中国戦国時代までは一人称所有格の一つだったが、秦の始皇帝(秦王政)が統一後に家臣からの提案を入れて天子の自称とし、そのまま定着した。
なお同時に提案された泰皇は却下され、秦王政が自ら皇帝とした。
漢字として
- 意味
- 皇帝の自称、わが、きざし、という意味がある。〔説文解字・巻八〕には「我なり」とある。
- 字形
- 舟+关の会意。現在の字では舟が月に変じている。关は送の右上と同じで、物を送る、奉ずるという字で、もともとは灷のような形。会意の解釈には諸説あり、盤にものを載せて奉ずる意とする説、船を遡らせるとする説などがある。一人称に使うのは仮借。
- 〔説文〕は字形について「闕」とし、解説していない。
- 音訓
- 音読みはチン(漢音)、ジン(呉音)、訓読みは、われ、わが。声符として使われる場合、ショウ(勝)、トウ(騰)などになるので、もともとはチンと違う音だったとする説もある。
- 規格・区分
- 常用漢字である。JIS X 0213第一水準。1946年に当用漢字に採用され、1981年に常用漢字になった。
- 声符
- 朕を声符とする漢字には、眹、𠗲、勝、塍、幐、滕、榺、縢、螣、賸、謄、騰、黱などがある。
異体字
- 𣍹は、〔説文長箋〕に朕と同じとある異体字。
- 𦨶は、〔玉篇〕が朕と同じとある異体字。〔正字通〕は𦩎の訛した俗字としている。
- 𦩎は、〔正字通〕が本字とする字。〔集韻〕は古文としている。
- 𦩗は、〔広韻〕にある古文。剆とは別。
- 眹は、通じる字。
関連項目
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