説 魔獣戦線での時天空の描写は、他の石川賢作品と関連性を見る事が出来る。
上記の宇宙の中で、神が創ろうとした他の進化する生物体に対して『星々を喰う魔物が、生まれてもいい!!』『宇宙を消滅させる、機械のバケモノでもいい!』と台詞がある。一部のファン達の間では前者が虚無戦記のラ=グース。後者がゲッターロボ・サーガのゲッターエンペラーだと予想されていた。公式では無く作中では、あくまでほんの示唆する程度に留まっているが、作品ベクトルに類似点は多い。
魔獣戦線の神々は『大いなる意志』と呼ばれるものと関連性を持っており、宇宙が時天空に飲み込まれれば、その意志も同化されてしまうので、守ろうとしていた。ゲッターサーガでも同様のキーワードが出てきており、ゲッターエンペラーを中心とする未来のゲッター軍団は宇宙規模のテロを起こし、戦いながら進化し続けている。軍団の一人である名も無きゲッターロボのパイロットはその戦争を「大いなる意志の戦い」と称し、それ無くして宇宙にゲッターが存在する意味がないと話す。なぜ宇宙の生物同士で殺し合い、進化していくのかは「これしか、道はない」と巴武蔵によって語られている。
一方で進化の究極と呼ばれるラ=グースも神と同じように意識体であり、(ラ=グース自体も神と呼ばれることがある)宇宙創世を行なっている。これ以上進化することがないと虚無戦記作中で語られたが、成長期に入るなど、依然巨大になり続けている。
各物語が進展すれば、何かしら判明したことがあったかもしれないが、作者の石川賢氏が亡くなられてしまい、続きが描かれることは無くなってしまった。
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関連項目
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