東名高速道路(とうめいこうそくどうろ)とは、東京都世田谷区の東京ICから、愛知県小牧市の小牧ICに至る、高速道路(高速自動車国道)である。略称は東名高速(とうめいこうそく)、東名(とうめい)。路線番号は E1 (2017年3月1日より)。また全線が AH1 アジアハイウェイ1号線に指定されている。
概要
東京都世田谷区から神奈川県・静岡県を経由し愛知県小牧市までを結ぶ全長346.8kmの高速道路であり、中日本高速道路(NEXCO中日本)が管轄する。始点の東京ICで首都高速3号渋谷線に、終点の小牧ICで名神高速道路に接続する。名神と合わせる形で、東京・名古屋・大阪の三大都市圏を結ぶ日本の道路交通の大動脈である。
東京IC - 沼津ICは国道246号と、沼津IC - 岡崎ICは国道1号と、豊田IC - 小牧ICは国道155号と、それぞれ並行している。
全区間を通じて非常に交通量が多い。特に大型車両の通行が終日に亘って多く、サグや合流などによる渋滞がよく発生する。このことから、遅延対策として東京を発着する西日本方面への深夜の高速路線バスは中央自動車道(東名と同じく、東京と名古屋を結ぶ高速自動車国道であり、延長距離もほぼ同じ)を経由するのが一般的となっている。
全線開通後も一部区間で6車線化や登坂車線・合流車線の延長などの車線拡幅を中心とした改良工事が行われている。
追加ICの設置が多く、全線開通後に17か所以上のIC・JCTが追加設置されている(スマートICを含む)。
道路自体は急カーブ・急勾配の多い中央道に比べ走りやすいものの、大型車の通行が非常に多いので乗用車で走行すると少々恐怖を感じる事がある。
富士IC~清水ICの由比PA付近は、太平洋の海岸沿いを経由しているため、台風等の高波発生時には通行止めとなることが多い。この際は、並行する国道1号や東海道本線なども通行止め・運休となる場合が多いことから、由比地区での交通の遮断が問題となっていたが、2012年以降は、この区間が通行止めの際も新東名高速道路で迂回することができるようになった。
開業当初から事故が多く、1979年の日本坂トンネル火災事故では一部区間が1週間にわたって通行止めになった。
東名に並行する形で新東名高速道路が一部開通しており、御殿場JCT - 豊田東JCTが開通している。
御殿場JCT - 豊田JCT間は、新東名高速道路を経由した場合、東名経由より約10km短い。また、豊田JCT - 名神高速道路の草津JCT間も、伊勢湾岸自動車道・東名阪自動車道・新名神高速道路経由が東名・名神経由より約30km短絡している。このため、東京・静岡方面から大阪・京都方面へは豊田JCTで東名高速道路を離れる車が多く、新名神高速道路が開通した2008年以降、豊田JCT以西の交通量が大きく減少している。
2019年には全線開通50周年を迎え、全線開通日前日の5月25日と全線開通日の5月26日には東名高速道路の各サービスエリア+新東名高速道路の駿河湾沼津SAで記念イベントが開催される。また、足柄SA(下り)では記念モニュメントの除幕式が執り行われる。除幕式後は、神奈川県在住のアートユニット「Fujiyoshi Brother's」による来場者参加型のアートペイントワークショップが開催される。ちなみに特別ゲストとして元女子レスリング選手の吉田沙保里が参加する。
さらに日産自動車とのコラボイベントも開催。東名と同じく「NISSAN GT-R」、「フェアレディZ」が誕生50周年を迎えることを記念して、足柄SA(下り)、牧之原SA(下り)、清水PAにてスカイライン2000GT-R、フェアレディZ-L、スカイラインGT-R NISMOが4月27日~5月26日まで展示されている。これを全部訪問してtwitterでシェア投稿して応募するスタンプラリープレゼントイベントも開催されている。
またこれとは別に、「NISSAN GT-R」の2020年モデルの試乗会が5月25日~26日に足柄SA(上り)にて開催される。[1][2]
路線名
- 第一東海自動車道:全線
国土開発幹線自動車道および高速自動車国道の路線名(法定上の正式名称)は第一東海自動車道(だいいちとうかいじどうしゃどう)である。ただし、第一東海自動車道は東名高速道路の全線のほか、首都圏中央連絡自動車道の海老名南JCT~海老名ICを含む。
かつては東海自動車道という路線名であったが、1987年に第二東海自動車道(現在の新東名高速道路、伊勢湾岸自動車道)が計画されたため、区別のため第一東海自動車道に改称された。
通過する自治体
東京都
神奈川県
川崎市(多摩区 - 宮前区) - 横浜市(青葉区 - 緑区 - 青葉区 - 緑区)
東京都
神奈川県
横浜市(瀬谷区) - 大和市 - 綾瀬市 - 海老名市 - 厚木市 - 伊勢原市 - 秦野市 - 足柄上郡中井町 - 足柄上郡大井町 - 足柄上郡松田町 - 足柄上郡山北町
静岡県
駿東郡小山町 - 御殿場市 - 裾野市 - 駿東郡長泉町 - 沼津市 - 富士市 - 静岡市(清水区 - 葵区 - 駿河区) - 焼津市 - 藤枝市 - 焼津市 - 藤枝市 - 焼津市 - 島田市 - 榛原郡吉田町 - 島田市 - 榛原郡吉田町 - 島田市 - 榛原郡吉田町 - 牧之原市 - 菊川市 - 掛川市 - 袋井市 - 磐田市 - 浜松市(中央区 - 浜名区)
愛知県
新城市 - 豊橋市 - 豊川市 - 岡崎市 - 豊田市 - みよし市 - 日進市 - 長久手市 - 名古屋市(名東区 - 守山区) - 尾張旭市 - 名古屋市(守山区) - 尾張旭市 - 名古屋市(守山区) - 春日井市 - 小牧市 - 春日井市 - 小牧市 - 春日井市 - 小牧市
接続高速道路
- 首都高速3号渋谷線(東京IC)
- 首都高速神奈川7号横浜北西線(横浜青葉IC/JCT)
- 保土ヶ谷バイパス(横浜町田IC)
- 首都圏中央連絡自動車道(海老名JCT)
- 小田原厚木道路(厚木IC)
- 新東名高速道路(御殿場JCT)
- 伊豆縦貫自動車道(東駿河湾環状道路)(沼津IC)
- 西富士道路(富士IC)
- 新東名高速道路(清水JCT)
- 静岡県道86号磐田インター線(磐田IC)
- 新東名高速道路(三ヶ日JCT)
- 伊勢湾岸自動車道(豊田JCT)
- 名古屋瀬戸道路(日進JCT)
- 名古屋第二環状自動車道(名古屋IC)
- 中央自動車道(小牧JCT)
- 名古屋高速11号小牧線(小牧IC)
- 名神高速道路(小牧IC)
施設・接続道路など
- 東京ICの接続道路は東京都道311号環状八号線と案内される場合が多いが、実際は世田谷区道である。
- 大井松田IC-御殿場ICの下り線は、左ルートと右ルートに分かれる。鮎沢PAは左ルートを走行した場合のみ利用できる。
- 焼津IC-静岡ICの上り線の日本坂トンネル付近も、左ルートと右ルートに分かれる。
- かつて豊橋北BS-豊川IC間(265.7KP)に豊橋本線料金所が設置されていたが、2007年5月31日に廃止された。
- かつて名古屋IC-守山PA間(329.5KP)に旭BSが設置されていたが、2006年12月15日に廃止された。
歴史
1968年に最初の区間が開通し、その後わずか1年でほぼ全線が開通している。
- 1968年4月25日:東京IC - 厚木IC、富士IC - 静岡IC、岡崎IC - 小牧ICがそれぞれ開通。小牧ICで名神高速道路と接続。
- 1969年2月1日:静岡IC - 岡崎ICが開通。
- 1969年3月19日:厚木ICで小田原厚木道路と接続。
- 1969年3月31日:厚木IC - 大井松田IC、御殿場IC - 富士ICがそれぞれ開通。
- 1969年5月26日:大井松田IC - 御殿場ICが開通。
- 1971年12月21日:東京ICで首都高速3号渋谷線と接続、これにより全線開通。
- 1972年10月5日:小牧JCTが開通。中央自動車道と接続。
- 1974年3月26日:浜松西ICが開通。
- 1981年4月25日:秦野中井ICが開通。
- 1982年4月2日:富士ICで西富士道路と接続。
- 1986年11月21日:音羽蒲郡ICが開通。
- 1988年3月29日:裾野ICが開通。
- 1991年3月28日:御殿場IC→大井松田ICの上り線が移設、3車線化。鮎沢PAの上り線が移設。
- 1991年12月24日:大井松田IC→御殿場ICの旧上り線が下り線右ルートに改築、下り線が2+2車線化。
- 1993年3月22日:東名三好ICが開通。
- 1993年3月25日:相良牧之原ICが開通。
- 1993年12月3日:名古屋ICで東名阪自動車道(現:名古屋第二環状自動車道)と接続。
- 1993年12月21日:掛川ICが開通。
- 1995年4月22日:厚木IC - 大井松田ICが6車線化。
- 1997年4月1日:横浜ICが横浜町田ICに改称。
- 1997年6月1日:磐田原PAが移設、遠州豊田PAに改称。
- 1997年:横浜町田ICで保土ヶ谷バイパスと接続。
- 1997年頃:日本坂PAが移設。
- 1998年3月20日:横浜青葉ICが開通。
- 1998年3月27日:焼津IC→静岡ICの日本坂トンネルの下り線が移設、3車線化。通常時最高速度が70km/h→80km/hに引き上げ。
- 1998年:焼津IC→静岡ICの日本坂トンネルの旧下り線が上り線右ルートに改築、上り線が2+2車線化。通常時最高速度が70km/h→80km/hに引き上げ。車線変更禁止規制を解除。
- 1999年1月31日:横浜BSが廃止。
- 1999年4月4日:磐田IC開通(磐田原PAの跡地)。静岡県道86号磐田インター線(自動車専用道路部分)と接続。
- 2001年10月19日:小牧ICで名古屋高速11号小牧線と接続。
- 2003年3月15日:豊田JCTが開通。伊勢湾岸自動車道の豊田東方面と接続。
- 2004年11月27日:日進JCTが開通。名古屋瀬戸道路と接続。
- 2004年12月12日:豊田JCTで伊勢湾岸自動車道の四日市方面と接続。
- 2005年1月11日:富士川SIC、遠州豊田SICの社会実験が開始。
- 2006年12月15日:旭BSが廃止。
- 2007年4月1日:富士川SIC、遠州豊田SICが本格運用開始。
- 2007年5月31日:豊橋本線料金所が廃止。
- 2009年7月27日:沼津ICで伊豆縦貫自動車道と接続。
- 2010年2月27日:海老名JCTが開通。首都圏中央連絡自動車道と接続。
- 2012年4月14日:御殿場JCT、清水JCT、三ヶ日JCTが開通。新東名高速道路と接続。
- 2016年3月12日:大井川焼津藤枝SICが開通、同時に大井川BSがSIC構内に移設。
- 2016年3月19日:愛鷹SICが開通。
- 2017年3月1日:高速道路ナンバリングによる路線番号E1が付与。
- 2017年3月18日:三方原SICが開通。それに伴い浜松西ICの番号を16-1→16-2に変更。
- 2017年4月20日:駒門PAの下り線が移設。
- 2018年3月24日:守山SICが開通。
- 2019年3月9日:足柄SICが開通。
- 2019年3月17日:新東名高速道路厚木南IC - 伊勢原JCTの開通に伴い裾野中井ICの番号を5-1→5-2に変更。
- 2019年5月26日:全線開通から50周年を迎える。
- 2021年3月31日:綾瀬SICが開通。それに伴い海老名JCTの番号を4-1→4-2に変更。
今後の予定
関連動画
関連コミュニティ
関連項目
- 日本国:高速道路一覧
- 道路関連項目一覧
- 高速道路
- 東京都 / 神奈川県 / 静岡県 / 愛知県
- 日本坂トンネル
- NEXCO中日本
- EXPASA
- 東名ハイウェイバス
- 東名高速道路下り線豊田ジャンクションの手前4.9kmの地点にある緑の案内標識
外部リンク
脚注
- *2019年東名高速道路全線開通50周年記念キャンペーン・イベント (NEXCO中日本)
- *E1 東名高速道路 全線開通50周年を記念して6カ所のサービスエリアでイベントを開催します (NEXCO中日本)
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