「李同」（り・どう ？ ～ BC258）とは、中国の戦国時代に趙の国の宿場役人ながら、秦によって包囲された邯鄲を、援軍が来るまで持ちこたえさせる為に決死隊を組織して特攻し、命と引き換えに秦軍を撤退させた趙の守護神W李の一人（もう一人は李牧）。
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李同？李談？
平原君既返趙，楚使春申君將兵赴救趙，魏信陵君亦矯奪晉鄙軍往救趙，皆未至。秦急圍邯鄲，邯鄲急，且降，平原君甚患之。邯鄲傳舍吏子李同說平原君曰：“君不憂趙亡邪？”平原君曰：“趙亡則勝為虜，何為不憂乎？”李同曰：“邯鄲之民，炊骨易子而食，可謂急矣，而君之后宮以百數，婢妾被綺縠，餘粱肉，而民褐衣不完，糟糠不厭。民困兵盡，或剡木為矛矢，而君器物鐘磬自若。使秦破趙，君安得有此？使趙得全，君何患無有？今君誠能令夫人以下編於士卒之閒，分功而作，家之所有盡散以饗士，士方其危苦之時，易德耳。”於是平原君從之，得敢死之士三千人。李同遂與三千人赴秦軍，秦軍為之卻三十里。亦會楚、魏救至，秦兵遂罷，邯鄲復存。李同戰死，封其父為李侯。
と名前は「李同」と記述されているが、「史記」の愛読者だった劉向が断片的な説話を再整理した「説苑」では、
平原君既歸趙，楚使春申君將兵救趙，魏信陵君亦矯奪晉鄙軍往救趙，未至，秦急圍邯鄲，邯鄲急且降，平原君患之，邯鄲傳舍吏子李談謂平原君曰：“君不憂趙亡乎？”平原君曰：“趙亡即勝虜，何為不憂？”李談曰：“邯鄲之民，炊骨易子而食之，可謂至困；而君之後宮數百，婦妾荷綺縠，廚餘粱肉；士民兵盡，或 089;木為矛戟；而君之器物鐘磬自恣，若使秦破趙，君安得有此？使趙而全，君何患無有？君誠能令夫人以下，編於士卒間，分工而作之，家所有盡散以饗食士，方其危苦時易為惠耳。”於是平原君如其計，而勇敢之士三千人皆出死，因從李談赴秦軍，秦軍為卻三十里，亦會楚魏救至，秦軍遂罷。李談死，封其父為孝侯。
と、何故か名前が「李同」から「李談」になっている。
※劉向の「説苑」は、漢の祕府に収められていたオリジナルの「説苑」の再編集版の為、司馬遷が名前を間違えたとする説もある。
無茶しやがって・・・
商鞅の法治と、樗里疾・甘茂・魏冄・范雎ら名宰相達により、中原に覇を唱える巨大勢力となった秦の国に攻め込まれた趙の国は、名将「廉頗」を将軍にして籠城戦で対抗していたが、秦の策謀により机上の空論に定評のある生兵法の大家「趙括」に将軍にして、白い悪魔「白起」と真っ向勝負して45万人もの死者を出した事から大きく国力を衰退させ、首都・邯鄲を秦軍に包囲されていた。
戦国四君の一人「平原君」こと趙勝は、同じ戦国四君の一人・魏の「信陵君」こと魏無忌の姉を妻としていた事から、「秦が趙を滅ぼしたら姉ちゃん死ぬけどいいの？」な手紙を送り、（まさかシスコン？）信陵君は魏の軍勢を率いて趙の援軍に向かい、楚の国も春申君を趙へ援軍として派遣した。
秦の包囲が続き、邯鄲の内部では木を削って槍にしていた程だったが、そんな緊急事態だと言う時に平原君は、空気を読まずに城内で贅沢な暮しを続けていた。
宿場の役人だった李同は、
邯鄲の民は満足なものを着られず、糟糠さえ十分に食べられず、人骨を焚いて薪に代え、子を取り替えあって食べております。
しかるに、君（平原君）の後宮の婢妾は綺穀を着て、粱肉を食べ余しています。
秦が勝てば、君はどうしてこれを保有することができましょう。
いま君が、もし夫人以下を士卒の間に配置して作業を分担させ、君が家の貯蔵をことごとく放出して士に饗応するなら、この危急困苦の時、士はどれだけ恩恵とすることでしょう。
と諫め、李同の進言を聞き入れた平原君は、
すべての私財を好きに持っていって良い。
と言って私財を開放し、侍従には炊き出し等を行わせて、城内の士気を鼓舞することに成功した。
そして李同は、魏と楚の援軍が来るまでの一分一秒でも時間稼ぎになればと決死隊を募った。
3000人ほど集まった決死隊は、城外の秦軍に攻撃を仕掛け、死兵となって一歩も引かない特攻を日に何度も繰り返し、決死隊の特攻に嫌気がさした秦軍が30里退いたところで、魏と楚の援軍がたどり着いた為、秦は退却し、趙の国は生き残った。
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※その他「李同」の詳細はWikipedia・・・には記事がまだないようです。
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※顔グラは「無茶しやがって･･･」
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▼新伊秀策が描いた古代中国を題材にした短編集「色歌」の「藍の歌」に李同が登場する。
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