本因坊戦とは、囲碁の棋戦。七大タイトルの1つ・3大タイトルの1つである。
概要
元々は囲碁の家元・本因坊家が開祖。
代々名跡を受け継ぐが1938年二十一世本因坊秀哉が引退。
「世襲制ではなく、実力第一位の者が本因坊の名を受け継ぐにふさわしい」事から日本棋院に本因坊の名跡を譲渡し、翌1939年にタイトル戦が創設。今に至る。
なお、当時の本因坊戦は2年かけて行われた為、秀哉は初代タイトル者を知る事なく1940年に死去することになる。
本因坊位を獲得した棋士は、過去の本因坊にならって「本因坊○○」という雅号を付ける(ただし、すぐに付けない場合も多い)。
また本因坊戦を5連覇以上、あるいは通算10期以上獲得した棋士は、引退後または現役で60歳に達した際に○○世本因坊を名乗る権利を得る。2016年までにこの権利を獲得したのは高川格(二十二世)・坂田栄男(二十三世)・石田芳夫(二十四世)・趙治勲(二十五世)・井山裕太(二十六世)の5人である。「○○世」の数を世襲の本因坊から継続しているため、二十二世から始まっている。
対局形式
現在では、前年度の本因坊七番勝負敗退者と前年度のリーグ戦二位から四位までの4人に加え、予選トーナメントによって4人を選出し、計8名によるリーグ戦を行って挑戦者を決定する。
リーグ戦の一位者はタイトル保持者と七番勝負を行い、優勝者を決める。七番勝負は全国の有名旅館・ホテルを舞台に、持ち時間各8時間、封じ手制による2日制で行われる。
リーグ戦の五位以下は陥落となり、翌年度は再び予選トーナメントからの参加。このため下記の棋聖・名人リーグに比べると、入りやすいが陥落もしやすい。
本因坊リーグは棋聖・名人リーグとともに三大リーグと呼ばれ、ここに参加することが一流棋士の証とされる。
六段以下の棋士が本因坊リーグ入りを果たした場合、七段に昇段する。またリーグに優勝して挑戦権獲得が決まったら八段に、さらに本因坊位を奪取した場合九段へ昇段する。
獲得者一覧
67期本因坊戦(2012)
ニコニコ本因坊チャンネル開設。
対局中のタイトル保持者と挑戦者の様子を中継しつつ、スタジオで大盤解説をするという手法が生まれる。
記念すべき第一局は山下の激しい攻めに井山が力強く反撃。
終盤の秒読みまで難解な戦いの碁となり、解説者泣かせとなるが、放送はかなり盛り上がりを見せ、大成功。
この年、井山は山下を下し、5冠を決めた。
68期(2013)
本調子に戻った高尾が全勝でリーグ突破。
期待の若手の一人・瀬戸大樹は残念ながら陥落した。
挑戦手合いは第7局までもつれ込み、高尾の復冠が期待されたが、惜しくも奪取はならなかった。
とはいえ、過去の対局とくらべて内容としては上々で、高尾自身も苦手意識を克服したと、後に週刊碁で語る。
69期(2014)
河野臨がリーグに戻ってきた。
加えてリーグ入りしたのは余・伊田・坂井。
注目されたのは台湾棋院から関西棋院に移った余だったが、惜しくも3-4でリーグ陥落。
そして驚くべきことに、前期本因坊・高尾が1-6で陥落。近年、井山にぶっ壊されるタイトルホルダーが続出
そんな中、安定した成績を残す山下だったが、なんとプレーオフで破れる。
挑戦権を獲得したのは、さほど注目されていなかった伊田篤史であった。
初リーグ入り・即挑戦というとんでもない事が起きる。
井山が初めて年下の挑戦者を迎え撃つ事となった今期挑戦手合い。
まあ、当然といえば当然だが、4-1で防衛。(強すぎるぞ・・・)
伊田はそんな中、自分らしい手・工夫した趣向を見せ、囲碁界に伊田という名前をしっかり刻んだ。
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