月姫(つきひめ)とは、2000年に同人サークルTYPE-MOON で製作された同人ビジュアルノベル。18禁。シナリオは奈須きのこ、イラストは武内崇。
概要
とある事故により死を『線』としてみることができるようになってしまった少年 遠野志貴がある少女と出会ったことから非現実的な猟奇殺人に巻き込まれていく伝奇ストーリー。
アドベンチャーゲームのスタイルをとっており、選択肢によってルートが分岐する。それぞれのルートではヒロインが交替し、さらに複数のエンディングが用意されている。
奈須きのこの同人伝奇小説『空の境界』(からのきょうかい)と同じ世界観で描かれ、主要キャラについては空の境界のキャラ設定をそのまま横滑りさせている部分もある。
後にファンディスクとして2001年に『歌月十夜』が、2002年以降には別サークル渡辺製作所とのコラボで格闘ゲーム『MELTY BLOOD』シリーズが制作された。
同人ゲーム市場で口コミにより記録的な売上を誇ったが、TYPE-MOON が商業化に伴い、これまでの作品をまとめた「月箱」を最後として同人サークルとしての活動を終了したため、再販が行なわれなくなった。そのため違法コピーが出回り、現在でも中古市場では正規品が高値で取引されている。
2003年、同人作品としては異例ながら、『真月譚 月姫』のタイトルでアニメ化・漫画化がされた。
2005年、『MELTY BLOOD』が『MELTY BLOOD Act Cadenza』のタイトルでアーケードゲーム化され、2008年には『MELTY BLOOD Actress Again』、2010年には『MELTY BLOOD Actress Again Current Code』が稼働した。
2008年4月に、正式に商業リメイクの製作の発表がTYPE-MOONから行われた。
2012年、TYPE-MOONの10周年記念企画として制作された『カーニバル・ファンタズム』のメインの一つとして登場した。この年を境にしてリメイク続報発表までは新しい動きがなくなり、翌年である2013年以降はコミカライズを除くと、既存作品のアップデートや移植、一部キャラクターの『Fate』シリーズへのゲスト出演程度となった。
2020年のTYPE-MOON年末特番のラストにサプライズとしてリメイク版タイトル『月姫 -A piece of blue glass moon-』のPV公開と、2021年夏発売の発表が行われた。対応プラットフォームはNintendo SwitchとPS4。その後、夏に発売されるのは原作5ルートのうち、アルクェイドルートとシエルルートのみが含まれる「前編」であるとアナウンスされた。『月姫 -A piece of blue glass moon-』は2021年8月26日に発売された。
大百科に記事のある登場キャラクター
CVはメルブラ版(2002〜) / 真月譚版(2003) /リメイク版(2021〜)の順
- 遠野志貴(CV:野島健児 / 鈴村健一 / 金本涼輔)
(幼少期)(CV:小林由美子 / 根本圭子 / 藤原夏海) - アルクェイド・ブリュンスタッド(CV:柚木涼香 / 生天目仁美 / 長谷川育美)
- シエル(CV:佐久間紅美 / 折笠富美子 / 本渡楓)
- 遠野秋葉(CV:北都南、ひと美(Re・ACT以降) / 伊藤静 / 下地紫野)
- 翡翠(CV:松来未祐 / かかずゆみ / 市ノ瀬加那)
- 琥珀(CV:高野直子 / 植田佳奈 / 桑原由気)
- 弓塚さつき(CV:南央美 / 田中かほり / 田中美海)
- 遠野四季(CV:- / 吉野裕行、本田貴子(幼少期) / -)
- ネロ・カオス(CV:中田譲治 / 三宅健太 / -)
- ミハイル・ロア・バルダムヨォン(CV:成田剣 / 吉野裕行 / 阿座上洋平)
- 蒼崎青子(CV:三石琴乃 / 木村亜希子 / 戸松遥)
TYPE-MOON関連の一覧という項目ができたので、『歌月十夜』以降に登場したキャラクターはそちらを見てもいいかもしれない。
その他雑記
- 『月姫』本編には5名のヒロインが登場し、それぞれにルートとエンディングが設定されているが、実は企画開発段階ではもう一人のヒロイン『弓塚さつき』が存在していた。しかし、完成版では何らかの事情(容量の関係か?)により 彼女のルートは削られ、被害者兼中ボス扱いを受けるのみとなっている。
- 上記の事をよくネタにされ、リメイクしたら彼女のルートもできるよ、と延々とジョークとして騙られてきた(誤字にあらず)。しかし、2008年4月の正式リメイク発表により、いよいよ 本当に『 さつきルート 』 が実現しそうである。
- 設定だけの存在として『月姫2』なる続編が存在し、『月姫』の後日談が語られる。この作品に登場するキャラクターや大まかな話の流れ、プロローグに当たるであろうエピソードはタイプムーン発行の設定資料集『キャラクターマテリアル』の誌上で語られているが、おそらく製品化が 実現することはない。また、現在ではキャラクターマテリアルも非常に入手困難である。
- TYPE-MOONの次の作品「Fate/stay night」とも世界観を共有しており、メインキャラクターこそ出ないもののサブキャラクターや派生キャラクター達が様々な形で登場している。またシナリオ担当の奈須きのこはインタビューなどで(はっきりとした明言は避けている部分はあるものの)月姫のキャラとFateのキャラの相性や戦闘能力の優劣などについて言及している。
- ゲーム中の設定が厨二病的だとして、これに惹かれるものも多い反面、嫌うものも多い。
- TYPE-MOONの作品を至上とし、周りの迷惑を考えずに行動するもののことを月厨と呼ぶことがある。
ニコニコでの月姫
もともとがビジュアルノベルという形式なのであまり動画として視聴するのに適しておらず、本編が上がることはまずない。関連動画で多いのは本編中のイラストや立ち絵を切り貼りしたMAD、あるいは二次制作として作られた同人ソフトプレイ動画や他のゲームにキャラクターを参入させたキャラ差し替えプレイ動画などである。なおこれらに関しては世界観を共有しているということで空の境界・Fateのキャラとの競演も多々見られる。
派生作品であるメルティブラッドに関してはジャンルが格闘ということもあり、多くのプレイ動画が上げられている。
関連動画
関連項目
- TYPE-MOON関連の一覧
- TYPE-MOON
- MELTY BLOOD
- 真月譚月姫
- 月姫 -A piece of blue glass moon-
- PCゲーム:同人ゲーム、エロゲ
- エロゲのタイトル一覧
- ゲームのタイトル一覧
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- Fate/stay night
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- Fate/hollow ataraxia
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- Fate/Grand Order
- 月姫 -A piece of blue glass moon-
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