東京新世録オペレーションバベルとは、エクスペリエンス(EXP)が開発、MAGES.から5pb.レーベルにて2015年4月30日に発売したダンジョン探索型RPGである。対応プラットフォームはPlaystation Vita。「東京新世録オペレーションアビス」の続編となる。2017年3月27日にはSteam版も発売された。
概要
いわゆるWizardry等に代表されるスタイルのダンジョン探索型RPGである。
20XX年、東京都日輪(ひのわ)区。
この地域に存在する「共立日輪学校」 は、表向き小・中・高校・大学を有するマンモス学校であったが、その実は最先端のオーバーテクノロジー「現化物理学」の研究を行う「CPO」と、現化物理学が関わる事件の収拾を行う遊撃組織「エクス」の最前線研究施設であった。
この年、東京では空間が球形に突如削り取られる「スプロールテラー」事件、また東京タワーが巨大な桜の樹のような形状の「アビスタワー」に変貌し、天空には巨大な胎児のような何者かが出現する「エンブリオ」事件が発生し、奇観を呈していた。隊長・御舟アリスをはじめとする特務隊エクスの精鋭が国連に招聘されて対策について検討される中、物語は東京に突如ファンタジーのドラゴンのような"異形"が現れる事件から幕を開ける──
エクスペリエンスがPCにて展開していた「ジェネレーション・エクス」(G-XTH)シリーズの第3作「ジェネレーション・エクス コードリアライズ」(CR)を再編し、「デモンゲイズ」で知られるクロサワテツによる新たなキャラクターイメージを載せたリメイク移植作である。第1作「~コードハザード」(CH)及び第2作「~コードブレイカー」(CB)のリメイク移植作である「東京新世録オペレーションアビス」の直接の続編となっているが、それらと異なり、上記の通り「特務隊エクスの精鋭」(=前作の主人公達)は上位の任務についているという設定のため物語には出てこない。
シリーズでは既に第4作「迷宮クロスブラッド」(クロブラ)がXbox360(「迷宮クロスブラッド リローデッド」)、Playstation Vita(「迷宮クロスブラッド インフィニティ」及び「迷宮クロスブラッド インフィニティ アルティメット」)で展開されており、本作は物語としては「迷宮クロスブラッド」の前日談に相当する。そのため、「迷宮クロスブラッド」のプレイヤーにとっては同作中の「演出」の種明かしになっているが、その一方で「迷宮クロスブラッド」作中では物語の補完のため「ジェネレーション・エクス」シリーズのあらすじが紹介されているため、そちらのプレイヤーからすると「先の展開が読みやすい」部分があるのも事実である。
とはいえ前作と比べて変化の度合いは大きいため、CRをプレイ済みでも十分に楽しみやすく、また、各種仕様もユーザーフレンドリーにリメイクされているため、初めてのEXP製3DダンジョンRPGとしてもおすすめの一作となっている。
世界観
本作の舞台は、「20XX年の東京都日輪区」(現実の東京都千代田区に相当)である。
本作の東京においては、なんでもない筈の地下遺構等が「アビス空間」(「都市迷宮」、単に「アビス」とも)と呼ばれる異常空間へ変異する「アビス化」という現象が発生している。アビスからは「異形」と呼ばれる怪物が発生しており、この「異形」には既存兵器での攻撃がほとんど通用しない。そのためアビスは「現化物理学会(CPO)」と、表向きは警察組織だがCPO傘下にある「XPD」によって封鎖が行われており、一般人が立ち入ることはできない(ただしXPDにしても、ごく一部の例外を除いて、基本的に異形に対しては無力である)。
その一方で、CPOは現化物理学の粋を集め、ある特殊な形式のデータを身体に取り込むことで超人的な戦闘能力を発揮する「コードライズ(Code-Realize)」という対抗能力を得た。コードライズを行うことが出来るのは主にティーンエイジャーであり、CPOはコードライズを行うことが出来る少年少女達を集め、都市迷宮とそれにまつわる怪異事件「ハザード」に立ち向かう特務隊「エクス」を設置している。
プレイヤーは、このコードライズ能力を見出され「エクス」に所属することになった少年少女である。現化物理学自体が一種のオーバーテクノロジーである関係もあり、コードライズと「エクス」については表向き伏せられ(ただしその存在は噂として社会に流れているようである)、隊員たちは「共立日輪学園」の生徒として日々を送っているのである。
なお、元々「ジェネレーションエクス」シリーズの最後を飾る作品であった本作においては、アビス化やハザードが何故発生するのかについても説明がある。
ブラッドコード
「ブラッドコード」(Blood Code、以下BC)とは、本作におけるキャラクタークラス、いわゆる「職業」に当たる概念である。
キャラクターメイキングが可能なRPGにおいては、「職業(Class)」と「種族」のどちらか、あるいはその両方をとる形でキャラクターの大まかな特性を決定することが多い。本作においては世界観上、キャラクターの「本職(Job)」は学生で固定となっているが、その代わり上記の通り戦闘時に使用するBCの選択という形でこの概念を導入している。
すべてのBCは歴史上の偉人のゲノムコードをベースに作成されており、更にそこから男性型と女性型に分かれている。ただしこれはもととなった人物の性別とは無関係であり、また使用するキャラクターの性別とも無関係に設定することが可能である(BCの男女で異なるのは補強されるパラメータと選択できる性格の制限のみ)。
前作「オペレーションアビス」においては一人一つしか選択できなかったブラッドコードであるが、本作においては「迷宮クロスブラッド」と同様の「クロスブラッド」(混血)システムが使用できるようになっている。また、それに加えて本作の新要素として、装備することで他のブラッドコードにおける一部のスキルやスペルを使用可能となるオプション装備「エクステンドアーツ」が採用されており(「デモンゲイズ」の神器が近いものの、独自の枠でなくオプション枠を使用する点が異なる)、ビルドの幅がさらに広まっている。
本作で採用されているBCについて一覧で解説する。また、本作で新規採用となった特性がある場合はそれも併記する。なお、本作には所謂シズラーブラッド(「迷宮クロスブラッド」の項における説明を参照されたし)は登場しないが、そのスキルについては一部の別ブラッドへの移植を除き、上記エクステンドアーツで習得可能となっている。
名称 | ゲノム提供者 | コード名 | 習得スペル | 概要 | イラストレーター |
---|---|---|---|---|---|
戦術士 | 源義経 | ウシワカ | なし | 前衛向けの戦士。装備の幅が最も広い スキル「クラッシュ」が追加 |
みきさと |
トモエ | |||||
魔術士 | 卑弥呼 | ツクヨミ | WIZ | 攻撃魔法特化型の術士 | 山中虎鉄 |
アマテラス | |||||
聖術士 | フローレンス・ナイチンゲール | ドミニオン | HEAL | 回復魔法特化型の術士 | 村上聡海 |
エンジェル | |||||
学術士 | レオナルド・ダ・ヴィンチ | モーセ | PSI | コードチップ(宝箱)の罠解除、未識別アイテムの識別、PSIコードによる戦闘支援など | クロサワテツ |
ヨシュア | |||||
射術士 | チンギス・ハーン | 蒼狼 | なし | 弓特化型の戦士。一撃必殺スキルも持つ スキル「超乱れ撃ち」が追加 |
塚本陽子 |
白鹿 | |||||
武術士 | 宮本武蔵 | 無双 | なし | 刀特化型の戦士。グループ攻撃スキルを多く持つ スキル「夜叉」が追加 |
広渡森 |
昇竜 | |||||
王騎士 | ジャンヌ・ダルク | ジークフリート | なし | 全ての盾を装備可能。 防御スキルを多く覚えるパーティーの防壁 スキル「クルセイド」が追加 |
芳住和之 |
ブリュンヒルト | |||||
暗術士 | 服部半蔵 | フウマ | なし | 一撃必殺スキルを覚えるスピード重視型の忍者。当然「防具無装備でAC強化」スキルも健在 スキル「暗撃・滅」「影縫い」「幻影」が追加 |
BUNBUN |
カムイ | |||||
拳法士 | 玄奘三蔵 | 斉天大聖 | なし | 素手・ナックル特化型の戦士。レベルに応じて素手攻撃が強化 スキル「内気功」「外気功」が追加 |
クロサワテツ |
釈迦 | |||||
召術士 | 安倍晴明 | 金毛九尾 | TRAN | 異形を仲間に引き入れる特殊スキルを持つ他、異形の能力を一時的に獲得して使用するTRANコードを使う スキル「守護陣」「招来」が追加 |
みきさと |
白面九尾 |
主な登場人物
比較的序盤に登場する登場人物について、ネタバレにならない程度で簡単に述べる。
日々野規子(ひびの・のりこ)
17歳、女性。高等部3年。CV:田村マミ。
高等部の生徒会長であり、エクス隊の隊員の一人。強力なコードライズ能力の持ち主であるが、かつてそれ故にその能力を悪用された経験がある。
前作ではコードライズ時は聖術士と思われるブラッドコードを使用していたが、直接戦闘をこなすことが増えたためか本作では前衛系のブラッド(盾を使用していることから王騎士と思われる)に乗り換えている模様。
七瀬ヒカル(ななせ-)
15歳、女性。中等部3年。CV:大久保瑠美。
中等部に編入したばかりの少女。とあるハザードにおいて主人公達(プレイヤーキャラクター)と知り合い、交流することになる。主人公達を「先輩」と呼んで慕うお転婆娘。
リメイクに際して性格などが大きく変化している。
佐伯海斗(さえき・かいと)
15歳、男性。CV:成田佳恵。
エクス隊の副隊長。弱冠15歳にして大学の修士課程を修了した天才少年であり、現化物理学の知識を以って隊員たちをサポートする。普段は高等部の非常勤講師として活動している。本作においては本来の隊長であるアリスが不在のため、隊長業も兼任している。
神崎剣一(かんざき・けんいち)
37歳、男性。CV:新垣樽助。
CPOの局長であり、共立日輪学園の学長。VIPではあるが気さくな性格の持ち主。姓は異なるがアリスの実父で、元コードライザー。
不破勇作(ふわ・ゆうさく)
37歳、男性。CV:チャオ・ササキ。
元々は警視庁の刑事だった、XPD捜査課所属の警部補。
XPD処理課に顔が利く都合、その陣頭指揮を取ることもあり、その際にしばしばエクス隊と顔を合わせている。
台みはる(うてな-)
30歳、女性。CV:竹内裕美。
名探偵と呼ばれた父を持つ私立探偵の女性。 怖いもの知らずでハザード事件の捜査にもしばしば首を突っ込む。
御舟アリス(みふね-)
18歳、女性。高等部3年。CV:中上育実。
エクス隊の隊長を務める、日・UC(大陸諸国連合)ハーフの勝ち気な娘である。エクス隊の現場責任者として、エンブリオ事件の対策のために国連に出張している。
優秀なコードライザーであると同時に、それ以上の超常的能力「アカシック」の持ち主でもある。
後藤真央(ごとう・まお)
23歳、女性。CV:秋奈。通称ゴマちゃん。
XPD通信課所属のオペレーター。CPOやエクス隊に依頼を行う際は大概彼女から通信が入る。
通信を始める際に折り目正しく「こちらXPD通信課の後藤真央です」と入れる癖は本作でも健在。
村正八(むら・まさはち)
22歳、女性。CV:秋奈。通称ハチ。
XPD処理課に所属する新米巡査。当人はもちろんコードライザーではないが、天然コードライズ体質という珍しい体質を有しており、このためある程度であれば異形の対処も可能。しかしながら極度の方向音痴が祟り、実際の異形対策で役立つ場面がほとんど無い。カレーに目がない。
ILITH(アイリス)
年齢不詳、女性人格。
エクス隊の"協力者"である、時空体と呼ばれる高次精神的存在。
関連動画
関連項目
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