札束風呂とは、お湯の代わりに紙幣が満たされた風呂のことである。
概要
「大量のお金を持っている」ことを実感して満足するために、バスタブの中にお湯ではなく紙幣を入れたもの。さらに、「その中に入って紙幣にまみれて楽しむ」ことを含むこともある。その場合は、通常の入浴のように服を脱いで入る描写がなされることもある。
「札束」とはつくものの、必ずしも「お札を束ねた」文字通りの「札束」で描写されるとは限らず、「束ねていないバラバラの紙幣」で描写されることも多い。特に「服を脱いだ人が中に入っている」場合にはその傾向が強いかもしれない。「札束」の中に裸で入るとゴツゴツして痛いだろうし。
基本的には「急に手に入れた持ちなれない金に目がくらんでいる者」が行うような下品な行いとして描写されることが多いようだ。フィクションや真実性が怪しい広告(後述)で描かれることが多く、現実にこの行為を行った者が実在するのか否かは不明。
最初にこの着想を得て描写したのが誰だったのかははっきりしない。だが、戦国時代~江戸時代の武将「岡左内」(岡定俊)について、このように描写した時代小説がある。
岡家というのは、岡左内貞綱の家だ。貞綱は当時、剛勇の名が天下に高く、逸話の多い武将である。
彼ははじめ、上杉景勝に仕えていた。貨殖の才があり、おびただしい金銀を貯わえ、いつも座敷中に金銀をまき散らして、すッ裸になつて、その上に寝そべるのを、無上の楽しみとしていたので、上杉家の家中では
「武士にあるまじき卑陋なこと」
と、指弾していたが、(後略)[1]
もちろんこの逸話が史実か否かは定かではないが、もしこういった逸話が紙幣が一般的でなかった江戸時代から既に存在したのであれば。これに影響を受けて紙幣が流通し始めた時代になってから「裸で大量の紙幣にまみれる」という楽しみを連想する、ひいては「紙幣を満たした風呂に入る」という発想に至ってもおかしくはないのではないだろうか。
なお、この発想は日本特有のものではないらしく、「money bathtub」などで画像検索すれば、「紙幣を満たしたバスタブ」の画像は海外のものであっても簡単に見つけることができる。
- Happy woman in a bathtub full of money you keep a 500-dollar bill in his hand. | CanStock
- Premium Vector | Website landing page template cartoon character a financila freedom man lying in bathtub with countless money bill
「勝ちまくりモテまくり」
「札束風呂に入っている裸の男性。笑みを浮かべつつ舌なめずりをしており、左右には裸の女性をはべらせている」という写真を目にしたことはないだろうか。
「勝ちまくりモテまくり」などといった通称で呼ばれることが多いこの写真は、「エミールホルダー」という開運キーホルダーの広告内で使用されていたものである。
「このキーホルダーで運が開けた体験者の声」を紹介するとして、「お金に困っていた私はエミールホルダーを購入したら競馬で連戦連勝して大金を手に入れました」という体験談とこの写真が掲載されていたのだ。
この「エミールホルダー」の広告は1990年代の多様な雑誌によく掲載されていたらしく、多くの人が目にしていた。そのあまりにも欲望をストレートに表現した写真は読者らの印象に残ったらしく、今でも語り草になっているというわけである。
ちなみに「勝ちまくりモテまくり」とは、この写真に付されていることがあった「キャッチコピー」的なものである(実際には「勝ちまくり」と「モテまくり」の間に改行がある)。ただしこの広告には様々なバージョンがあり、「スゴすぎる勝ちまくり!!」「勝ちまくりヤリまくり」など別の様々なキャッチコピーが添えられるパターンもあったようだ。
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関連項目
脚注
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