暴れん坊天狗とは、1990年に発売されたファミコン用の横スクロール型シューティングゲームである。
ライブプランニング(後にKAZeに社名変更)が開発し、メルダックから発売された。
概要
どことなく卑猥なタイトルに奇想天外で破天荒なストーリー、洗脳ビデオのような奇怪なエンディングとネタ要素満載のカオスなゲームため、一般にはバカゲー、ひどい場合はクソゲーとして語られ有名である。
キャッチコピーは『エキサイテング』らしい。
上記のように間違ったゲームの方向性とは裏腹に、実際プレイしてみると意外なほどに面白い。
妙に撃たれ強い天狗(自機)が猛烈な勢いで目玉と唾液を発射しながらアメリカニューヨークのビル街を颯爽と破壊しながら進んでいく様子はまさに爽快の一言に尽きる。
グラフィック、サウンドともに良質であり、ゲームとしても爽快で面白く作品としての質は高い。特に音楽面では中潟憲雄が手がけており非常に評価が高い。キャッチコピーの通り、まさにエキサイティングなゲームである。
ゲームとしては面白いながらも、あまりカオスでネタ要素が多すぎるといった点でバカゲー、クソゲー扱いを受けるという可哀想なゲームである一方、ファミ通で「変なゲーム」と紹介されるなどバカゲーとしての魅力を売りにすることで別の意味で熱狂的なファンを持つゲームでもある。無念。
2021年10月28日にNintendo Switchに海外版『Zombie Nation(ゾンビ ネイション)』とのカップリング移植で発売。販売は前年に『星をみるひと』をSwitchに移植したことで話題になったシティコネクションが担当。尚、星をみるひとの発売後、このゲームのオープニングに登場する井戸をティザーサイトに表示し、次回作を暗示していた。
ストーリー
暴れん坊天狗
199X年、アメリカ合衆国に正体不明の凶星が接近。凶星は本土に近づくにつれ『ダークシード』なる邪悪な地球外生命体へと姿を変える。ダークシードが発する妖気により人々は心を奪われ亡者と化し、無事だった人々も捕えられ監視下に置かれる事となった。
自由を願うアメリカの人々の祈りが海を越え日本の天狗の下に届く。天狗は霊力により巨大な天狗の面を作り出し、アメリカ本土へ飛ばしたのであった…
Zombie Nations
1999年、アメリカ合衆国のネバダ州へと隕石に擬態した『ダルクシード』なる邪悪なエイリアンが飛来。ダルクシードは奇妙な磁力光線を放つことで国民をゾンビ化させ、巨大な像に命を吹き込み、凶悪な兵器を操り始めた。その兵器の中で最も強力であったのは、伝説の侍の刀『修羅』だった。
『修羅』が悪の手に落ちたことを察知した侍の総大将『ナマクビ』は、刀を取り戻しダルクシードを討ち取るべくアメリカに向かうのであった…
天狗(生首)が街や地形を破壊しまくったり、パワーアップ方法である民間人の救出が人を捕食しているようにしか見えないなど、どう見ても天狗(生首)がアメリカを侵略しているようにしか見えないが一応ストーリーとしてはアメリカを救う内容になっている。
エンディングもアメリカを全面的にリスペクトしたのか、アップテンポな合衆国国家をBGMに巨大な CONGRATULATIONS! の文字が流れるハイテンションなもの。
豆知識
- 制作初期段階では『実録 怨念の生首』なるタイトルで、首塚から飛び出した侍の生首がアメリカ合衆国に復讐する…というとんでもない内容だった。
- 海外版「Zombie Nation(ゾンビ ネイション)」ではストーリーにある通り、なぜか主人公が天狗から生首に戻された結果、奇妙を通り越して気味の悪いゲームとなっている。他にもゲームバランスの調整が行われていたり、1面ボスである自由の女神のグラフィックが無理やりメデューサに書き換えられているなどの変更点がある。
- 開発担当のライブプランニングは、後にデジタルピンボールで有名になるカゼネット(KAZe Net)の前身である。
- ゲーム発売から23年近く経った2013年6月22日、なんとサウンドトラックが発売された。
- さらにその8年後のSwitch移植版の限定版にはアレンジサントラCDが付属する。
- サウンドトラックならびにSwitch移植版に付属するブックレットにはさらに詳細な開発の裏話が記載されているため、そちらも必見。
関連動画
関連商品
関連項目
- 7
- 0pt