時砂の王(ときすなのおう)とは、日本のSF小説である。小川一水著。
概要
2007年10月に刊行された、小川一水の小説作品。同氏の代表作品の1つ。
ハヤカワ文庫JAより発売中。
小川一水の作品としては初の、時間旅行を題材としたSF作品。「ターミネーター」のように未来からエージェントを過去の世界へ送り込み未来を守る、という人類と侵略者の時空を超えた戦いが展開されるが、本作の特徴は「ターミネーター的ストーリーを文明単位で繰り広げていること」、そして「戦いの過程で無数に枝分かれした並行世界、及びタイムパラドックスの描写が縦横無尽に広がっていく」事でストーリーに更なる深みを与えている事にあるため、時間旅行やタイムパラドックスを扱った他の作品には無い独特の面白さがある。
これは本来、別タイトルの本に収録される中篇のはずだったんですが、書いているうち妙に勢いがついて、とても中篇では済まない量に膨張してしまったものです。結果、一冊の本になりました。
出典:小川一水のブログ
より
また短編集『フリーランチの時代』には、スピンオフ短編「アルワラの潮の音」が収録されている。
ストーリー
現代よりも遥か未来・26世紀の地球。
どこからやって来たのかもわからない謎の侵略者・ETによって地球が壊滅させられ人類が絶滅寸前まで追い詰められた世界。(ETは「Extra Terrestrial」の略称だが、後に「Enemy of Terra」とも呼ばれている)
その世界で、オーヴィルは人類を守るべく戦うための人造人間メッセンジャーとして創られ、誕生した。
オーヴィルの生まれた時間枝の世界は「未来からの援軍が来ない」事で近々滅亡する事が確定した世界。加えてオーヴィル達メッセンジャーは、ETを殲滅しても戦いに生き延びても、そしてその果てに人類が滅亡しない未来を勝ち取ったとしても歴史改変の影響を受け元いた世界へは二度と帰れない。
そんな中、「どんな事をしてでも人類を救え」という命令を遂行するために、幾重にも分岐していく時間枝(=パラレルワールド)やそれらの世界が滅びていく哀しみを背負いながら人類が滅びない歴史を辿る一本の時間枝を守るために孤独な旅を続け戦い続けるオーヴィルと、その彼が「使いの王」として訪れた全人類史の存亡を賭けた最終防衛線たる時代、古代邪馬台国の若き女王・卑弥呼のストーリーを描く。
ETは何のために人類を滅ぼそうとするのか?
オーヴィル達は過去へ遡るETと戦い続け、終わりの見えない戦いに疲弊しながら最後はどこへ行くのか?
そしてオーヴィルと共に戦うことになった卑弥呼は、邪馬台国と自らの住む時間枝をETから守れるのか?
関連動画
関連項目へまた、いつか。
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