月風魔伝とは、1987年にコナミから発売されたファミコン用のアクションゲームである。
概要
西暦14672年(魔暦元年)、地獄界より現れた魔王・龍骨鬼(りゅうこつき)が月氏三兄弟の統治する地上界を攻撃。
龍骨鬼は月氏の二人の兄を殺し、一族の秘宝である刀「波動剣」を奪う。龍骨鬼を打倒するには3本の波動剣を奪回し最強の「大念動波剣」を作り出さねばならない。ひとり生き残った三兄弟の末弟・月風魔(げつ ふうま)の戦いが始まる。
源平討魔伝とは違い、「リンクの冒険」のような横スクロールアクション+RPG仕立てのゲーム。フィールドマップを歩き回り、マップ上の道中に配置された鳥居や、徘徊する敵に触れたりすると横スクロールのアクション面に切り替わり、刀や手裏剣、回復薬、スクリューアタックなどのアイテムを駆使して画面端へ到達することで先へ進むことが出来る。
落下死すると、真っ暗な画面に風魔が落ちるさまが映し出され、その後「死」の文字が下からせり上がってくるという、何とも言えない表現がされていることで有名である。
また3Dダンジョンがあるのも特徴。ここでは主観視点のアクション戦闘が発生する。各地のボスの前に必ず3Dダンジョンを通らないとならない。マップはそれほど複雑ではないが、マッピングはしたほうが良いだろう(ドアが1マスあるタイプなので注意!)。
波動剣を三本集めると衝撃波を撃てるようになり、龍骨鬼との決戦に挑むことができるようになる。
ゲスト出演の数々
有名なところで「コナミワイワイワールド」「ワイワイワールド2」でプレイヤーキャラの一人として風魔が、その他敵キャラに龍骨鬼などが登場。
「遊☆戯☆王」の「デュエルモンスターズ」でも風魔と龍骨鬼がカード化されている。
またポップンミュージック18せんごく列伝にて、BGMがメドレー形式で収録、キャラクターにも風魔が採用された。
他にもオレカバトル、オトメディウスX、ボンバーガールと、あらゆるコナミ作品に月風魔伝ネタ、楽曲、また風魔本人が出演、引用されている。
悪魔城との接点
ワイワイワールドでも共演していた『悪魔城ドラキュラ』シリーズとは縁が強め。
もともと月風魔伝のほうにシモンのパロディである「死門」というザコ敵(骨のムチで攻撃してくる骸骨)が登場していたのだが、これが『悪魔城伝説』に同じ名前でそのまま登場した。
『白夜の協奏曲』ではデザイン変更して再登場し、シモンのパロディ要素を原典より強めている。
そして「悪魔城ドラキュラ Harmony of Despair」で、ダウンロードコンテンツとして追加ステージ「月風魔伝」、ならびに追加プレイヤー「月風魔」が配信され、悪魔城に完全参戦した。
シモン本人が出てるゲームなのに、「死門」も「シモン・ベルモンドの死後の姿と言われている骸骨」という、ありえない設定のまま普通のザコ敵として登場している。
このドラキュラHD用にアレンジされたBGM「行け!月風魔」、なぜか「悪魔城ドラキュラシリーズ」の枠でスマブラSPにも収録され、スマブラの歴史にも月風魔伝の名が刻まれることになった。
このゲームは何なのか?
多数の外部出演で魂斗羅や悪魔城ドラキュラと並んでコナミを代表する2Dアクションのような扱いを受けているが、はっきり言って原作はファミコンの1本しか存在しない単発作品である。
人気や知名度自体は当時から高かったようだが、単純な移植回数でも「バイオミラクルぼくってウパ」より少なく、なぜコナミ社内でここまでの人気を維持しているのか、
むしろこれだけ人気があるのに続編、リメイク、スピンオフなどが一切作られてこなかったのはなぜなのか?
謎の作品である。
だが2021年…
GetsuFumaDen: Undying Moon
2021年5月14日、SteamにてGetsuFumaDen: Undying Moonがアーリーアクセス版として配信された。
(2022年2月10日、Switchで正式版配信。Steam版も17日よりVer1.0.0となり、アーリーアクセス終了)
ジャンルは当初「ローグヴァニア2Dアクション」と称しており、コナミ自らヴァニアを名乗ることも衝撃を与えた。(現在は「浮世絵風ローグライク剣戟アクション」に変わっている)
前作の千年後が舞台の続編。千年ぶりに龍骨鬼が復活、地獄の封印が解かれる。
主人公は月氏二七代目当主にして初代と同じ名を持つ男、月風魔。
地獄には果たして何があるのか、千年の間に月氏に何があったのか、世界の謎に迫る内容となっている。
スピンオフやリメイクではなく、完全な続編である。
ランダムで手に入る装備をやりくりして、素材を持ち帰りながら少しずつ強化していくアクションゲームで、同じく「ローグヴァニア」であるDead Cellsの影響が強く感じられる。しかしグラディウス風のパワーアップ、3Dグラフィックなど異なる部分も多い。ビジュアルは素晴らしく、原作の不気味な雰囲気を浮世絵風で新たに表現したものとなっている。
ただし千年前と同じモンスターは少数、ストーリー部分はともかく、ゲーム部分にはアクションとしてもRPGとしても月風魔伝の面影はあまりない、まったくの別ゲーとして生まれ変わったと言っていい。
デジタルデラックスエディションにはサントラ、アートブック、そしてファミコン版「月風魔伝」の移植が付属する。Steam版のアーリー版と同じセット。
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