本物千両道化のバギーとは、漫画『ONE PIECE』に出てくる『道化のバギー』もとい七武海から四皇となった『千両道化のバギー』の様な何かである。
概要
そもそもは『メイドインアビス』の登場人物『ボンドルド』をネタ的に捉えた『エアプボンドルド』の類似概念として広まったようだが、厳密には違う。「エアプ」繋がりではあるが、こちらは作中での扱いにもエアプ要素が含まれる。
道化のバギーというと『ONE PIECE』連載初期から登場し、海賊らしい残虐な一面とコミカルな描写が同居するような性格のキャラクターで、実力的には『ONE PIECE』世界においては下位の方に位置するという評価がされていた。それがインペルダウン脱獄をきっかけに怒涛の勢いで勢力を伸ばし、104巻の時点ではシャンクス・黒ひげ・ルフィらと並ぶ新たな四皇と位置付けられており、『ONE PIECE』世界の歴史上に残るような大物へと成り上がっている。
そんなバギーが『ONE PIECE』世界の歴史書に書かれる場合、バギーをよく知る人物から見ると事実と遠くかけ離れた極悪人として書かれるのではないか、という認識が一部読者の間で生まれる。実際に海軍からは本来の実力には不釣り合いな超高額の懸賞金が懸けられており[1]、その手配書の写真は凶悪な面構えをしている。『本物の千両道化のバギー』は見た目と能力からきっとこんなやつだろう、として語られるキャラであり、要するに「本来の実力や性格とは全く違う作中の評判」をネタにした存在である。
上記のような認識は以前より散見されたが、「本物千両道化のバギー」の語句が生まれたのは2022年6月22日ごろである。(後述の「関連ツイート」を参照)
この概念は部下にも伝染し「本物曲芸のカバジ」(ワノ国から存在を抹消された実力者)「本物猛獣使いモージ」(動物系覚醒能力者)という概念も生まれている。
なお忘れがちだが(特に初登場時は)うっかりコンプレックスに触れた部下を爆殺したり残忍な面もあり、「”本物”の千両道化のバギー」にも「本物千両道化のバギー」要素は存在する。
紛らわしいが「本物千両道化のバギー」は「”偽物”の千両道化のバギー」であり「偽物千両道化のバギー」が「”本物”の千両道化のバギー」。混合を避けるため「原作千両道化のバギー」という回らないお寿司のような呼び方も広まっている。
2023年に公開された実写版にもバギーは登場するが、「町の住人に鎖を繋ぎ、無理やりサーカスの見物客として操る」という原作にはなかったオリジナルシーンを挟みつつ、「残忍さ」「怖さ」をより全面に押し出したビジュアルと演じるジェフ・ウォードの怪演によって「本物千両道化のバギー」要素を感じ取る視聴者も少なからず見られた。
類似キャラ・人物について
『本来の実力性格とは全く違う評判を持つ人物』という概念は現実・創作物問わず存在する。
現実においても、歴史上の人物が「書物に記されて後世に語られていた性格が、歴史の研究が進むうちに全く違うと判明する」といったことは少なくない。
また、「第一印象や演じる声優・俳優などから一見悪役や黒幕っぽく見えるが、実際は異なるキャラクター」を「第一印象通りのキャラクターに仕立て上げる」という流れも生まれており、それらによって生まれたキャラクターには「本物○○」という呼び名がつけられる。言うまでもなく偽物なのだが。
ミスター・サタン(ドラゴンボール)
ドラゴンボール世界の地球では世界的に有名な格闘家だが、戦闘力では孫悟空を始めとするZ戦士たちには遠く及ばない。が、世間からは「セルを倒した英雄」「ブウを倒した救世主」(厳密にはZ戦士達が[2]という名声を得ており、『GT』の100年後の未来においては、「地球を救った伝説のヒーロー」として、悟空の銅像とともに天下一武道会会場に銅像が建てられているなど、「本来の実力とは遠くかけ離れた評価のされ方」という意味ではバギーのような漫画のキャラの先駆けともいえる。
ゴードン(ONE PIECE FILM RED)
「ONE PIECE映画のボスは大体おじさん」「演じる声優が津田健次郎」「強面」などの印象から彼が黒幕、あるいはボスと予想する声が事前に上がっていた。だが実際に公開された内容はその予想を大きく覆すものであったため、逆に「ゴードンが黒幕だったらこんなキャラだろう」を基にした「本物ゴードン」という概念が生まれた。大体こんな展開のキャラである。
- ルフィたちを利用しトット・ムジカの楽譜を集めさせる
- 楽譜が集まったところで正体を現す
- ウタに音楽を教え込んだのも野望のため
- ウタの力を利用し自分を強化、マッチョ化する
- 「爆破(バッハ)」「蹴帯(シューベルト)」など実在のクラシック音楽家をもじった名前の技を使う
- 「ゴーッドッドッドッ」と笑う
2022年はゴードンの他にも「黒幕だと思ったら違った」系のキャラクターが話題作から多く登場し、「本物○○」という概念が広まりつつある。
キング(ワンパンマン)
作中世界で活躍するヒーロー達の中でも最上位の「S級」に位置し、数々の強大な怪人撃破の実績から他のS級ヒーローからも一目置かれる「絶対に怒らせてはいけない男」。戦闘スタイルすら不明ながら、どんな敵も無傷かつ一撃で倒す、最強のヒーローである。
…実際には別人(描写から見るにすべてサイタマだと思われる)が怪人を倒した現場に偶然5回も居合わせただけの一般人であり、世間に広まっているヒーロー像はすべて虚像。本人曰く「只の無職でオタクな引きこもりの29歳」である。
が、作中では登場後もその異様な運の悪さ(良さ)・相手の勝手な拡大解釈等で何故か実態はバレていない。気は小さいながらもハッタリをかます、彼なりに役目を全うし勝利につなげるなど要所では一応活躍しており、読者人気の高いキャラクターの一人である。
関連ツイート
以下のツイートはTwitterで「本物千両道化のバギー」の概念が投稿された初のツイートである。
ツイートを読み込み中です
https://twitter.com/neet_nanyona/status/1539271991374450689
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https://twitter.com/neet_nanyona/status/1539272298368475137
外部リンク
【本誌ネタバレ注意】本物千両道化のバギーとは?? -Toggeter
関連項目
脚注
- *懸賞金は本人の強さの他にも世界政府に対する危険度や影響などを加味して決められるものであり、当人の強さがそのまま反映されているわけではない。
- *ブウ撃破後にドラゴンボールの力で世界中の人物から魔人ブウに関する記憶を消してもらったため、「何かから地球を守った」という認識になっている)
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