東亜プランとは、かつて存在したゲーム会社である。
90年代前半の格ゲーバブルに紛れて倒産していった会社のひとつ。
概要
かつて存在した「オルカ」という会社のメンバーが設立した「クラックス」という会社が倒産した際、当時の販売代理店であった「東亜企画」が開発者4人を引き取り、ゲーム開発を始めたのが東亜プランの始まりである。しかし、東亜プランもすでに倒産しているのでその後継会社であるCAVEは3回倒産しているともいえなくも無い。セサミジャパンを含めたら4回です…とか言わなくてもいいよね。
「ショットとボム」という現在の縦スクロールシューティングの基礎を作り上げた会社であり、その倒産を惜しむファンは今も多い。しかし、シューティングの高難度化による一般プレイヤーの減少を生み出したという意見もある。
東亜プランのSTGの特徴
- 自機の移動スピードが遅い
- 弾の数は少ないが、弾のスピードが速い
- 基本的に自機狙いの弾が多い
- 普通に後ろから戦車が来る
- ボスより道中に重点が置かれる
- ボンバーが緊急回避手段として使えない(80年代の作品)
つまりパターン性が強いSTGであり、学習による習熟が大きな攻略要素となっている。
不条理なようで何回もプレイするに従って上達し、最終的に安定したクリアが望めるのが魅力。
東亜節
東亜プランのSTGは基本的に「東亜節」というノリで構成されている。作曲は東亜プランに在籍していたプログラマーの上村建也と弓削雅稔の二人が担当。東亜プランはプログラマーが作曲も兼任する現在では殆ど見られない稀有な体制だった。
ノリの特徴としては、
これらすべてが絡み合い、非常に濃厚コッテコテで漢らしい世界観を生み出している。
悪趣味とも言われるが、しかし一部の人には濃くウケるものがある。
この東亜節は後継会社であるCAVEにも受け継がれており、CAVEの代表作である「怒首領蜂」シリーズには東亜プランのオマージュが多数存在する。というか、怒首領蜂シリーズのザコ敵はほとんど東亜のアレンジだったりする。
主な作品
- ジャイロダイン
東亜プランの前身であるクラックスが開発したゲーム。
味方は撃ってはいけません。 - タイガーヘリ
STG史上初めて「ボンバー」を使用できるようになったゲーム。
でも緊急回避には使えない。 - 究極タイガー
東亜プラン最大のヒット作。5WAYの爽快感はバツグンだが難易度は高い。
ファミコン版?そんなものは無い、無いんだ。 - スラップファイト
おそらく「弾封じ」が史上初めて導入されたゲーム。
グラディウス式のパワーアップを採用。 - V・Ⅴ
「ヴイ・ファイブ」と読む。スラップファイトの続編。
現CAVEのIKD氏が初めてプログラミングに関ったゲーム。 - 飛翔鮫
シンプル・イズ・ザ・ベスト。
弾が速い、彩京と違うのは全部の弾が速いというところ。 - 鮫!鮫!鮫!
弾がクソ速い。
高難度なので素人にはオススメできない。 - ワードナの森
横スクロールアクション。
ディスクシステム版のほうが有名かも。PCエンジン版は黒歴史。 - TATSUJIN(達人)
とりあえず初見の人は1面の中ボスで絶対死ぬ。
パターンを構築できれば簡単な部類らしい。 - 達人王
「達人を超えて王となれ!」
すいません、僕は一生頑張っても王になれそうになりません。 - ヘルファイアー
東亜プラン初の横シュー。
4種類のショットを撃ち分けて進む。 - 大旋風
ボムの代わりに味方を呼び出すという変わったゲーム。
とりあえず味方が特攻する様は悲惨。 - ゼロウイング
All your base are belong to us.
ある意味CAVE語の原型でもある。 - アウトゾーン
戦場の狼系のシューティング。
最強のサイボーグは燃費が戦車より悪いらしい。 - フィグゼイト
アウトゾーンの続編。
3人プレイ可能。 - スノーブラザーズ
敵を雪弾にして転がすアクションゲーム。
東亜プラン自社から唯一発売されたファミコンソフト。 - ドギューン!!
タイトル画面のロボットはいつ出てくるのかって?
まぁとりあえずやってみれば分かるよ。 - BATSUGUN
オレの名はアイスマン、氷のように冷酷な男だ。 - 武者アレスタ
自社開発ではなく、販売のみを担当した珍しいタイトル。
倒産、そしてその後
90年代に入ると度重なるロケテ荒らしによるゲーム難易度の上昇、
「雷電」という直接的な対抗馬の誕生にともない、東亜プランは苦境に陥ることになった。
また「弾幕系」の萌芽とも言える「BATUGUN」によって一筋の光明が差したものの、結局東亜プランは1994年に倒産することとなる。その際版権が散り散りになってしまったらしく、元社員ですら版権元の確認が困難な状況に陥っている。このため当時の作品が移植される可能性は現在でもほぼゼロに等しい状況である。2017年に設立した株式会社TATSUJINが東亜プランの版権を所持している模様。
その後の同年5月に元社員達が株式会社タクミコーポレーションを創立、6月に高野健一らが株式会社ケイブを設立。その他のメンバーはバンプレストの子会社であるガゼルに移籍するが、後に瓦解した。
なお、元東亜プランの社員が移籍した会社は次の通り。
- CAVE
言わずと知れた、東亜プランの後継者。代表的メンバーは当時新進気鋭の新人であった池田恒基(IKD)や東亜プラン初期からのメンバーである高野健一など。BATSUGUNの続編である「首領蜂」、さらにその発展系の「怒首領蜂」は東亜末期の進化系と言えるだろう。 - 匠
東亜プランの後継者その2。代表的なメンバーは東亜プランの音楽の二本柱の一人である弓削雅稔。有名な作品は「究極タイガーII」「ギガウイング」「ナイトレイド」などがある。最近はシューティングを作っておらず、DSやwiiの作品をメインとしている。 - ガゼル
BATSUGUNのデザイナー井上淳哉、東亜プランの音楽の二本柱のもう一人である上村建也などが移籍。
「エスプレイド」の前身とも言われる「アクウギャレット」を生み出すが、社長の放漫経営が災いし社内で内紛が発生。
元東亜プランメンバーは全員出奔し、CAVEに移籍したが後に井上、上村両氏ともに独立した。 - タムソフト
1992年に東亜プランの初期からのメンバーであった太田俊昭によって設立。 - タイトー
元社員が移籍し、「逆鱗弾」という作品を作った。キャラデザインの香川友信は後に「クレオパトラフォーチュン」「プチカラット」「どきどきアイドル スターシーカー」なども手がけている。 - ライジング
- 匠に移籍した弓削雅稔をはじめ、数人が再度移籍している。井上淳哉もガゼル退社後は当初ライジングに移籍する予定で内定も取っていたが、IKD氏の説得で移籍先をケイブに変更した。
株式会社TATSUJIN
2017年5月に弓削雅稔を代表取締役として設立。ビデオゲームの企画・開発・運営・販売、各種著作物のコンテンツ化等を事業としている。
東亜プランの版権を所持していて、実際に「東亜プラン ARCADE SOUND DIGITAL COLLECTION CDシリーズ販売」「ゲーム天国×TATSUJINコラボ」「iOS・android用ゲームアプリの開発」「秋葉原HEYのニコニコ生放送による東亜プラン系のゲーム配信」等が実現した。
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関連項目
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