村下孝蔵とは、日本のシンガーソングライターである。
概要
80年代から90年代にかけて活躍した、日本においては最後期といってもよい時代のフォークシンガー。故人。
「淡い恋」「切なさ」をテーマにした楽曲が多い。
日本語の美しさに重点を置いた歌詞、その魅力を余すところなく伝える丁寧な発音と類稀な美声が魅力。
また歌唱力や作詞にとどまらず、ギターの演奏においても非常に高い技術を持つ。
コンサートなどでYシャツ&ネクタイ姿のサラリーマン的服装で演奏・歌唱をする事が多く、見た目は完全に、朴訥なサラリーマンのおじさん。その風貌と人柄に対する愛着・尊敬の念を込めて、ニコニコ動画では「部長」と呼ぶ人も。
幼い頃より音楽に親しみ、特にギターを好んだ。
ピアノ調律師などをしながら地道に活動し、メジャーデビューしたのは27歳とかなり遅咲き。
当時、既にフォークソングの人気は下り坂に入って久しく、オーディションにおいてその非凡を評価されながらも「上手いことは上手いんだけど、どれだけ上手いといったってフォークシンガーが今更売れるだろうか」と不安視する声も多かったようだ。
蓋を開けてみれば、その高い技巧と優れたセンスが人気を集め、『初恋』『踊り子』『陽だまり』などがヒットした。
だが、やはり80年代末頃からはヒットが生まれなくなり、これに苦しんだこともあったようだ。不振については、自身最大のヒット曲であった『初恋』の発売時に肝臓を患ってテレビにほとんど出演できなかったことも原因しているかもしれない。
その後、「〝時代”なんてものは所詮たまたま巡ってくるものであって、追いかけるだけ無駄」と開き直るに至り、ポップソングが国内を席巻する中で、昔ながらのスタイルの楽曲を発表し続けた。
1999年、脳内出血のため46歳で急逝。早すぎる死を惜しむ声は強かった。命日である6月24日は、梅雨(五月雨)の時期である事とヒット曲『初恋』の歌詞に因み「五月雨忌」と呼ばれている。
彼の曲はいずれも、今なお多くの人に聴かれ、唄われ、演奏され、愛されている。
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