今は読むな。今この記事を読むのは時期が悪い。
一般的にHDDやパソコン本体、一部家電製品などの1年を通じて値段の振れ幅が大きいもの
またスマートフォンなどの新製品の動向が常に業界の行方を左右するもの
これらの商品に対する消費者の間で交わされる常套句である。
前者においては需要と供給の基本的な関係のみならず、円高等の経済事情、工場がある製造先の国の政治事情等々一概には見通せない要素が複雑に絡んできており、思わぬ展開から値段が急下落することも急上昇することもありうる世界である。
そのため例え値段が下がってきていても「まだ値は下がるから今買うのは時期が悪い」、逆にじわじわと値上がりしていても「○○みたいなこともあるからこれから値は下がる、今買うのは時期が悪い」等の会話がアナリストの間では常に交わされている。
底値や妥協点を見つけて、いかに自分にとって有利な買い物をできるかどうかがポイントであろう。
後者においては当時新作だったスマホのモデルを買ったら1週間後にメーカーから新型モデルの発売が発表されたよ・・・といった悲劇を避けたい人、またいち早く新機能を試してみたい人たちの間で、旧型発売から時間が経ち新型の噂がたつようになると盛んに「今買うのは時期が悪い」と発せられるようになる。
基本的に日本の携帯会社は各季節ごとに新型モデルの発表会みたいなものを開いてくれるため見通しはつくが、ここみたいなところは唐突に発表することもあるので、事前のマスコミの報道と合わせた予測が重要になってくる。
ただ別に新型に拘らない人や、新型発売直前の旧型の安売りを狙う人たちにとっては関係のない話であり(逆に新型発表までの期間が“時期が悪い”ことになる)前者と比べるとあまり使う人が少ないのが現状である。
今は書くな。今用例を書くのは時期が悪い。
- 用例1
A「外付けHDD1万切ってるんだけど今買ったほうがいい?」
B「もう少ししたら夢の5000円台もありうる、今買うのは時期が悪い」 - 用例2
A「iPhone4S買ってきたwwwこれで俺も情強www」
B「情弱乙、もう少ししたら5が発表されるっていうのに時期が悪すぎなんだよ」
※実体験です - 用例3
(エコノミーモード時間帯)
一般会員「この動画見たかったんだよなあ」
ニコニコ「時期が悪い」 - 用例4
A「じゃあいつ買えばいいんだよ」
B「時期が(ry」
今は見るな。今関連動画を見るのは時期が悪い。
今は買うな。今関連商品を買うのは時期が悪い。
時期が悪いと連呼しすぎた結果・・・
2011年、タイで起こった大規模な洪水被害によりタイに進出していた日系企業を始めとした工場が大打撃を受ける事態が起こった。
またタイは世界第2位のHDD生産国であり、メーカー大手のWestern DigitalやSeagate、部品供給元の日本電産等も多く進出しており、それらのメーカーの工場がことごとくダメージを負ったことによりHDD価格の大高騰が起こってしまう。
特に“2TB5000円台いくんじゃないか”とも騒がれるほどバブルともいえるHDD価格の値下げに湧いてた業界や消費者にとってこの予想外ともいえる出来事の衝撃はあまりにも大きく、そして散々時期が悪いと連呼し購入を躊躇ってた人たちにとっては発狂ものの悲劇となってしまった。
また最近では、パソコンのメモリに関しても、円安、工場爆発、在庫減少などが重なり、製品によって差があるとはいえ、一年のうちに5倍程度の値段になってしまった。
ちなみにHDDに関しては2013年現在ようやく洪水の影響も収まり、洪水前とまではいかないまでも価格は回復してきている。
ただいつまた第二の悲劇が起きるとも限らないので安く抑えたい人は常に業界の動向を注視する必要性がある。
関連ニュース
関連項目
- 6
- 0pt