概要
布施市、河内市、枚岡市の3市が合併する形で1967年に誕生。
大阪市、堺市に次ぐ、府内第3の人口50万を擁する市であり、特に中小企業や町工場が多く所在していることからものづくりの町としてその名が知られている。ついでにラグビーの町でもある。
有名人としては司馬遼太郎とiPS細胞を発見した山中伸也教授、日本囲碁界初の年間グランドスラムを達成した井山裕太など。
ハウス食品と近畿車輛、近鉄バス本社と西日本屈指のマンモス大学近畿大学の本部、そして通称石切さんこと石切神社などが有名。石切神社は石切丸と小狐丸が文化財として所蔵されている神社ということで刀剣乱舞効果の参拝客が増えているらしい。
鉄道小ネタ(本家)の人の若江岩田駅も東大阪市所在。東大阪の詳しい鉄道事情については氏の動画シリーズを参照。
「東大阪駅」はないが代表的な駅は「布施駅」。かつてはけいはんな線が東大阪線の名称で呼ばれていたが、学研奈良登美ヶ丘駅までの延伸で現在のけいはんな線に改称し近鉄から東大阪の名称が消滅。市役所の最寄り駅である荒本駅を東大阪駅に変更するよう近鉄に申し出ているが、資金面での問題で実現には至らず。
※駅名変更には莫大なコストがかかる。上記のようなケースの場合、変更のコストは当該の地方自治体が負担するのが通例だが、市はこの費用も近鉄に求めているため実現できていない。
鉄道面では近鉄奈良線、近鉄大阪線、近鉄けいはんな線、JRおおさか東線、(かすめる程度だが)JR学研都市線、Osaka Metro中央線が通っている。
なお夜に奈良線の石切~枚岡間に乗ると綺麗な夜景が見れる。在来線の車窓から大阪の夜景を見下ろせる場所は少なく、専門サイトで紹介されるほど。その反面近鉄のこの区域は急勾配であり、かつては規定違反だった(現在は規定が廃止されているので問題なし)。
この鉄道路線はおおさか東線を除き東西方向に走る路線で、唯一南北方向を通るおおさか東線も本当に大阪市と接するような地域を走っているため、後述の渋滞も加えて市内南北の移動は不便な方になるのだが、2029年に大阪モノレールの現在の終点である門真から東大阪の瓜生堂(奈良線の八戸ノ里~若江岩田間)までの延伸が予定されており、伊丹空港へのアクセスや南北方向への交通利便性の向上が期待されている。これに伴い、近鉄でも新駅を建設したり、予定地周辺の整備が進められている。もともと瓜生堂延伸は当初から計画されていたため、近鉄はそれを見越して八戸ノ里~若江岩田駅間を広くとっていた。なおこの路線は途中で中央環状線を離れて荒本を通るルート設計になっている。おそらく途中にある東大阪JCTにモノレールを通す余裕がないためと思われる。モノレール荒本駅新設のため市役所向かいにあったカルフール⇒イオンが閉店している。他に門真南駅(Osaka Metro長堀鶴見緑地線)、鴻池新田駅(JR学研都市線)とも連絡する予定。
南北の鉄道での移動が難しい分、その移動はバスが担っており、近鉄の各駅~JR学研都市線や京阪本線まで複数のバス系統が走っている。しかし後述の道路問題でダイヤは慢性的に遅れ気味。
道路については国道308号線(中央大通)や国道170号線(大阪外環状線)、大阪中央環状線などの幹線道路を除いてほとんどが片側1車線しかない貧弱な道路網であり、通行量が多い道路では慢性的に渋滞が発生している。なお、一般道の間に高架の高速道路が通っているため、大阪中央環状線の東大阪エリアは日本一太い道路とされている。前述通り、将来的にはここを大阪モノレールも通る予定。
高校ラグビーの会場として知られる花園ラグビー場も東大阪市にある。2019年のラグビーワールドカップ開催の際には試合会場の誘致に乗り出したものの、開催試合は4試合で日本戦は誘致できなかったという結果に終わった。これに伴い、元々近鉄の所有だったラグビー場の施設を無償で譲渡され、土地は市が買い取った。しかし施設改修にまた多くの費用がかさみ、一部府の出資を受けているものの地元住民の負担となってしまっている。名称も「東大阪花園ラグビー場」に改めた。日本社会人ラグビーのプロリーグであるJAPAN RUGBY LEAGUE ONE所属のプロチーム「花園近鉄ライナーズ」のホームグラウンドでもある。
また2019年には当時JFLに所属していたサッカーチーム「FC大阪」が東大阪市をホームタウンに定めたことに伴いサッカーの試合が行われる機会が増加。2022年には見事J3の昇格基準をクリアし、晴れて東大阪市はラグビーとサッカー両方のプロチームを抱える「フットボールの町」へと進化を遂げた。
近年は関西へのインバウンド増加などの影響を受け、一部地区に新規でホテルが建つなど再開発が進んでいる地域もある。大阪市中心部へのアクセスが良好なこと、近年発生が多い大規模な自然災害の被害が比較的軽微で済んでいるなどの要素もあり、地味に地価が上昇傾向にある。
度々経済番組などで特集されるが南隣の八尾市と共に世界屈指の技術を持つ中小企業が多く集まっており、この市にある企業無くしては製造や活動が成り立たない大企業や公的機関も数多い。かつて人工衛星「まいど一号」を市の企業や町工場だけで作り上げたため、航空宇宙局を相手に商売している企業も。世界の部品流通が滞るとこちらの企業に代替品を依頼するケースもあり、部品流通の国内回帰が進む地でもある。
かつて河内永和駅前にあった市民会館が老朽化のため取り壊しになり、八戸ノ里駅前の市民病院跡に新築された。地域のコンサートホールとして十分な規模を持つため、落成直後からアーティストのライブなど様々なイベントで使用されている。このため八戸ノ里駅周辺は交通渋滞緩和のための道路の拡張などがいち早く行われている。旧市民会館跡地はこれまた近くで老朽化が進んでいた市立図書館と商工会議所が新しく建設されている(それまで図書館は布施のイオンにまで間借りしていた)。余談だが近鉄ではどちらも各駅停車しか止まらない駅である(JR河内永和駅は快速が止まるのに)。
一部地域で治安が悪いこともある意味有名であり、布施駅周辺は一時期ひったくり発生率全国ワースト1位という不名誉な記録を持っていた。一方で、奈良線の夜景が綺麗な地帯は一転して古くからの高級住宅街として知られる地域でもある。
ご当地グルメの有名どころとして、ほぼ大阪市との境界線上にあるエリアに高井田系ラーメンというジャンルがある。濃いめの醤油味スープと極太ストレート麺が特徴。代表とされる光洋軒や住吉は実は住所が大阪市内にあるが、店主曰く「心は東大阪」らしい。高井田系と言われているが、高井田駅・高井田中央駅とは離れた位置にあり、大阪シティバスの高井田停留所やOsaka Metro千日前線の新深江駅が最寄りである。
意外と(全然)知られてないようだが市のイメージソングなるものがある、暇な方は東大阪市のホームページで聞いてみてはどうだろうか。
そして市のイメージキャラクターにラガーマンをイメージしたトライくんがいるが存在感は薄い。マンホールの蓋に描かれるなど、細々と活躍中の模様。
3つの市が合併して出来たので市外局番が2つ(かつては3つ)あったり警察消防や保健所、ゴミ処理などは布施・河内・枚岡の3つの旧市域で区切られ、更にその支所ごとの管轄の中には支所が田舎みたいに多かったりする。2003年に荒本に市庁舎ができるまでは市役所も3ヶ所で役割を分担していたほどである。一方で「東大阪駅」もない、布施は快速急行とごく一部を除き特急が止まらない…などと、やはり都会の形をした田舎と言われてもやむを得ない面がある。このため、市は「ものづくりの町」や「ラグビーの町」として統一的なアイデンティティを作り上げようとしているが、やはり別の街だったということを覆すのは難しいようで、昔の3つの市域毎で街の雰囲気が異なり、特に旧布施市地域は布施、長瀬、小阪、荒本・長田、鴻池・徳庵などで雰囲気が全く異なるなど、色々ごった煮状態、「都会の形をした田舎」な町である。
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